わくさき日記

千葉県習志野市の司法書士事務所の日常です。

商号・株式会社○○不動産部??

2018-02-08 09:09:21 | 司法書士
株式会社をはじめとする会社は法務局に登記をしなければなりません。
登記をすることにより、初めて会社が成立することになります。

会社の登記の内容は、会社形態により違いがあるのですが、会社の名前である商号はどの会社形態でも
登記することになっています。

その商号について例えば「ビックリ!!商事株式会社」と付けることはできるでしょうか?
結論から言えば、商号に「!」を付けることはできません。
したがって、「ビックリ!!商事株式会社」という商号は付けることができません。

このように商号には法律やその他の法令で定められた一定のルールがあります。

最も基本的なところでは会社の種類を表す文字、例えば「株式会社」という文字を必ず入れなくてはなりません。
「ビックリ商事」の場合
①株式会社ビックリ商事
②ビックリ商事株式会社
上記①②どちらでもOKです。

さらに株式会社の文字が入っていればいいので
③ビックリ株式会社商事
も、よいとされています。
前株・後株ならぬ中株(なかかぶ)とでもいえばいいのでしょうか?
とはいえ、私は今まで中株の商号をみたことがありません。。

一方、さすがに
「ビックリ株式商事会社」のように「株式会社」を分解してしまっては不可と解されます。

上記の規定は会社法という法律に定められているルールですが、そのほかにも法務省の通達などにより
・日本の文字を使うこと
・ローマ字・アラビア数字は使えること
・銀行・保険などの名称には制限があること
などがあります。

そして通達の一つに
・商号中に支店やその会社の一部門を示すような文字を使うことはできない
というルールがあります。

例えば「株式会社〇〇不動産部」のような商号です。
不動産部は株式会社〇〇の一部門に過ぎないので、それ単体で法人格は認められないということとなのだと思います。
同じような理屈で「株式会社××千葉支店」のような商号も認められないものとされています。

ここで、少し話が横道にそれるのですが、これまで会社の登記記録や登記簿を閲覧・取得しようとするときには
基本的には、その会社の商号や本店(所在地)を特定しなければなりませんでした。
そのため、商号だけわかっていても本店がわからなければその会社について調べることができませんでした。

ところが、現在は個人にマイナンバーが付されているように、各会社にも法人番号がふされるようになり
国税庁の法人番号公表サイトから商号からだけ、もしくは本店からだけでも調べられるようになりました。
それどころか、商号の一部だけ、都道府県もしくは市区町村だけでも調べられるようになりました。
とても便利ですし、一部の方からは、便利すぎるという批判めいた声も聞かれます。。

そこで、話を元に戻して先ほどの法人の一部を示すような「不動産部」や「支店」などの商号は本当にないのか?ということを
調べてみましたた。
すると・・・

やはりありました。
株式会社形態で不動産部となっているものが40件程度
同じく支店となっているものが10数件程度

確かに、商号からだけではそれが「法人の一部を示している」と明らかでないケースもありました。
が、しかし、明らかに一部門な感じなんですけど・・というものも。

私も実際に「〇〇部」となっている会社の謄本を見たことがあります。
通達が見過ごされて、登記されてしまっているということなのでしょうか。

ちなみに、「支部」という文字は平成21年7月の通達により使用が認めれれています。