わくさき日記

千葉県習志野市の司法書士事務所の日常です。

支店登記はなくなる??

2018-02-16 10:56:54 | 司法書士
現在、法務省の法制審議会会社法制部会において会社法改正について議論がされています。
先日、その中間試案がまとまったとの報道がありました。

会社法は企業活動を支える法律なので、現状の企業活動に合致させるべく絶えず改正がされています。
今回の改正では、株主提案権の制限や社外取締役の義務付けなどについて議論がされているようです。
そして、司法書士が日々取り扱う商業登記は会社法と密接に関連していることから法改正についても気を付けておく必要があります。

そんな中で、議論の一つに「支店登記の廃止(会社法930条~932条の廃止」がありました。

一般的に、会社の謄本(登記事項証明書)と言えば、会社の本店の登記記録です。
しかし、実はその会社に支店の登記があれば、支店の謄本も取得することができます。
ただ、登記されている事項は、商号・本店・支店だけです。
取得してもほとんど意味をなさない内容であり、実際に「会社の支店の所在地における登記についての登記事項証明書の交付請求が
される例は、ほとんどないようである」(第8回会議資料)とのこと。

実際、私も支店登記の謄本については「すごくシンプルな謄本しか取れないのですが・・」という質問を受けた程度の記憶しかありません。
質問をされた方は、支店の謄本を取得していたようなんです。
利用もされていない、間違いの元であり、しかも登記する会社にとってはただの手間だけ・・、となれば廃止もしょうがないと思います。

そもそも支店登記とは、今日のようにインターネットなどの情報基盤が発達していない時代において「支店とだけ取引をする者が本店の
所在場所を正確に把握していない場合があり得ることを前提に、支店の所在地を管轄する登記所において検索すればその本店を調査できる
という仕組みを構築するものであった」(同資料)とのこと。

今日では、ネットの普及で簡単に本店の所在地を調べることができますので、存在意義自体が失われてしまったということなのだと思います。

まだ、議論の最中なので結論がどうなるかわかりませんが、いずれ廃止されるのは間違いがないような気がします。。
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車庫証明

2018-02-09 08:15:50 | 行政書士
私は行政書士の登録もしております。
行政書士の業務は多岐に渡りますが、やはり花形業務と言えば、許認可業務だと思います。
建設業や風俗営業の許可、宅建業の許可などがその代表格でしょうか。
私は司法書士業務がもっぱらのため、行政書士に登録しているとはいってもいまのところ許認可業務は
あまり取り扱っておりません。

そんな中、車庫証明を取得してほしいという依頼がありました。
行政書士の業務を法律の文言に当てはめると「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類」の作成です。
先ほどの許認可も、県庁などの官公署に提出する建設業の許可申請書などの書類を作成しているということになります。
そして車庫証明も官公署たる警察署に提出する書類ですから、その作成は確かに行政書士業務です。

そこで、行政書士として車庫証明業務に取り組むことになりました。

車庫証明の基本的な業務内容は、申請書と車庫のある場所の所在地図の作成です。
日ごろの司法書士業務で登記申請書の作成には慣れているところですから、官庁が違うとはいえ、行政への提出書類ですから
なんとなく似ている部分もあります。
そのため、警察署からもらったひな型を見ながら、比較的簡単に申請書は作成できました。

一方、所在地図の作成は簡単なようで、少し手間取りました。
地図や図面などは小さいころから苦手意識を持っていたことを改めて思い出した次第です。。。
そして、最も大きな違いは「現地調査」を行ったことです。
司法書士の業務は、基本的にデスクワークです。
そのため、関東にいながら、北海道や沖縄の不動産の登記を申請することもでき、必ずしも
現地に行くことはありません。
というか、ほとんどありません。
(もちろん、当事者の方の確認などは適宜必要です)

その点、今回は所在地図を作成するために実際に現地の駐車場を訪れて、メジャーで駐車場の大きさなどを測り図面に
落とし込みました。
当然、そのような大きなメジャーはもっていなかったのですが、今のご時世「100均」で何でもそろえることができます。
調査前に大きめの100均に立ち寄りメジャーをゲットしておきました。
たかが真四角の駐車場(駐車スペース)の計測なのですが、メジャーすらうまく扱えず四苦八苦。
かなり不審者だったかもしれません。。。
依頼者からの委任状にはあらかじめ「現地調査のための駐車場への立ち入り」の一文を入れておきましたので、もし何か言われたら
委任状を見せよう、などと変な心配をしながら、無事測量することもできました。

そして、申請書や図面などの一式をもって管轄の警察署へ。
車庫証明の管轄はかなり細かく分かれているみたいなので、提出先は要注意のようです。

受付が少しコワモテのおじさんだったので、少しだけ緊張。
この人元刑事??
受付の後ろでデスクワークしているお兄さんは、柔道着なんですけど??
やはり警察行政とはいえ、ほかの行政窓口とは一味違いました。。苦笑
と、いろいろ観察している間に、受付も完了。
車庫証明自体は3.4日したら出来上がるとのことでした。

たまに、ほかの業務を行ってみるのも、本来業務を別の視点から見つめるという点でもいいのかもしれないな、
などと思った車庫証明業務でした!
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商号・株式会社○○不動産部??

2018-02-08 09:09:21 | 司法書士
株式会社をはじめとする会社は法務局に登記をしなければなりません。
登記をすることにより、初めて会社が成立することになります。

会社の登記の内容は、会社形態により違いがあるのですが、会社の名前である商号はどの会社形態でも
登記することになっています。

その商号について例えば「ビックリ!!商事株式会社」と付けることはできるでしょうか?
結論から言えば、商号に「!」を付けることはできません。
したがって、「ビックリ!!商事株式会社」という商号は付けることができません。

このように商号には法律やその他の法令で定められた一定のルールがあります。

最も基本的なところでは会社の種類を表す文字、例えば「株式会社」という文字を必ず入れなくてはなりません。
「ビックリ商事」の場合
①株式会社ビックリ商事
②ビックリ商事株式会社
上記①②どちらでもOKです。

さらに株式会社の文字が入っていればいいので
③ビックリ株式会社商事
も、よいとされています。
前株・後株ならぬ中株(なかかぶ)とでもいえばいいのでしょうか?
とはいえ、私は今まで中株の商号をみたことがありません。。

一方、さすがに
「ビックリ株式商事会社」のように「株式会社」を分解してしまっては不可と解されます。

上記の規定は会社法という法律に定められているルールですが、そのほかにも法務省の通達などにより
・日本の文字を使うこと
・ローマ字・アラビア数字は使えること
・銀行・保険などの名称には制限があること
などがあります。

そして通達の一つに
・商号中に支店やその会社の一部門を示すような文字を使うことはできない
というルールがあります。

例えば「株式会社〇〇不動産部」のような商号です。
不動産部は株式会社〇〇の一部門に過ぎないので、それ単体で法人格は認められないということとなのだと思います。
同じような理屈で「株式会社××千葉支店」のような商号も認められないものとされています。

ここで、少し話が横道にそれるのですが、これまで会社の登記記録や登記簿を閲覧・取得しようとするときには
基本的には、その会社の商号や本店(所在地)を特定しなければなりませんでした。
そのため、商号だけわかっていても本店がわからなければその会社について調べることができませんでした。

ところが、現在は個人にマイナンバーが付されているように、各会社にも法人番号がふされるようになり
国税庁の法人番号公表サイトから商号からだけ、もしくは本店からだけでも調べられるようになりました。
それどころか、商号の一部だけ、都道府県もしくは市区町村だけでも調べられるようになりました。
とても便利ですし、一部の方からは、便利すぎるという批判めいた声も聞かれます。。

そこで、話を元に戻して先ほどの法人の一部を示すような「不動産部」や「支店」などの商号は本当にないのか?ということを
調べてみましたた。
すると・・・

やはりありました。
株式会社形態で不動産部となっているものが40件程度
同じく支店となっているものが10数件程度

確かに、商号からだけではそれが「法人の一部を示している」と明らかでないケースもありました。
が、しかし、明らかに一部門な感じなんですけど・・というものも。

私も実際に「〇〇部」となっている会社の謄本を見たことがあります。
通達が見過ごされて、登記されてしまっているということなのでしょうか。

ちなみに、「支部」という文字は平成21年7月の通達により使用が認めれれています。
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法定相続情報証明(続き)

2018-02-07 11:58:07 | 司法書士
昨年5月末から法務局にて相続関係図の証明書を交付してくれる制度=法定相続情報証明制度がスタートしました。

法定相続情報証明制度


スタートの当初にこのブログでも制度について取り上げていましたが、どの程度普及していくのかはわからないものでした。
私も司法書士として相続登記手続きを行っていますが、ぼちぼち利用しているといった程度です。
ほかの司法書士の先生、事務所さんはどんな感じなんでしょうか??

っと、ほかの方の動向が気になっていたところなのですが、先日、専門誌にそれに関連する記事がありました。

司法書士の方がよく購読されている雑誌の一つに「登記研究」というものがあります。
月刊誌なのですが、その平成30年1月号に次のような記事がありました。

「昨年5月29日に法定相続情報証明制度の運用を開始しましたが、順調に利用が進み、現在ほとんどすべての金融機関において
利用が可能となっています。本年は、その利用範囲が更に広がるよう務めてまいります」
(新年を迎えて より抜粋)

これは、登記行政をつかさどる法務省民事局長の新年にあたってのコメントの一部です。

上記のコメントによれば、順調に利用が進んでいるようです。
また、一番懸念されていた金融機関の対応も、「ほとんどすべての金融機関」で利用できるとのこと。
金融機関には銀行、信金などは当然として、保険会社なんかも入るんですかね??

ちなみに、裁判所では利用もできるが、裁判官の指示で追加の資料の提出も求められているようです。
個人的な感覚としても、法定相続情報証明オンリーで各種の裁判所の手続きが済むような感じはしませんね。
金融機関の手続きと異なり定型的でないものもあるので、しょうがないとは思います。

なお、そのコメントの記事ではその他に「所有者不明土地問題への取組を強力に進める」こととしているとのこと。
土地の所有者がわからないことで、様々な分野に影響が出ていると思うので、本当に「強力に」進めてほしいと思います。
その点について情報があれば、このブログでもお伝えできればと思います。
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旧姓の使用(商業登記)

2017-08-25 08:52:43 | 司法書士
先日の読売新聞の一面に「「旧姓」でも銀行口座…手続き円滑化を政府要請」の記事がありました。
また、「政府は、6月に決定した「女性活躍加速のための重点方針2017」で、「旧姓の通称としての使用拡大」を明記した。
マイナンバーカードやパスポートでは今後、段階的に旧姓を併記できるようになる方向だ。」とのことです。

一般的に女性は婚姻(もしくは離婚)の際に氏が変わります。
各種の手続きも大変ですし、そもそも個人情報保護がこれだけ言われている時代に
重大なプライバシー事項を公表していることになります。
夫婦別姓の議論ともつながってくる話ですが、少なくとも旧姓の使用は認められてもいいのではないでしょうか?
ワーキングネームなどは随分と浸透しているように感じますが。

では、登記分野ではどうなのか?

商業登記=会社の役員の登記などでは旧姓の使用が認められています。

例えば、取締役や監査役は氏名が登記されますが、その際に旧姓を使用することができます。
ただ、旧姓を使用できますが、戸籍上の氏名と「併記」する形になります。

戸籍上の氏名 鈴木花子
婚姻前の氏(旧姓) 山田

取締役 鈴木花子(山田花子)

また、好き勝手な時点から旧姓使用が認められるわけではなく、一定の登記の際に合わせて申出をする必要があります。
例えば、上記の鈴木花子さんが、明日から旧姓を併記したいといって、登記上の理由もなく旧姓併記の申出をすることはできません。

婚姻して氏が変わったときや、設立、役員の改選の際などに限られます。

なので、上記の鈴木花子さんは、原則として次回の改選の時までお待ちいただくことになります。

そういった意味で、まだまだ使いにくい制度ですし、そもそも「併記」という時点で、旧姓使用とは趣旨がずれていると感じられる方も
いらっしゃるかもしれません。
そういう声が大きくなってくると別姓の話に向かっていくのかもしれませんね。

なお、旧姓併記をする場合は、別途の書類として戸籍謄本等が必要となります。
また、不動産登記の分野では旧姓の使用は認められていません。
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