わくさき日記

千葉県習志野市の司法書士事務所の日常です。

アマゾン・不動産カテゴリーで1位を獲得しました!

2023-07-18 11:30:27 | 司法書士
先日発売した電子書籍で、2023年7月14日付け・不動産カテゴリーにて、1位を獲得することできました。
ありがとうございました。


電子書籍を発売しました

2023-07-18 11:16:49 | 司法書士
この度、電子書籍を発売しましたのでお知らせします。

「相続登記の準備をはじめる前に読む本」
著者:司法書士 景山悟

2024年(令和6年)の相続登記の義務化に対応しています。



以下、本書「はじめに」と「目次」の抜粋です。

はじめに

この度は、相続に関する書籍の中から、本書を手に取っていただきありがとうございます。
本書は、相続登記の手続を解説する前の段階のお話であったり、相続登記を自分で進めることができるか否かの判断のポイントをお伝えするものです。
ですから、相続登記の手続を解説したものでも、手続マニュアルでもありません。

なーんだと思われた方もいるかもしれません。
しかし、相続登記に関して情報を集めている方にとっては、とても重要な内容になっていますので、
相続登記で失敗しないためにも、ぜひ、この「まえがき」だけでも読んでみてください。

わたしは、日ごろ、司法書士として相続登記の相談を受けることが多いのですが、
ちょっとだけ準備をしておけば見通しも大きく違っていたのではないかと思うようなこともあります。

例えば

「先生、父親が亡くなったんで、自宅の相続登記をお願いしたんだけど」
「わかりました。相続人の方とのお話合いは出来ていますか?」
「はい。相続人は、母と長男である私と弟なんですけど、私が相続することになりました。弟は海外在住なので、
印鑑証明書の代わりの書類が必要だってインターネットで調べましたので、駐在している国の大使館で取ってきてもらいましたよ」

「わかりました。いろいろお調べいただいているんですね。そこまでお調べになったのであればご自身で相続登記の手続はしないのですか」
「それも考えたんですけど、手間を考えたら専門の人に頼んじゃおうと思って」
「そうなんですね。それは人それぞれだと思います。ちなみに、登記所のホームページでは相続登記の小冊子もダウンロードできますけれど、挑戦してみますか」
「いえ、今回は先生におまかせします」
「わかりました。それでは、ご準備の内容に沿った書類を用意しましょう。まずは、ご自宅の登記簿謄本を確認しますね。どれどれ、えーっと……、あれ?」

「先生、どうかしましたか?古いボロ家だから価値もあまりないでしょう」
「いえ、そうではありません。登記簿謄本には値段は書いてないですからね。それより、登記簿謄本の所有者はお父様のお名前ではないようですよ」

「え?あー、これおじいちゃんの名前だ。この地所は祖父の代から使っているんですよ。
とはいえ、固定資産税とかもずっと父親が払ってましたし、父親の兄弟であるおじ、おばも他に住んでますから大丈夫ですよ」
「そうなんですね。ただ、相続登記では、大丈夫じゃないんですよ。固定資産税の通知などがお父様名義で届いていたとしても、
登記簿謄本の所有者とは関係がないんです。だから、おじいさまの相続登記が必要です」

「じゃ、それもお願いします」
「おじい様の相続登記ということは、お父様の相続人だけでは手続が出来ないんです。
おじい様の相続人である、おじさん、おばさんのご協力も必要です。場合によってはおばあ様の相続人の協力も必要です」

「そうなんですかあ。おじいちゃんの兄弟は5、6人いたんじゃないかな。それに亡くなっている人もいるなあ」
「亡くなっている場合は、その子どもたちが相続人になります」
「いやー、それは困ったな。あまり付き合いのない親戚もあるので。市役所から来ている固定資産税の宛名が父親でもダメなんですね」

「はい、残念ながら」
「ちなみに……」
「まだ、何かありますか」
「はい、おじい様の時のようなのですが、個人の方からお借入をしています。それ自体は問題ないのですが、
その時の抵当権の登記がそのままになっています。今もご返済などをしてますか?」

「いえ、そのようなことはないですし、何か通知とか手紙とかも来てないですね」
「お借入額が登記されているのですが、その金額からしてすでに完済されていてもおかしくないと思います。
おそらく、抵当権の登記だけ残ってしまっているのではないかと思います」

「じゃ、気持ち悪いんで、それもどうにかしてください」
「はい、わかりました。ただ、抵当権を消す登記は、抵当権者の協力が必要です。抵当権者は個人の方ですが、ご存知ですか?」

「知りません。知らないとどうなりますか」
「お調べする必要があります。もし、亡くなっていたら、その相続人の方全員と連絡を取る必要がありますし、
わからなければ供託手続や裁判手続なども検討する必要があります」

「裁判、ですか?なんだか、すごい話になってきましたね。自宅の登記なのに」
「登記簿の書き換えというのは、一足飛びには出来ないんです。おじい様の名義であれば、まずはおじい様の相続登記が必要になります。
また、抵当権の登記を消す手続も抵当権者と協力して行わなければならいルールなんです」

「忙しいなか、弟に大使館へ行ってもらったりしたけど、その前に登記簿謄本を見ておけばよかったな。
固定資産税も払っていたから、まさか、こんなことになっているとは思いませんでした」

詳しくは次章以降の本文に譲りますが、この例のように相談者が思っていた見通しと違っていたということもあります。

みなさんの中には相続登記の義務化という話を聞かれている方もあるかと思います。
義務と言われれば少しマイナスのイメージを感じつつもインターネットや書籍を参考に相続登記の準備を始めているかもしれません。

ただ、もしかしたら、先の事例のように登記簿謄本の記載が想定外の内容になっているかもしれません。
本書では、相続登記の準備を始める前の確認事項をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

また、そもそも、相続登記は自分ですることができるのかと思っている方もいるかもしれません。
本書では、自分でできるか、司法書士などの専門家に相談・依頼するかの見極め方をご紹介しています。

まずは、目次を確認いただき、興味を持たれた部分から読んでみてください。
そして、必要に応じてそのほかの部分も読んでいただければと思います。

最後に、本書を手に取っていただいた方には、相続登記を自分でできるかチェックシートと相続登記・専門用語集をご用意させていただきました。
ぜひ、特典ホームページよりダウンロードの上、ご活用ください。

目次
はじめに

第一章 相続登記の義務化
一.相続登記の申請が義務化された経緯
二.相続とは・相続のルール
三.相続登記の義務化の時期
四.相続登記の義務化の内容

第二章 相続登記とは
一.不動産登記とは
二.不動産登記のルール
三.相続登記とは

第三章 最初に取り組むべきこと
一.登記簿の確認の重要性
二.登記簿の確認方法
三.登記所の窓口で登記簿謄本を取得するときに気を付けること
四.取得後に確認すること
五.郵送やインターネット登記情報提供サービスでの取得時や取得後に気を付けること

第四章 遺言書の確認
一.遺言書の確認の重要性
二.遺言書の種類
三.遺言書の検索の方法
四.遺言書が見つかったら

第五章 相続登記は自分でできるのか・総論編
一.相続登記の手続き概要と負担感
二.自分で手続きを進めるならまずは無料情報を取得
三.法務局の相談窓口の注意点

第六章 相続登記は自分でできるのか・事例編
一.四大困難事例
二.戸籍の取得+相続人の確定作業
三.登記簿の所有者名義が被相続人ではない
四.相続人の中に遺産分割協議ができない人がいる
五.自筆証書遺言の記載内容が不適切
六.登記簿の記載による事情

第七章 相続登記に関連する手続き
一.相続放棄
二.成年後見制度
三.家族信託(民事信託)

第八章 相続手続の専門家
一.弁護士
二.司法書士
三.税理士
四.行政書士
五.不動産鑑定士
六.社会保険労務士
七.その他

おわりに まとめ・不動産の終活は登記簿謄本の確認から

対談を収録しました。

2022-02-18 00:00:00 | 司法書士
先日、ビデオの収録をしました。

私は、独立して事務所を開設していますが、優オフィスグループのメンバーにもなっています。

優オフィスグループには、行政書士、税理士、弁護士、土地家屋調査士、宅地建物取引士(不動産業者)など様々な方が
集まっています。
みなぞれぞれ独立して事務所を構えていますが、情報交換や勉強会などを行っています。

その中で、グループのメンバーと優オフィスグループの主催者でもある行政書士の東先生が
月1回程度テーマを決めて対談を行っており、その様子をユーチューブにて配信しています。
先日その収録を行ってきました。

内容としては、成年後見を利用するにあっての留意点などです。
成年後見制度を中心に、家族信託などについても少し触れています。
近く公開されるかとおもいますので、是非ご覧いただければと思います。

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相続・遺言・成年後見・信託のHP

被相続人(ひそうぞくにん)って誰のことですか?

2022-02-17 00:00:00 | 司法書士
被相続人とは「ひそうぞくにん」と読みます。

これは亡くなった方のことです。

例えば、夫・妻・子の三人家族で、夫が亡くなった場合、
夫のことを「被相続人」と呼びます。

一方、妻・子は「相続人」です。

被相続人が誰かといえば亡くなった方ですが、相続人は法律で定められています。

先ほどの例で、繰り返しになりますが、夫が亡くなった場合は、被相続人は夫です。

では、亡くなった夫の両親(子からすると祖父母)は、相続人でしょうか。

これは、相続人になる場合もあるし、ならない場合もあるということになります。

夫に子がいれば、子が相続人になります。
一方で、夫に子がいない場合、両親が存命であれば、両親が相続人になります。
では、子もなく、両親もすでに亡くなっている場合は、どうなるでしょうか。

この場合は、夫の兄弟姉妹が相続人になります。

なお、夫の妻(配偶者)は、夫が亡くなったときに存命であれば常に相続人になります。
つまり、子が相続人の場合は、妻と子が相続人になります。
同じく、夫の両親が相続人の場合は、妻と夫の両親が相続人になり、夫の兄弟姉妹が相続人の場合は、
妻と夫の兄弟姉妹が相続人になります。

このように、被相続人は亡くなった方、相続人は被相続人が亡くなった時点の親族の状況次第ということになります。

相続の記事を読んでいると「被相続人」「相続人」といった堅苦しい言葉がたくさん出てきます。
まずは、被相続人とは亡くなった方なんだということを押さえて読んでみてください。



なぜ固定資産評価証明書が必要なのか?

2022-02-16 00:00:00 | 司法書士
不動産登記で所有権者の名義を変更する場合、対象不動産の評価額が必要になります。

ここでいう名義変更とは、例えば東京都在住のAさん所有の不動産を大阪府在住のBさんに売却したため
不動産の名義をBさんに変更するような場合です。
売却であっても、贈与であっても、相続であっても同じです。
つまり、人が変わることを指しています。

反対に、Aさんが結婚してCさんになったとか、引っ越して住所が沖縄県になったなどの場合は、
Aさんの氏名や住所はかわりますが、Aさん自身に変更はありませんので、ここでいう名義変更には当たりません。

さて、AさんからBさんへの名義変更をする場合は、対象不動産の固定資産評価額が必要になります。
それは、名義変更をする際に納付する登録免許税額を計算するために必要になります。

そもそもですが、名義変更登記はタダ(無料)ではありません。
登録免許税という税金がかかります。
いわゆる印紙代ってやつです。

この登録免許税は、固定資産評価額に一定の税率を掛けて算出します。
税率は、名義変更の原因によって異なります。

原則として、相続であれば0.4%、売買や贈与であれば2%です。
ただし、いろいろとおまけ(税率軽減)があります。
期間限定とされていますが、土地を売買する場合、1.5%になります。
また、自宅用として建物を購入した場合、0.3%もしくは0.1%にまで軽減できる場合があります。
このように、登録免許税を計算するときは土地と建物で税率が異なる場合があります。

ちなみに相続の場合は、土地・建物ともに0.4%ですが、土地を相続する場合はなんと無税になる場合もあったります。

少し話がそれましたが、この税率は対象不動産(土地や建物)の固定資産評価額に掛けます。

そのため、売買や贈与、相続による名義変更の場合は、固定資産評価額が必要になります。

固定資産評価額は、登記申請年度のものが必要です。
例えば、相続が平成時代に生じていて、登記申請自体は令和☓2年5月に申請する場合、令和☓2年度の評価額が必要になります。
年度がかわる3月4月ごろの登記申請の際は注意をしてください。

また、評価額は、固定資産評価証明書のほか、毎年4月ごろに納税通知書とともに送付される課税明細書に記載されています。