皆さまは、ボトル底にカスみたいなものが沈んでいる古いワインを見かけた事がありますでしょうか?
店長の実家には、戸棚に長年置きっぱなしの赤ワインとスパークリングワインがあるのですが、特に赤ワインのボトル底にはかなりの不純物が溜まっています。
この「不純物」とは、葡萄の果肉や果皮の分解されたものや、発酵を終えた酵母、ワイン中の酸味の成分が結晶化したものなどもありますが、苦味が強いワインの場合は、タンニンが熟成する過程で分子結合を繰り返すうちに分子としての大きさが大きくなりすぎて、ワイン中でその自重をささえきれずに析出(せきしゅつ=溶液から固体が分離して出てくること)して沈んで出来たもの(某ワインアドバイザー談)で「澱(おり)」と言います。
ちなみに、タンニンとは日本茶に含まれるカテキンと同じ苦味成分の事で、ポリフェノールの一種となります。
何種類かあるタンニンの中には、色素をもつものも含まれている為に、澱が多く出たワイン(多くのタンニンが析出したワイン)は色が薄くなります。また元々タンニンは白ワインにはほとんど含まれていないので、澱が出るかは色素の濃い性質を持つぶどうを使った赤ワインに集中します。(白ワインやスパークリングワインにも澱は発生をしますが、赤ワインほど発生はしません)
以上のように長い熟成期間を経た赤ワインほど澱が出来る訳ですが、澱があるからと言って全てのワインが熟成してる訳ではありません。中には、長期間の保存状態が悪いばかりにコルクが乾燥してしまい、コルクとボトルの隙間から空気がワインに入り込み、酸化してしまうケースも多くあります。
実は店長の実家にあった澱の沈んだワインを開けようとしたのですが、コルクは堅く、ボトルにへばり付いていたので抜くのが大変でした。つまり、保存状態が悪く、ワインが酸化している証拠なのです。で、味はと言うと、ワインとは思えないほど(養命酒に似てる?)で、飲む事が出来なかったのです。
もちろん湿度管理、温度監理のしっかりした環境で保存、熟成されたワインに出来る澱は、決してワインが悪化したものではなく、品質を保証するものですので、誤解をされないようお願い致します。
ちなみに、澱が発生するワインボトルの底には「くぼみ」があることをご存じでしたか?
この「くぼみ」により澱がドーナツ状に溜り、ボトルをゆっくり傾けても舞い上がらないようになっています。
赤ワインでも高級(高価)なワインほどこのくぼみが深く、出来たてが一番美味しいワイン(ボジョレーなど)や白ワインにはほとんどありません。
私の場合、ボトル底のくぼみが適度に深い安いワインを選んでおりますが、外れが少ないように感じます。
皆さまも、選ぶ基準のひとつにされてみてはいかがでしょうか?
さて次週は、オールド・ヴィンテージ(老いた)ワインをデキャンタに移すと、どのようになるのか?などをご説明致します。
ワイン・アクセサリーズ・クリエイション(www.wineac.co.jp)
店長の実家には、戸棚に長年置きっぱなしの赤ワインとスパークリングワインがあるのですが、特に赤ワインのボトル底にはかなりの不純物が溜まっています。
この「不純物」とは、葡萄の果肉や果皮の分解されたものや、発酵を終えた酵母、ワイン中の酸味の成分が結晶化したものなどもありますが、苦味が強いワインの場合は、タンニンが熟成する過程で分子結合を繰り返すうちに分子としての大きさが大きくなりすぎて、ワイン中でその自重をささえきれずに析出(せきしゅつ=溶液から固体が分離して出てくること)して沈んで出来たもの(某ワインアドバイザー談)で「澱(おり)」と言います。
ちなみに、タンニンとは日本茶に含まれるカテキンと同じ苦味成分の事で、ポリフェノールの一種となります。
何種類かあるタンニンの中には、色素をもつものも含まれている為に、澱が多く出たワイン(多くのタンニンが析出したワイン)は色が薄くなります。また元々タンニンは白ワインにはほとんど含まれていないので、澱が出るかは色素の濃い性質を持つぶどうを使った赤ワインに集中します。(白ワインやスパークリングワインにも澱は発生をしますが、赤ワインほど発生はしません)
以上のように長い熟成期間を経た赤ワインほど澱が出来る訳ですが、澱があるからと言って全てのワインが熟成してる訳ではありません。中には、長期間の保存状態が悪いばかりにコルクが乾燥してしまい、コルクとボトルの隙間から空気がワインに入り込み、酸化してしまうケースも多くあります。
実は店長の実家にあった澱の沈んだワインを開けようとしたのですが、コルクは堅く、ボトルにへばり付いていたので抜くのが大変でした。つまり、保存状態が悪く、ワインが酸化している証拠なのです。で、味はと言うと、ワインとは思えないほど(養命酒に似てる?)で、飲む事が出来なかったのです。
もちろん湿度管理、温度監理のしっかりした環境で保存、熟成されたワインに出来る澱は、決してワインが悪化したものではなく、品質を保証するものですので、誤解をされないようお願い致します。
ちなみに、澱が発生するワインボトルの底には「くぼみ」があることをご存じでしたか?
この「くぼみ」により澱がドーナツ状に溜り、ボトルをゆっくり傾けても舞い上がらないようになっています。
赤ワインでも高級(高価)なワインほどこのくぼみが深く、出来たてが一番美味しいワイン(ボジョレーなど)や白ワインにはほとんどありません。
私の場合、ボトル底のくぼみが適度に深い安いワインを選んでおりますが、外れが少ないように感じます。
皆さまも、選ぶ基準のひとつにされてみてはいかがでしょうか?
さて次週は、オールド・ヴィンテージ(老いた)ワインをデキャンタに移すと、どのようになるのか?などをご説明致します。
ワイン・アクセサリーズ・クリエイション(www.wineac.co.jp)