先週に引き続きデキャンティング・クレイドル(揺りかご)について解説して参ります。
では実際にオールド・ヴィンテージワインをクレイドルにセットして注いでみましょう!
まず最初に、澱がボトル底に沈むよう数日間立てておき、クレイドルはこれ以上ハンドルが回らないところまで、ボトル先端が上向きになるよう準備をしておきます。
澱がボトル底に沈澱したら、静かにクレイドルへセットします。
ここでボトルを大きく振ったり、落としたりでもしたら初めからやり直しになるため、慎重に動かして下さい。
クレイドルにセットしたボトルの角度はたった20度ほど、一見この状態でコルクを抜いたらワインが流れ出てくるのでは? と思ってしまいますが、あの細長いネックのおかげで流出してこないのです。
(改めて「ワインボトルってよく考えられてるなー」と実感しました。)
ここでソムリエナイフを取り出し、流れるような手つきでコルクが抜けると格好良いのですが、それには練習が必要ですね。また古いワインのコルクはビンにこびり付いているか、腐敗が予想されますので、「アーソー」や「ジタノ」のような2枚刃のコルク抜きがお薦めです。
コルクを抜いて、ハンドルを回してゆっくりボトルを傾かせると、上澄みだけが流れてくるのですが、ボトル内のワインが少なくなると澱はボトルの肩(丸く膨らんだ場所)まで流れてきます。
さてここから澱を気を付けて見て下さい。
気を付けると言ってもボトルはガラス色が濃いものが多く、そのままだと澱が非常に見にくいため、下からロウソクや「マグライト」のような小さい懐中電灯の光を当てて、ボトルネックを明るく照らして下さい。そうする事で澱が見やすくなるのです。
ワインを注いでいるうちに、微粒で軽い澱が細い線のように見え始めます。せっかく上澄みだけを注いでいたのに、微粒の澱が入る事で舌触りが悪くなりますので、一度クレイドルのハンドルをゆっくり戻しコーヒーフィルターを使って濾してながら注ぎます。
澱のかたまりがボトルの肩まで流れて来たら、残りのワインは料理用に使用されるか、思いきって捨てた方がよろしいでしょう。「もったいない!」というかたはコーヒーフィルターで最後まで濾しても構いませんが、味は保証いたしません。
またワインをゆっくり注ぐため、ボトルを伝わりワインが垂れてしまいますので、液垂れ防止用で「ドロップストップ」を合わせて使用すると、とっても便利!クレイドルやテーブルも汚れません。
以上でデキャンタ編を終えますが、ワインの味は個々の好みで美味しくもなり、不味くもなりますので、お好きな味のワインを見つけ、そのワインを最高の状態で味わえるよう、少しでも皆様の手助けになれれば幸いです。
さて次週からは、今までのワインアクセサリー雑学小咄を再紹介致します。
最も使用頻度が多いグラス編からとなりますので、お楽しみに~!
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