早稲田大学山岳部 活動記録(2014年度~)

早稲田大学山岳部です。2014年度より活動報告をこちらで行います。

北岳バットレス 第四尾根

2015-10-11 16:19:59 | 2015年度 個人山行
近頃岩への意識が高まっている2年福田です。10月9日から11日で北岳バットレス登攀をしてきましたので報告します。

メンバー:4年神田2年福田
日程:10月9日金曜~10月11日日曜
行程:
10月9日0900 甲府駅集合~1100広河原着~1115出発~1245白根御池小屋~1400偵察出発~1410二俣~1510下部岩壁取り付き~1600帰幕

10月10日0400BC出発~0510下部岩壁取り付き~0900バットレス取り付き~1300終了点~1400北岳山頂~1600BC帰幕

10月11日0800白根御池小屋BC出発~0945広河原 1020バスにて甲府駅へその後帰京

10月9日朝9時に甲府駅集合ということで気合を入れて早起きし、電車にて甲府駅へ。高尾でいつもの番線、いつもの電車で甲府行きに華麗に乗り換え、、、たつもりが時間になっても出発せず。不思議に思い確認すると、別の電車だった模様。乗り過ごしたー。乗り換え検索アプリで慌てて次の電車を検索するも9時に間に合わず。が、奇跡的に大月で「スーパーあずさ」に接続。予定より早く甲府に到着し、ひと安心。「スーパーあずさ」というA0を早くも使ってしまった…。先が思いやられます。
甲府駅で4年神田と合流。神田はここまでオンサイト。さすがは四年生です。甲府は肌寒い程度でした。その後2時間バスに揺られて広河原。樹々が色づき秋が下りて生きているなぁ感じさせます。
登山者は平日にも関わらず多めでした。錦秋の北岳は魅力的ですもんね。

そんなこんなで広河原を出発。途中の第一ベンチで休憩を挟み、1時間半で白根御池小屋到着。標高が高い分紅葉も鮮やかさを増していました。最高!



その後偵察へ。「取り付きまでが核心」と聞かされていた通り、分かりにくい。と言うよりC沢遠すぎ!やっとのことでC沢の右岸側に踏み跡を見つけて取り付きへ。取り付きを確認し、これをもって偵察終了!

2日目3時に起床し4時出発。テントを出るとまさに満天の星空でした。オレゴンやヒマラヤで見たそれに負けず劣らずの星々の輝きに見守られながら昨日通った道を歩いていきます。偵察の甲斐あってスムーズに取り付きへ。取り付きに着く頃には東の空が赤く染まり、鳳凰三山の稜線が浮かび上がっていました。
明けの明星と月
Dガリーを30メートルほど登り、ハングにぶつかるところにハーケンがあったのでここからロープを出しました。左上するランペに沿って第五尾根支稜へ。1ピッチでロープがいらないリッジに着いたが、ロープを解除するのも面倒なのでそのままスタカットで横断バンドまで。横断バンドを通過した後も3ピッチロープを出し、「北岳バットレス」の正式な取り付きに到着。ここまで6ピッチも出しました。今思うといらなかったなぁ、、、。取り付きの広いテラスでフラットソールに履き替え、登攀開始!
1ピッチ目を福田がリード。取り付きのクラックから快適なフェースを登るルート。先ほどまでが嘘のように快調にロープを伸ばしピラミッドフェースの頭手前で切りました。

取り付きのクラック。2ピッチ目は神田がリード。ピラミッドフェースの頭を右に巻き、ロープを伸ばしていきます。ロープいっぱい使って終了。3ピッチ目は福田。途中Ⅴ級のスラブ状フェースを通過し、気持ちのいいリッジを登りピッチを区切ったところが「マッチ箱」の懸垂点。リッジを登りながらポーズをとる神田。
写真中央のフェースがスラブ状フェースⅤ級。

ここまで5ピッチのところ3ピッチで終了。あっさりここまで来てしまい拍子抜け。「マッチ箱」から10メートル懸垂して登攀再開。ちなみに「マッチ箱」には懸垂点が2箇所ありますが、手前の方が良く使われているそう。
ここから気を取り直して福田がリード。リッジをロープいっぱい出してハーケンが3個の支点で切りました。スタンスがないのでハンギング。5ピッチ目のリッジからのCフェース剣稜会ルートのようなナイフリッジをトラバースするスリリングなルートは神田がリード。ナイフリッジが切れ、足を宙に送り出す部分が最もエキサイティングでした。5ピッチ目の「馬の背」のようなリッジをリードする神田
フォローの福田。相当細いリッジです。
そして「北岳バットレス」最終ピッチにして核心の「城塞ハング」へ。「ハング」ではないかな。10メートルほどのチムニーを登って緩傾斜のフェースに抜けるルート。福田がリードしました。チムニーだし、ハーケンも豊富で安心。ですが、ザックが邪魔でした。そんなこんなで面白いルートでした。

バットレスは6ピッチ、下部岩壁で6ピッチ。合計12ピッチロープを出しました。バリエーション入門ルートとあって簡単ではありましたが、最高のロケーションのなかの登攀で非常に面白かったです。時間をかけ過ぎたのが反省かな。スピードを意識した登攀をしていかなければなと感じました。ともあれ、「北岳バットレス」を登れたということでよかったです。そしてなによりも他パーティーがひとつもなく、貸し切り状態で登れたのが最高でした!

終了点で登攀具の整理と休憩をしたあと山頂へ。山頂へは30分くらい。「バットレス」経由で踏む北岳の山頂は前に来たときとは違って見えました。
お地蔵様ありがとうございました。

その後は下山のみ。
3日目 未明から降り出した雨のなか8時にBCを出発し、下山。
テントより白根御池小屋TS
広河原からのバスにて。秋ですね。
剱岳での定着合宿を除いて初めてのバリエーション登山だったので、様々な収穫がありました。これからもっともっと経験を積んで強くなっていきたいなと思いました。本当に最高でした!!あと極寒でした。

福田