早稲田大学山岳部 活動記録(2014年度~)

早稲田大学山岳部です。2014年度より活動報告をこちらで行います。

春山合宿-2月〜3月(冬期)飯豊連峰縦走報告-

2018-04-27 00:57:31 | 2017年度 合宿



[経緯]
かねてから飯豊連峰には独特のオーラを感じていた。その名の持つ響きからなのか、なんなのか…。とにかく「いつか」登りたいと思っていた。「機会があれば…。」そんな風にぼんやりと頭の片隅に置いてあった。

昨年6月。「冬の劔はメンバー構成を見るに不可能だ。」とされ、剱岳を春山の対象から外さざるを得なくなったとき、意外にもその「機会」がやってきた。レベルの高い登攀ができないなら、雪と格闘する重厚長大な縦走をやってやろうと思った。どうせなら冬期は敬遠されがちな山域でそれをやろうと思った。「飯豊連峰だな。」思いがけず頭に浮かんだその山に決めるのは容易かった。

冬期の飯豊連峰縦走に向け、創刊号から2000年代までの岳人や山と渓谷を全て調べ上げ、記録をかき集めた。これを参考にし、山形県長者原から西俣尾根を経て主稜線を縦走し、三国岳から松ノ木尾根を下降するルートに決定した。

計画に万全を期すため、冬山合宿で西俣尾根の偵察を行いいよいよ春山合宿で飯豊連峰縦走へと挑戦した。

期間:2018年2月27日〜3月5日
山域・対象:飯豊連峰縦走 西俣尾根〜主稜線〜松ノ木尾根
メンバー:CL4年福田、2年中島、浅川


行動詳細
2/27(火)晴れ
18:00部室集合〜22:00部室出発〜23:10夜行バスにて離京


18時に部室に集合。いよいよ始まる飯豊縦走へ期待を胸にパッキング。その後早稲田で下界最後の晩餐とし、22時に東京駅鍛冶橋バスターミナルへ向け出発。1人当たり40kgオーバーのガッシャーだったが、さほど混雑していなかったため、問題なく預けられた。23時10分に定刻通り離京。

2/28(水)晴れ 5度
05:00米沢駅=07:27JR小国駅=09:45奥川入荘〜10:30西俣尾根取り付き〜13:30大曲〜14:30十文字池〜16:00西俣ノ峰


米沢駅に到着したのは早朝だったが、震えるほどは寒く感じない。5時57分発の電車で冬山同様米坂線で小国駅へ。車窓を流れる一面の雪景色に雪国の旅情を感じ1時間半電車に揺られる。小国駅でタクシーを呼んだが、出払っているため1時間半ほど待たされた。事前に小国タクシーに予約をしておくのが吉。冬山では見晴らしの良かった道路も3メートルほどの雪の壁に視界を遮られ、狭くなっていた。しかし通行には問題なく10時前に奥川入荘に到着し、すぐに歩き始める。西俣尾根取り付きへは30分ほど。ここから痩せ尾根の急登となったが、気温が高いため重い雪に足を取られる。加えて尾根上に大きなシュルンドが無数に口を開けており、ルートファインディングに時間がかかった。結局冬山で残置トラロープを使って通過した岩場で1p、大曲手前の急登で1pFIXしたことで、冬山の3倍の時間を費やしてしまった。大曲からは悪場もなく、膝下のラッセルを西俣ノ峰まで。ほとんどの雪庇は崩落していたため、木々の間を縫うように進んだ。大曲から西俣ノ峰は冬山とほぼ変わらないペースで登りきり、16時に到着した。ピーク北側の樹林帯の緩斜面に幕営し、21時に就寝した。


大曲直下の急斜面。年末はすんなり通過できたが、グライドクラックと腐った雪のためFIXした。

ビレイする中島。

3月1日(木)5度 雨のち吹雪
終日停滞


5時に起床し、外を見ると雨に加えて濃いガスが立ち込めている。風はまだ強くはないが、二つ玉低気圧の通過が控えているため停滞とする。正午頃から暴風となり、15時頃から吹雪となった。標高は1000mだが北アルプスの稜線をも凌ぐ暴風が翌朝まで止むことはなかった。結局夜中にテントラッセルを3度行いなんとか持ちこたえた。

3月2日 (金)−5度 吹雪
08:00起床〜12:00出発〜13:40枯木ノ峰〜14:30大ドミにて幕営準備開始〜16:00幕営完了

午前中まで大荒れだったため、遅めに起床した。午後からは回復に向かいそうなので、大ドミまでテントを前進させることにする。12時に出発し、タイトロープにワカンで西俣尾根を登っていく。前日の雨や強風のためクラストしており、ラッセルはなくいいペースで進む。ただ、午後になっても天候はさほど回復せず、視界は5〜10mほどのホワイトアウト状態だ。西風も非常に強く、幾度となく突風に体を煽られながら歩みを進めた。通常行動はありえない天候だったが、冬山の偵察から、ルートファインディングも雪庇のケアも問題ないと判断しての行動だった。冬山と比較して、稜上の積雪は1mほど増えてはいたが、雪庇はそれほど発達していなかった。14時半に大ドミに到着し、強風と格闘しながら幕営。幕営完了と同時に風は徐々に弱まりだした。




3月3日 (土)晴れ 風強い −7度
06:00出発〜07:15頼母木山〜07:45地神北峰〜09:45地神山〜10:30扇ノ地紙〜11:10門内小屋

夜から快晴となり月に照らされテント内も明るいほどであった。風は少々あるが、条件としては悪くない。これまでの強風でクラストした斜面をワカンアイゼンで頼母木山まで。似頼母木あたりから西風が勢いを増し、突風に煽られ転倒するものもいた。それでも快晴のチャンスを生かそうと北脵岳を目指した。地神北峰からは立っていられない暴風となり、匍匐前進で進む。それでも飛ばされそうなのでスリング等でお互いを結び合った。耐風姿勢をとっていた中島が風で飛ばされたが、結び合っていたことでなんとか止まった。それでも、偵察や記録から地神山を越えれば風は弱くなるはずと予想し、地神山までは稜線にしがみつくように進んだ。結局地神北峰から地神山まで20分足らずの道に2時間を費やした。地神山から先は風速25時ほどになり、歩けそうなのでひとまず門内小屋を目指すことにした。地神山から扇ノ地紙のコル周辺はなぜか微風だったが、扇ノ地紙への登りから再び暴風とハイマツの踏み抜きに苦しんだ。11:10に門内小屋に到着。(ここまで顕著な雪庇はほぼなし。)小屋の東側の冬期入り口が開いたことに、心底安堵した。30分ほど休憩し、梅皮花小屋を目指すつもりだったが、やむ気配のない烈風の中入れる保証のない梅皮花小屋を目指そうという気はとうとう起きなかった。結局門内小屋にテントを張り、行動終了とした。夕闇に包まれるまで飯豊本山がくっきり望めるほどの快晴であった。

三匹穴を通過したところ。この頃は微風だったが、偽頼母木の登りで暴風になった。この後は写真を撮る余裕もなし。

3月4日 (日) 晴れのちホワイトアウト
06:00出発〜07:00北脵岳〜08:10烏帽子岳〜11:00御西小屋〜12:15飯豊本山〜13:30本山小屋


昨日の遅れを取り戻し、飯豊本山にアタックするため気合いを入れて5時55分に門内小屋を出発。

天気は快晴。風強し。

北脵岳へは5〜10mほどの雪庇を避けながらの登りだ。小屋からアイゼンで出発し、ところどころ土の露出した尾根を行った。ラッセルはなく、1ピッチで北脵岳を越えた。

北股岳山頂。風が少し落ち着き始める。

風は10〜15mと飯豊にしては弱いほうか。日本海や越後、東北の白い山々はもちろん北アルプスまでを見渡せる。北脵岳からの下りも急と聞いていたが、実際は全く問題なく下り梅皮花小屋へ。(門内小屋同様東側に ある冬期入り口は、凍結のため開かず。)ここから烏帽子岳までは比較的急登となるが、コースタイムを短縮し、08:10に烏帽子岳に立った。烏帽子岳山頂付近は風が弱かったので、休憩とアイゼンの上からワカンをはいた。飯豊連峰の主稜線で小屋以外で風を避けられるのは地神山から扇ノ地紙のコル周辺のみであるようだ。あとは御西小屋を目指して緩いアップダウンをひたすら退治していくだけだが、1856mのピークあたりで浅川がバテはじめた。ちょうどこの頃大日岳付近で雲が湧き出し、飯豊本山方面に流れ出した。稜線上でのホワイトアウトを避けるため、バテた浅川に発破をかけてなんとか御西小屋にたどり着いた。御西小屋で休憩後、視界の効くうちに飯豊本山までの広い稜線を進んでいく。起伏はさほどないが、体が重くペースが上がらない。駒形山でガスに捕まったが、ホワイトアウト直前で飯豊本山のピークに達した。

飯豊連峰の盟主飯豊山に到達した瞬間。福田の現役最後のピークはガスの中。さっきまでの快晴はどこに…?

山頂到着と同時に風も出始め、手荒い祝福を受ける。山頂滞在もそこそこに本山小屋まで退散することに。本山小屋へ向かう途中で完全にホワイトアウトし風も勢いをましてきたが、なんとか本山小屋を見つけることができた。急激に崩れた天候と浅川の体力から本山小屋に泊まることにした。本山小屋の北側の冬期入り口を掘り出し、転がり込んだ。小屋を揺るがすほどの強風の中、明日の好天を祈って就寝した。

3月5日(月)曇りのち雨
06:00出発〜07:20切合小屋〜09:00三国小屋〜0920松ノ木尾根下降点〜11:20松ノ木尾根末端13:00川入〜15:00いいでのゆ


4時に起床すると、風はおさまっていた。6時に視界5mのなか下山開始。地形図を頼りに稜線を外さないよう高度を下げる。地形図では尾根状だが、実際は斜面になっており、ルートを外しかける。幸い夏道が露出している箇所が点在していたため、それを頼りに下山できた。50mほどの岩稜が続く御秘所も鎖が出ており、問題なく通過できた。草履塚から切合小屋までは雪の斜面となり、ルートを外してしまった。少々戻ると残置の赤旗が立っており、ひと安心。ホワイトアウト時は必ず迷うので、切合小屋から飯豊本山の往復には赤旗が30本ほどあると安心だろう。地形図と赤旗を頼りに歩き、7時に切合小屋に辿り着いた。この頃からガスが抜け視界が回復した。切合小屋から三国小屋は視界不良時は種蒔山から南西に出ている尾根に誘い込まれないよう注意が必要だ。また、種蒔山から三国岳までは東側に3〜10mの雪庇が張り出しており、要注意である。種蒔山からは時折腰まで潜るラッセルとなり、難儀しながら三国小屋へ。この区間はノーマークであったが、神経を使う箇所であり、川入から飯豊本山までの核心かもしれない。三国小屋から10分ほど疣岩山方面に進んだところから松ノ木尾根を下る。

松ノ木尾根の下降点。ガスっていたら見つけるのに苦労しそうだ。

非常に明瞭な尾根であり、視界が良ければ容易に見つけることができる。松ノ木尾根には赤布は見当たらず、1100m付近で尾根が90度曲がるところの木に赤テープが巻かれているのみであった。クライマーズライトに張り出す雪庇をケアしながら、1100m付近までサクサク下ることができた。ここから下部は尾根が痩せることに加え、クライマーズライトには雪庇、クライマーズレフトには融雪によるグライドクラックがそれぞれできていた。ロープは出さず750m付近まで慎重に下った。ここから下はもはや稜上を下るのは不可能なほどクラックでズタズタになっていた。また、あまり下ると渡渉が面倒なため、750m付近からタカツコ沢に向けて斜面を下り、スノーブリッジを越えて広河原状の平地に降り立った。三国小屋からここまでは約2時間かかった。ここからは川入まで雨の中1時間半ひたすら平地のラッセルとなったが、下山パワー全開で進んだ。無人の川入集落に着き、固い握手を交わす。

雪に埋もれた川入集落に下山。人もおらず、圏外。いいでのゆまでの歩きが確定。トリップ感は最高潮。

しかし、ここから電波の入る「いいでのゆ」までは約10キロの林道歩きをしいられる。途中林道を塞ぐデブリをいくつも越え、全層雪崩の恐怖に怯えながら、ようやく「いいでのゆ」に到着した。

斜面からのデブリが道を塞ぐ。下敷きになったらと思うと恐ろしい。

「いいでのゆ」の熱い温泉で汗を流し、無事成功の余韻に浸った。冬山から下山してきての温泉はやはり最高だ。いつまでも入って居たかったが、今晩のベッドと温かい布団での睡眠は譲れない。タクシーを呼び、いよいよ車中の人となる。春の足音が迫る国道を喜多方駅まで。喜多方ラーメンに舌鼓をうち、郡山から新幹線で各自帰京した。新幹線が県境を越え栃木県に差し掛かると、朝から降り続いていた雨は上がっていた。

老兵は去るのみ!
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新人募集中!

2018-04-07 20:51:07 | その他
#春から早稲田 のみなさんご入学おめでとうございます!!
早大生になってから1週間が経ち、「そろそろ部活、サークル選びも始めたいな」と考えていることと思います!

そんなサークル選びに迷っているみなさん!
山岳部は新入部員を大募集中です!!



ただ、突然言われても、
「山岳部ってどんなことするのか分からない…。」という方も多いと思います。

そこで早大山岳部について少しだけ。
早大山岳部は1920年の創部以来、国内外の山を舞台に活動してきた伝統のある部活です。そして、約1世紀の歴史の中で、エベレスト日本人初登頂(日本山岳会隊)、マナスル日本人初登頂(日本山岳会隊2次アタック)、南米アコンカグア日本隊初登頂、K2西稜世界初登攀などを達成してきました。


そして現在でも、国内の山で縦走登山、アルパインクライミング、フリークライミング、雪山登山、バリエーションルート、バックカントリースキーなどの「オールラウンド登山」を実践しています!

【剱岳にてアルパインクライミング。夏山合宿】

【アルペンルート開業前に立山駅からスキーで室堂入り。別山尾根経由で剱岳登頂 2016年2月〜3月春山合宿】
そして、国内での研鑽を積んだ上で、4年に一度(←在学中に一度!!)は海外遠征にチャレンジできるという環境が整っています!
※昨年度はヒマラヤ山脈未踏峰ラジョダダ峰(6426m)の世界初登頂に成功しました!

【ラジョダダ頂稜6200mでのクライミング】

【ラジョダダ頂稜で最も強い傾斜】

【ラジョダダ初登頂に成功した瞬間】

海外の山に登るということは、大学生にとっては冒険であり、20歳前後のうちにそれを経験すると登山者としてだけでなく、人間として大いに成長できると思います!(OB談)

ここまで読んでいただいた方には、「自分には自信がない」、「登山なんてしたことないし、山岳部はハードルが高い」と思われた方もいるでしょう。はっきり言って「ノー問題」です。
未経験者が多いというのも、山岳部の特徴だからです!経験、未経験は不問。むしろ、未経験という不安を乗り越えて山岳部の門を叩いてくる人の方が、長続きする傾向が強いほどです👍🏻

モチベーションさえあれば、登山スキルや体力を育てる力を早大山岳部は持っています!

「大学で登山をしたい」という方はもちろん
「大学生活で成長したい」という意欲ある新入生をお待ちしています!自分を探すには、新しいことをはじめるのが近道です!


質問、疑問、入部相談等あればコチラまで!
Twitter⇨@1920_wac
mail⇨wasedaalpineclub@hotmail.co.jp

部室 戸山キャンパス36号館地下1階

以下に1年間のモデル(昨年度活動より)を載せておくので、参考にしてみてください!

6月新人合宿@北アルプス穂高連峰(1週間)
7月夏山に向けたクライミング訓練複数回、小川山など
8月〜9月夏山合宿(剱岳定着合宿でクライミング訓練+室堂から上高地までの縦走合宿)

10月春山合宿偵察山行 飯豊連峰(例年はクライミング合宿)
11月新雪期合宿@富士山
12月冬山合宿@飯豊連峰
1月トレーニング
2月〜3月春山合宿 飯豊連峰縦走(西俣尾根〜主脈縦走〜松ノ木尾根経由川入)

心よりお待ちしております!!

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2017年度冬山合宿

2018-01-12 16:51:45 | 2017年度 合宿


期間:2017年12月22日〜12月25日
山域・対象:飯豊連峰 地神山
メンバー:4年CL福田、2年SL中島 浅川


行動詳細
12月22日(金)晴れ 18:00部室集合〜22:00出発〜23:10東京駅鍛冶橋バスターミナル発高速バス〜
早稲田界隈は放生寺の冬至祭りのためかなりの人で賑わっていた。人混みをガッシャーで強行突破し18時に部室に集合。3人ということで装備も少ないため、すぐにパッキングを終える。重量は大体40キロ前後になった。年の瀬なので、いつも以上にきれいに部室を片付け、22時に東京駅へ向け出発した。鍛冶橋バスターミナルは相変わらず遠い。やっとの思いでバスターミナルに到着すると、早稲田界隈同様過密状態だった。人混みから逃げるように米沢行きのバスは23時10分定刻通りに出発した。

12月23日(土)雨のち雪 1度
高速バス=05:00JR米沢駅=07:27JR小国駅=08:30国民宿舎梅花皮荘〜09:20西俣ノ峰登山口〜10:10大曲〜12:20西俣ノ峰〜14:30枯木ノ峰〜16:00幕営完了
5時に米沢駅に到着すると雨が降っていた。その後は降ったり止んだり、はっきりしない天気だ。米沢駅から米坂線で1時間半電車に揺られ、小国駅へ。駅の待合室でヤッケに着替えタクシーで国民宿舎梅花皮荘へ。タクシー代は9160円。その後デポ品を奥川入荘手前の大木に置かせてもらい9時に奥川入荘を出発。出発時からワカンを装着した。スノーシューのトレースがあったが、ワカンでは踏み抜いてしまう。20分間で登山口に到着し、いよいよ取り付いた。取付きから痩せた尾根の急登が大曲まで続いていた。取り付きから150mほどの地点でワンポイント岩場の通過があったが、垂らされていたトラロープを使い、難なく通過した。大曲からは雪のたっぷり付いた歩きやすい尾根を膝下のラッセルで西俣ノ峰まで。ここ数日晴れが続いたらしく、想定より雪が締まっていた。しかし、ここからは天気には恵まれず、大曲手前から降っていた雨が強まり、ヤッケを濡らしてしまった。その後30分ほどで雨は雪に変わった。12時20分に西俣ノ峰へ到着。山頂手前でトレースをつけたと思われる単独行の男性とすれ違った。枯木ノ峰まで往復してきたらしい。また、西俣ノ峰ピーク付近の木には、どこかの山岳会のものらしきデポ品がくくりつけられていた。西俣ノ峰からの稜線は小さなアップダウンが続き、東側には2〜3mほどの雪庇が張り出していた。樹林帯があるため稜線は分かるが、樹林帯ギリギリを歩いても時折雪庇の割れ目を踏み抜いてしまう。念のためタイトロープでアンザイレンして枯木ノ峰手前の台地まで。西俣尾根上は膝上までのラッセルをこなして枯木ノ峰手前にたどり着いた。枯木ノ峰周辺は雪の台地が広がっていたため、幕営地とした。掘っても掘ってもフカフカの雪で、整地にかなり手間取り16時に幕営完了。18時に夕食をとり、その後就寝。


西俣ノ峰までの小尾根下部の大曲。雪は少なめ。

西俣尾根上は樹林帯のすぐ脇が雪庇になっているため、タイトロープで進む。

12月24日(土)曇りのち雪 −1度
04:00起床〜05:45出発〜06:30大ドミ下コルにてAC設営開始〜07:50AC設営完了、アタック開始〜09:40頼母木山〜10:20地神山北峰〜10:40地神山〜12:15AC帰幕

4時に起床すると無風。寒さも感じなかった。アタック日和だ。天候もいいので、大ドミまでテントを前進させ、余裕があればそこからアタックすることにした。1時間半で撤収完了したが、慣れないタイトロープに手間取るなどして15分余計にかかった。暗い中ヘッドランプを頼りに尾根を登る。すぐに枯木ノ峰に到着し、一旦下りとなるが、下りの尾根上は風で雪が吹き飛ばされるのか一部クラストしている箇所もあった。また、相変わらず東側には雪庇が大きく張り出し、一部崩落していた。尾根の西側の樹林帯のきわを進むことでこれを避けながらコルへ。さらに進むとコルの一段上の平坦地が幕営に適していた。また大ドミまで200mほどと近かったため、ACとした。25日からの冬型に備えて入念に整地、固定を行なった。7時50分にアタック装備で出発。頼母木山へのリミットを10:00、主稜線上での引き返しのリミットを11:30に設定した。ACから上の稜上にも3〜4mの雪庇を確認していたので、ACからタイトロープで前進する。ラッセルは膝下ほど。20分で幕営適地である大ドミを通過し、8時半すぎには計画書で第2キャンプとする予定だった三匹穴に到達した。この周辺の木々は東側に大きく傾いて生えており、枝も西側には伸びていないことからかなりの西風が吹く場所だと分かる。広い雪原ではあるが、幕営地としては一段下の大ドミのほうが良いだろう。三匹穴からは岩やハイマツすら雪に埋もれており、真っ白な斜面にトレースを付けていく。ワカンも沈まないようになり、ペースも上がる。1600mあたりから再び尾根状地形を進むが、ここから先はクラストしていたので、アイゼンを装着した。また、三匹穴から前出の尾根状地形までは目標物のない雪原となっていたため、視界不良時に備えて赤旗を50m間隔で立てた。標高を上げても風がほとんどないため小休止も交えながら、9時半に偽頼母木、9時40分に頼母木山をそれぞれ通過した。頼母木山の山頂標識には1.5m超のエビノシッポが南側に発達していた。


↑頼母木山の山頂標識は真っ白。右奥が地神山。

風は10mほど吹いているが、飯豊山や朝日連峰、上越の山々が見渡せる。主稜線から臨む日本海も格別だ。また想像していたより雪庇も発達しておらず、広い尾根を楽しみながら登っていく。主稜線はハイマツの踏み抜きはあるが、クラストしているためラッセルはなし。全山縦走の際は頼母木山から1日で北脵岳を越えて梅花皮小屋も十分射程圏内だ。地神山北峰の登りを軽々こなし、地神山北峰から地神山を仰ぎ見る。近づいて見ると意外と高さを感じた。ただ、歩いてみるとそんなことはなく、20分足らずで地神山に登頂した。地神山からは北脵岳がすぐ近くに見えた。門内岳は真近に迫る荒天の予報と、引き返しリミットまでにはたどり着けなそうだったことから断念した。


↑目的地の地神山頂にて。部員が少なく寂しい。


↑飯豊本山まで続く真っ白な稜線。嵐の前の静けさ。

山頂に20分ほど滞在し、下山の準備に取り掛かる。主稜線上は地神山までも雪庇がなく、視界も効くので地神山山頂でタイトロープを解除し、一斉に下山開始。下山は急いだつもりはないものの驚くほど早く、15分で頼母木山に到着した。


地神北峰からの展望はまさに絶景。

引き返しリミットの設定をもう少し後ろ倒ししてもよかったか。頼母木山で休憩し、ACまで一気に下った。12時15分にACに到着した。

12月25日(月)風雪 6度
04:30起床〜06:00出発〜07:00枯木ノ峰〜08:00西俣ノ峰〜09:00十文字池〜09:30大曲〜10:15西俣ノ峰登山口〜11:00国民宿舎梅花皮荘=タクシー=JR小国駅 解散
夜の間中風雪がテントを叩き続けていた。暴風ブロックが破壊されたものの、降雪はさほど多くなく、テントラッセルは必要なかった。朝起きると雪ではなく雨になっており、テントがずぶ濡れだ。風速は2〜30mほど。素早く支度し、6時にタイトロープで下山開始。15分ほどで明るくなりはじめた。まずは枯木ノ峰までの登りだが、雨で重みを増したためか、前日まで張り出していた雪庇が崩落している箇所があった。また雨はクラストしていた雪面をも腐らせ、重い雪のラッセルとなっていた。慎重に樹林帯を縫うように前進し、1時間で枯木ノ峰に到着した。相変わらず風は強いが、視界は200mほどとまずまず。そもそも西俣尾根は支尾根は少なめなので、尾根を間違えることもなさそうだ。ひたすら風雪と格闘しながら、膝下から膝上のラッセルをし続け8時に西俣ノ峰に到着した。ここまで、ルートを指し示すかのように立ち並ぶ木々のおかげでいいペースで来られた。

↑下山時は年末の大寒波&爆弾低気圧によって大荒れの天気に。

あとは急な尾根を長者原まで下るだけだとたかをくくっていたが、ここからが核心だった。雨のため、雪面はまるで残雪期かのように腐り、10歩に1歩腰まで雪に嵌ってしまう。西俣ノ峰から標高を下げても、一向に弱まらない風にバランスを崩されるため、踏み抜きが多いのだ。ペースを落としたものの、9時に十文字池、9時半に大曲を通過した。大曲から長者原は風は収まるものの尾根が痩せているため、慎重に下る。積雪がかなり減っており、踏み込むと雪がずるりと剥がれ山肌が露出するほどだ。あまりに歩きにくいので、ワカンを外してツボ足で下った。行きに難なく超えた雪の付いた岩場も、足場にした雪が剥がれ落ちるなど少々危険なため、トラロープを掴みながらゆっくり下った。この岩場を下りきると長者原はすぐそこだ。緊張も緩み、転げるように登山口へ。


↑クリスマスの朝に下山してしまった。

登山口から奥川入荘までも、踏み抜きが多く、最後の最後まで苦しめてきた。しかし、それをも楽しみに変えながら歩き、奥川入荘のコンクリートに下り立った。デポを回収し、梅花皮荘へ11時に下山した。梅花皮荘に挨拶し、温泉に入らせていただいた。飯豊温泉の茶色のお湯と、湯船に浸かりながら見上げる白い飯豊連峰は格別だった。汗を流し、温まったあと、食堂で美味しい昼食を食し、梅花皮荘をあとにした。梅花皮荘からタクシーで小国駅に到着すると(9160円也)、米坂線は運休とのこと。しばらく待つと坂町方面への救済バスが到着したので、浅川を見送った。待てど暮らせど、米沢方面へは電車もバスも出ないとのことなので、仕方なくタクシーで米沢駅へ。米沢市内でも猛吹雪となっており、電車のダイヤは大幅に乱れていた。米沢駅から2時間遅れの新幹線に乗車し、各自帰宅の途についた。

総括
冬期の飯豊連峰であり、また年末の大寒波襲来予報もあったことから、かなりの悪天候、ラッセルを想定したうえでの出発であった。結果として、予想よりも天候、積雪条件などが厳しくなかったとはいえ、冬期の飯豊連峰を舞台に目的に達成し、無事下山できたということは収穫だと思う。特に、スピード感のある行動により、迫り来る荒天に捕まる前に下山できた点は集中力と意思の疎通の両面での成長を示すものであっただろう。また、ラッセルを含めた体力面や生活技術なども向上していた。タイトロープを結んでいたため、1人のラッセルする時間が長くなっていたが、ペースを落とさず歩いていたし、冬期でも起床から出発まで1時間半で完了することができた。かなりスムーズに山行を終えられたように感じる。隊としてのチームワークの強化を実感できた点であった。
ただし、今回のルートが、ルート上に危険箇所はほとんどなく、難易度が低かったことも忘れてはいけないだろう。常に余裕がある中だったため、実力が発揮できただけかもしれない。春山の飯豊山は確実に今回よりも厳しくなる。より追い込まれる状況でも実力を発揮できるように山行やトレーニングで限界値を押し上げていくことが必要である。
それにつけても飯豊連峰はいい山であった。
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奥白根山

2017-12-28 10:37:39 | 2017年度 個人山行
日光白根山

期間:12月2日~3日

メンバー:福田(CL)、中島(SL)、浅川

12月2日
6時JR日光駅~7時半湯元温泉~11時五色山~12時釈迦ヶ池~13時半山頂~15時避難小屋幕営就寝

始発のバスにのり約一時間半ほどで湯元温泉着。各自装備を整え出発。大半の登山者は北側の菅沼から入山するようであるが、我々は湯元温泉側から。雨風男Oは留学中のためか、天気が非常によい。しかし、尾根の取り付きで道を見失ったため少々の藪こぎと凍った登山道に苦しみながら五色山の山頂に到着。目前に聳える白根山に一同感嘆の声をあげる。五色山から一時間弱で釈迦ヶ池に着き、休憩。氷の張った池で各自スケートの訓練を行った。



アイゼンを装着し約一時間で山頂に到着。



景色を楽しみ、一時間弱で避難小屋へ下りて幕営。

12月3日
4時起床5時半出発~6時15分前白根山~8時下山~9時温泉

湯元で一番早く開く温泉は8時とのネットの情報を便りに前白根山を経て下山。しかし手違いで1時間外で震えることに。熱い一番風呂で疲れを癒し各自帰京。温泉の後はしっかり水分補給を。

文:中島
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2017年度新雪期合宿

2017-12-20 12:22:41 | 2017年度 合宿
2017年度新雪期合宿報告書

1)期間:2017年11月23日(木)~27日(月)

2)山域/形態:富士山定着

3)メンバー:4年福田(CL)、2年中島(SL)・浅川、田中OB(28年度卒)

4)行動詳細

11/23(木) 雨のち晴れ
11:00集合~14:00発15:35新宿バスタ発=17:30御殿場駅=タクシー=19:30新5合目登山口
昨年度の出発日は東京では54年ぶりの11月中の積雪に見舞われたが、今年は雨。新雪期合宿出発日はなかなか天気に恵まれない。11時に集合し、パッキング。グローバルエデュケーションセンターからパルスオキシメーターをお借りすることができ、医療パックも整った。14時すぎに部室の掃除を終え出発。雨は上がっていた。昨年までは小田急ハルク前から出ていた御殿場行きのバスは新宿バスタ発着となっていた。祝日のためか、予定から15分ほど遅れて17時半に御殿場駅到着。夕食と明日の朝食の購入を済ませてタクシーに乗り込んだ。問題のゲートは開いており、新5合目登山口までタクシーで入ることができた。4人で一台に乗ったため4370円也。登山口には他に明治大がテントを張っていた。また、新5合目駐車場には車が5台ほど停まっていた。駐車場の隅にテントを張り、20時半に就寝した。

11/24 (金)晴れ4℃
6:30出発〜7:30次郎坊〜10:006合目小屋跡〜12:002900m〜13:306合目小屋跡にて幕営完了
5時に起床し、各自朝食を済ませる。登山口横のバス停に不要な荷物をデポし、6時半、日の出とともに出発。快晴による放射冷却のため明け方こそ寒かったものの、朝日がもたらした暖かさの中砂礫の道を良いペースで進み、先行していた明治大を追い抜いた。例年通り6合目に幕営するらしい。長く退屈な砂礫の道も次郎坊手前で終わりを迎え、雪道へと変化した。雪は風に叩かれ蹴り込みが効かないほどに締まっている。それでも歩行訓練を兼ねつぼ足で進む。2100m付近からいよいよ山肌全てが堅雪に覆われだしたためアイゼンピッケルを装着。TSまででアイゼンを履いたのはここ四年で初めてであった。アイゼンの爪だけが雪面に刺さる硬さで快適そのもの。夏道の登山道沿いに順調に高度を稼ぎ10時に6合目小屋跡に到着した。この頃になると風も出始め、時折耐風姿勢で凌がなければならないほどだった。また浅川に若干疲れが見え始めていたので、順応も兼ねて20分休憩をとった。6合目小屋跡より上は先ほどまでとは打って変わって膝下のラッセルとなり、ペースが落ちる。加えて南西から吹き付ける風も勢いを増し、吹き上がる霰と相まって我々の進行を妨碍してくる。それでも雪の状態から滑落の危険は低いと判断し、なんとか7合5勺を目指して前進。12時に2900m付近に到着した。7合の日の出館を目前に捉えていたものの、強風のため幕営困難と判断し、6合目小屋跡に戻ることにした。6合目小屋跡の吹き溜まりを整地し、なんどもテントを強風に煽られながらもやっとの思いで設営完了。この設営作業中に中島のザックとその下に置いていたテントの外張りが突風に飛ばされ、あわや紛失の危機となったが、中島がダイビングキャッチし事なきを得た。しかし、ちょうど持っていたテントポールから手を離したためにポールは奈落の底へ落ちていってしまった。ザック等のセルフは常にとるべきであった。※ア設営後はTS周辺で雪上訓練をする予定であったが、激しさを増す風とホワイトアウトに近い視界不良のため断念した。6合目に幕営予定だった明治大は上がって来なかった。17時半に夕食をとり、就寝。風は一晩中テントを潰そうとするかのように吹き続けていた。



11/25(土) 晴れ-8℃
7:306合目小屋跡出発〜8:30砂走り館〜10:45銀明水前〜11:15剣ヶ峰〜12:00〜14:00大垂水沢にて雪上訓練〜14:306合目小屋跡TS
6時15分出発の予定で起床したが、相変わらずテントが飛ばされる恐怖を覚えるほどの暴風が吹いていたため、待機。7時頃外の様子を確認すると、快晴。山頂部に雪煙がまっているものの条件は悪くなさそうだ。とりあえず雪上訓練のため大垂水沢へ向かい、余裕があればアタックすることにして出発。昨日はラッセルを強いられた道も、アイゼンのよく効く富士山らしい道になっていた。時折霰とともに吹き付ける強風に耐えながら、長めに1ピッチ歩き、1時間で砂走り館に到着。ここから上は下部の積雪状況からは想像がつかないほど岩や砂が露出していた。やはりかなりの強風が吹き荒れていたことが分かる。しかし、当時は落ち着いていたので、アタックを決意した。それでも時折吹く風に注意しながら夏道沿いに登っていく。クラストしているところはなく、頂上直下のルンゼまで登山道に砂地が露出している箇所がところどころみられた。田中OBに一年生役を演じてもらい、二年生に声かけなどのケアの仕方を練習させながら歩くが、なかなか声が出ない。来年度に向け不安が残る。それでも歩行は安定しており、2ピッチで銀明水前に到着。
6合目からのスピードも及第点か。11時すぎに快晴の剣ヶ峰に登頂し、昨年のリベンジを果たした。山頂付近も雪がかなり少なく、御鉢の積雪は訓練には不十分そうに見えた。途中大垂水沢の積雪は確認していたので、大垂水沢3400m付近で訓練することに。訓練場所付近にはツボ足歩行、アイゼン歩行それぞれに適した斜面があった。12時に訓練を開始し、二年生が田中OBに指導する形式でツボ足、アイゼンでのスクエア歩行を計1時間半、初期停止滑落停止訓練を30分行い、14時下山開始。歩行、滑落停止共に下級生に教えられるレベルでは全くなかったが、14時を下山開始のリミットとしていたため、やむなく下山した。風も再び出始めたので30分で6合目小屋跡TSまで一気に下った。帰幕後は、行動中問題視していたアイゼン着脱の訓練を行った。登頂の成果の一方で、課題が多く見られ複雑な気持ちでこの日の行動を終えた。





11/26(日) 晴れ-5℃
07:30BC出発~BC周辺にて雪上訓練(07:40スクエア歩行~09:00アンカー構築訓練・確保三種~10:00滑落停止訓練~11:30スタカット~13:15コンテ~14:00終了)
今日も日の出前の暴風のため、出発を遅らせる。6時発の予定が7時半になった。相変わらず断続的に風が吹き付けていることに加え、TS付近の雪面の条件が大垂水沢と大差ないことから、TS周辺での訓練とする。7時半から20m×20mのスクエア内でツボ足での歩行訓練を1時間半みっちり行った。感覚が戻ってきたのか二年生の歩行も確度が高くなった。その後はスノーバーでのアンカー構築訓練と確保三種を昨日同様二年生が指導する形式で1時間行った。ポイントをしっかり押さえて確実にこなしていた。10時からはTS下の固い斜面で滑落停止訓練にうつったが、二年生はスピードがかなり出る固い斜面での停止に難儀していた。前提として、転ばない歩行を固めることが重要だと実感してもらえたようだ。11時半頃田中OBが下山開始。田中OBを見送った後は中島、浅川がザイルを組み、スタカット×6pでロープワークの確認。ミスがないのはもちろん、これまでになかったテキパキしたスピード感が見られた。今年度の合宿で意図的にルート工作をさせてきた成果が出ていたように思う。来年度を見据え、今日の仕上げに稲葉コーチ直伝のコンテを二年生に教えて、14時訓練終了。明るいうちにビバーク訓練用のビバークサイトを作ってから帰幕。小屋跡の吹き溜まりに腰掛けられる程度の深さの縦穴の半雪洞を掘った。夕食を済ませて18時に全員でビバークを開始。ビバーク開始早々雪洞の上に張っていたツェルトが破れ、暴風に晒される。それでも御殿場の夜景を慰みになんとか耐えようとしたが、22時にテントへ退却した。テントに転がり込み、そのまま就寝。

11/27(月) 晴れ −3℃
06:00〜09:00訓練〜10:00BC撤収完了〜10:40新5合目登山口〜12:00JR御殿場駅 各自帰京
4時45分に起床すると、風も弱い穏やかな朝だった。6時に訓練を開始する頃にはさらに収まり、絶好の登山日和となった。前日の訓練でロープワークには問題がなかったため、雪上歩行の総仕上げとしてスクエア歩行を実施。朝一の硬い斜面でアイゼン歩行、ツボ足歩行をそれぞれ45分ずつ行った。今年はアイゼンを付けて歩くことが多かったためか、よく歩けるようになっていた。その後、夏山定着で行った懸垂下降、ビレイ時の仮固定や引き上げシステムをおさらいした。忘れていたものはしっかり復習しておいて欲しい。9時すぎに訓練を終え、テントを撤収。10時に下山を開始する。快晴のため気温が上がり、雪も緩んでいたのでツボ足で下り始めたが、大砂走りルートに合流する手前からは雪面がかなり硬く、滑りそうになる。結局アイゼンを装着して下ることに。例年大砂走りは砂地が柔らかくツボ足で一気に下れるのだが、今年は非常に硬かったため、アイゼンを装着したまま、次郎坊まで積雪をつないで下りた。その後は駐車場まで砂地の道をひたすら走り、10時40分に新5合目登山口に到着した。24日12時にゲートが閉まったらしいので、ゲートまで歩いてタクシーに乗り、御殿場駅へと下りた。御殿場で美味しいかつ丼をかきこみ、下界に降りてきたことを実感。その後各自帰京した。

5)総括
今年度は入山直前のまとまった降雪のおかげで、雪上訓練は例年よりも効果的に実施することができた。それに加えて、連日の強風のなかでの行動は冬山シーズンに向けての良い経験になった。また、昨年度は到達できなかった剣が峰にも少ないチャンスを捉えて登頂することが出来た。これらの点から天候に恵まれた合宿であったといえよう。
天気にこそ恵まれたものの、今年度は一年生がおらず、上級生も少なかったことで例年と異なることが多かった。それゆえ訓練の内容や二年生の扱いなども例年と変更せざるをえず、難しさも感じていた。そんななかで田中OBの参加は上級生不足を補い、目の行き届いた指導をもたらしてくれた。ありがとうございました。来年以降も上級生不足が予想されるが、OBの力を借りるなど工夫しながら行ってほしい。
さて、上述のように天気、OBの力を借りて完遂した合宿であるが、我々自身はどうであっただろうか。今回の目的に二年生の強化を上げていたが、ロープワークや歩行などで今年度の取り組みの成果が実感できる進歩がみられた。これまではみられなかったリーダーシップについても、今回は特に中島に意識の改善が感じられた。訓練でも新たな技術や詳しい理論についての質問を自分からするようになったし、アタック中も風向の変化や、地形など視野を広く持っていた。来年度に向けて多くを吸収しようとする姿勢がみられたのは非常に喜ばしいことであった。その一方で、二年生同士のコミュニケーションや生活技術、体力などはまだまだ未熟であると言わざるを得ない。よかった点は伸ばし、未熟な点は補っていかなければならない。
何はともあれ冬山シーズンのスタートである新雪期合宿を無事完遂することができた。このタイミングで兜の緒を締め直し、今後も春山にむけて邁進していこう。
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