立川市清掃工場のことがニュースで出ていた～
「熱でごみ炭化する新装置導入 可否先送り」ということで、文京区の機械メーカーが開発した「熱分解式再資源化装置」、専門家を集めた検証委員会が「現時点での導入はリスクが高い」とする報告書を提出したというものの、、、ほぼ「炭素化装置」はあきらめたのかと思ったら、まだ「前向き」とは驚いた～
また、立川市の清掃工場、バグフィルターの詰まりなどでたびたびトラブルを起こしていたニュースも思いだした。他でもバグフィルターの破損事故↓↓は意外と多い。（下記参照）
そして、桜美園のバグフィルター黒こげ事故で「バグフィルターのバイパス」という話しも聞いていた。しかし、それらは23区とは無縁の特殊な事象だと思っていたら～ つい先日、東京二十三区清掃一部事務組合「清掃技報 第１１号」をみて非常に驚いたのは、なんと、23区で初めてバグフィルターを導入した有明清掃工場にもバイパスがつけられていたというのである。しかし、ご安心を、23区はバイパスを使用しない選択をした。（以下参照）
安全安心な清掃工場を目指して（浅川勝男）
（バグフィルターのバイパス部分のみ抜粋）
3－2 バグフィルターのバイパス撤去
90年代にダイオキシン類対策として清掃工場に導入されたバグフィルターには、当初、バイパスするダクトが設けられていた。これは、立ち上げ、立下げに当たって、温度が低下した場合にろ布が湿気で目詰まりすることを防止するとともに、稼働中の異常な温度上昇によるろ布の焼損、圧力低下によるバグフィルター筐体の損壊防止等設備の安全装置として設けられたものである。
しかし、このバイパスを使用することにより、排ガスがフィルターを通過せずに流れることになる。このため、清掃一組として初めてバグフィルターを導入した有明清掃工場の本格稼働（1995年）に際してバイパスを使用すべきでないとの結論になった。
当初、湿気によるろ布の目詰まりが懸念されたが、その後の運転で問題がないことを確認した。そのため、既にバイパスを設置した建設中の清掃工場については当初から使用することはなく、順次バイパスダクトを撤去するとともに、その後に建設した清掃工場では始めからバイパスを設置していない。
当初、バイパスをなくすことでバグフィルターの寿命が短くなることも懸念されたが、明らかな短命化傾向は確認されていない。
さらに一方では、排ガス中ダイオキシン類濃度測定結果の安定化にも寄与していると考えられる。当組合の清掃工場の排ガス中ダイオキシン類濃度が極めて低い値で安定している背景には、このバイパスを使用しないことによる効果もあると考えている。
清掃工場にダイオキシン類対策としてバグフィルターが導入された当初、プラントメーカーとしては設備の保護を目的としてバイパスを設置するのが一般的であり、発注者が意識的に指示しない限り設置されていた。しかし、近年では、バイパスをなくす方向になりつつある。
これを読んで、まったく知らないことだったので、驚くとともに胸をなぜ降ろした。
いろんな事を考え合わせた上での判断であったのだろうが、市民サイドは知らないことで評価の対象にもしなかった。もっとも、清掃局や清掃一組がどんなにいいこと（?）をしていても、市民は、評価ではなくあたりまえで片付けてしまう。そして、何か問題が起きると大騒ぎはする。やはり評価すべきことは評価しなければと、自分自身に言い聞かせているところ。
また、各地のバグフィルターをめぐる事故を考え合わせると、焼却炉の燃焼管理など安定運転が求められるのであろうから、23区の清掃工場であればこその「バイパスなくても」の決断であったのかもしれない。
関連（本ブログ）
■熱でごみ炭化する新装置導入 可否先送り 立川市（2011年04月01日）
繰>り返し起きている立川市の事故↓↓
■立川市清掃工場：ごみ焼却炉が緊急停止 外部に煙漏れ出す （2010年09月25日）
■焼却炉故障運転停止 八代市清掃センター２号炉 異常高温、ろ布破損（2010年09月01日）
■焼却炉故障、高温の灰が住宅地に飛散 日本製紙富士工場（2010年08月05日）
■サニックス、排ガス中のダイオキシン基準値超え ～廃プラ焼却発電（2007年11月29日）
(約６００本あるバグフィルター内「ろ布」の７８本が破損していたという平成13年頃の事故)
■野田市HP「バグフィルターろ布の破損」について
（バグフィルター損傷とバグフィルターバイパスについてなど↓↓）
■桜美園周辺の健康被害とバグフィルター黒こげ事故の怪？
神奈川県 二宮町環境衛生センター桜美園
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