いつもは清掃工場でのごみ焼却量が気になるのだが、平成23年度は、福島原発事故を受けて、放射能の問題や電力逼迫からの溶融処理の縮小による溶融処理量の減少、それに伴う埋立処理量の増加などが特徴的といえる。事業年報から、気になる部分をグラフにした。
東京二十三区清掃一部事務組合HPより:http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/index.htm
8月27日 平成23年度版清掃事業年報を掲載しました NEW!
http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/jigyo/renraku/kumiai/shiryo/h23nenpo.html
※グラフはすべて東京二十三区清掃一部事務組合「清掃事業年報」などから作成
注釈などはすべて事業年報記載と同じ。詳細は元データ確認のこと
◆清掃工場等焼却量の推移◆
◆清掃工場別焼却量◆
◆清掃工場搬入総括表、受入形態別◆
◆区収集可燃ごみ量の推移、各区別◆
各区別可燃ごみ量の推移は、容器包装プラスチック類分別収集の実施区、未実施区の違いもあるが、数年が経過し、容リプラ効果もあまりなくなった。各区とも、増加傾向は見られなくなったが、減少の努力をしている区、横ばいの区とが際立つ違い~
各区とも、平成22年度までの人口は、概ねすべての区で増加傾向であった。しかし、平成23年度(10/1現在)は、23区全体では前年比約2万1千人の増加はあるが、原発事故の影響か、新宿、中野、杉並、北、板橋、葛飾、江戸川では減少している。
◆施設整備計画のもとになるごみ量予測や焼却能力など◆
確実に焼却ごみは減少傾向、平成23年度は、一廃計画のごみ予測量よりも約17万トンの減少、このまま減少していけば大田工場の休止は確実になる!! さらに減少していけば、、、
◆区別ごみ収集量(区収集分)と1人当たりのごみ排出量◆
1人当たりのごみ量は、都心部や繁華街をかかえている区もあり、単純に1人当たりごみ量で比較はできない。そして、これに事業系ごみを加えると、またまたか大きな開きが出てくる。
※人口は、平成23年10月1日現在「住民基本台帳による人口(含む外国人登録人口)」(東京都総務局統計部)
◆区別ごみ収集量、区集ごみ+持込みごみでみてみる~◆
事業年報では、持込みごみに関しては、継続持込量が23区一括で記載のため、区別に計算できない。清掃一組分担金は、その持込ごみ量を案分した区別ごみ量で計算されるため、平成24年度予算の各区分担金(平成22年度ごみ量から計算)から持込ごみ量の各区振り分けの数字をグラフにしてみた。都心部、夜間人口と、昼間人口に大差がある区では、一律1人当たりのごみ量で見るのは気の毒ではあるが。
ちなみに、分担金の割合↓↓、清掃一組設立当初は、分担金の割合は、各区の人口比で計算されていた。今では、ごみ量で分担金が決められている。そして、「清掃負担の公平」と、当面金銭での調整もしている。上記の実際のごみ量や人口わりあいをみると、人口多くとも、練馬、杉並と、ごみ減量に取り組んでいる区が、自ずと浮きあがってくる。
◆灰溶融施設、スラグ生成量の推移◆
原発事故の影響がなくとも、もともとがほとんどの施設が安定稼働をしているとはいいがたい。しかし、平成23年度は、夏場は全面停止、9月から全施設で、主灰の単独溶融に切り替えた。
※世田谷灰溶融スラグ生成量はガス化溶融炉(300t/日)のスラグも含む
平成23年度でこのような灰溶融処理状況、さらに、平成24年度は、原則、主灰単独溶融、複数炉の施設は1炉稼働としているので、きっかけは、原発事故の電力逼迫ではあれ、この状況でいくらなんでも、この先も、灰溶融施設を温存していくとはとてもいえないのは当然の成りゆきか。
全清掃工場の焼却灰(主灰・飛灰)の全量を溶融する施設整備計画であったが、建前では処理能力はあれど~ 稼働はままならずが現実
灰溶融スラグとは別途、23区唯一の世田谷ガス化溶融炉もスラグの生成がある。年報のどこに記載があるのだっけ??? まだあまりよくみていない。
追記:年報には世田谷ガス化溶融炉のスラグはどこにも記載がないので、問い合わせたところ、世田谷灰溶融炉スラグに合算しているとのこと。なんということ、全く注釈は書かれていない。
◆溶融量とスラグ生成量の推移◆
溶融量は、事業年報では、灰投入量の自工場分の記載がなく、毎年度、作業年報から抜粋している。従って、平成23年度の溶融量はまだわからない。
※平成18年度は大田第二除く
◆たいへん高価な溶融スラグである~◆
世田谷ガス化溶融炉の平成22年度処理単価は16,474円/トン
◆溶融スラグの有効利用量と埋立量の推移◆
東京都は新海面処分場で地盤改良材として利用している。しかし、その、「新海面処分場の地盤改良工事」は、平成25年度頃には一旦終了する予定。そうすると、溶融スラグも用途が閉ざされ、埋立処理費を払って直接埋立となる。23区では江戸川区が有効利用、
◆埋立処分量の推移 23区分◆
廃プラスチックの分別区分変更で焼却となって以来、埋立処理量が大幅減少していたが、さすがに、平成23年度は、平成20年度並みに戻ってしまった。
◆23区埋立処理量の種類別内訳◆
◆23区清掃一組で受け入れている産業廃棄物◆
粗大ごみ破砕処理施設では破砕処理後、資源、焼却ごみ、不燃ごみに分けられる。焼却ごみは主に破砕ごみ処理施設で、そしてその他の清掃工場に振り分けられての焼却処理となる。
※他に、平成16年頃から事業系の不燃皮革ごみも若干量受け入れている。
◆産業廃棄物の埋立処理量(東京都分)◆
平成23年度、23区分の焼却灰の埋立量の増加もさることながら、東京都分は、上水スラッジと、下水汚泥焼却灰は、資源化できずにすべて埋立、おまけに多摩地域の下水汚泥焼却灰も受入ているので、大幅増加。
おまけ
◆23区のごみ量推移(明治33年~平成23年)◆
※平成10年度までは「東京都清掃事業百年史」参考、以降は清掃事業年報などから作成
とりあえず~
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