ふじみ衛生組合「クリーンプラザふじみ」での実証事業
日本初!ごみからメタノールの製造に成功~国内清掃工場から排出されるCO2を化学製品原料に転換~
2022年3月31日
JFEエンジニアリング株式会社
三菱ガス化学株式会社
JFEエンジニアリング株式会社(社長:大下元、本社:東京都千代田区)と三菱ガス化学株式会社(社長:藤井政志、本社:東京都千代田区)はこのたび、CO2を原料としてメタノールを合成するCCU(Carbon dioxide Capture and Utilization:二酸化炭素回収利用)プロセスの実証実験において、清掃工場の排ガスから回収したCO2をメタノール転換することに、国内で初めて成功しました。
メタノールは様々な化学製品の基となっており、その中でも特にバイオマス由来のCO2と、再生可能エネルギーから生産した水素を用いた脱炭素効果の高いグリーンメタノール※1は、クリーンエネルギーの有力な素材として注目を集めています。
両社は、脱炭素社会の構築にグリーンメタノールの製造を通じて貢献したいという思いが一致したことから、このたび共同で実証実験を行うことと致しました。「クリーンプラザふじみ※2」で回収したCO2を用いて、三菱ガス化学新潟研究所においてメタノール転換試験を行った結果、ごみ燃焼排ガス中のCO2からメタノールを製造出来ることを確認しました。
なお、JFEエンジニアリングは、ごみを焼却する際に発生する排ガスからCO2を回収する実証試験を同工場にて2021年度より実施中であり、CO2の回収率は90%以上、回収したCO2の純度は99.5%以上であることを確認しています。
JFEエンジニアリングは、国内各地の清掃工場で採用されている独自の高効率発電や省エネ・DX等の技術に、「CCU-Ready Plant(CCU適用準備施設)※3」機能を融合させることで、地域における清掃工場の存在価値を一層向上させることに尽力します。
また、三菱ガス化学は、グループミッション「社会と分かち合える価値の創造」に基づき、長年培ってきた自社触媒を基にしたメタノール製造技術により、CO2・廃プラスチック・バイオマスなどをメタノールに転換し、化学品や燃料・発電用途としてリサイクルする取り組み(「環境循環型メタノール構想※4」)を引き続き進めます。
両社は今後も環境省が提唱・推進する「脱炭素先行地域」の構築に向けこれらの取り組みを加速し、地域経済の活性化と地域課題の解決に貢献してまいります。
- ※1再生可能エネルギーから生産した水素とバイオマスの燃焼ガス等から回収したCO2を用いて製造されたメタノール。
- ※2東京都三鷹市と調布市が設立した一部事務組合であるふじみ衛生組合(東京都調布市深大寺東町7丁目50番地30)が整備した清掃工場。JFEエンジニアリングが建設し、20年間の運営業務も担っている。
- ※3
- ※4
以上