今朝、福島民報の「【霞む最終処分】(8)第1部中間貯蔵の現場 減容化が生む新たな壁 処理後、高線量廃棄物に」をみながら、今更ながら「飛灰洗浄処理技術等実証試験」の先行きを危ぶんでしまった~
中間貯蔵施設の県外最終処分に向けた研究・技術開発「飛灰洗浄処理技術等実証試験」とは~
福島第1原発事故で放射性物質に汚染された汚染廃棄物や除染土などは、中間貯蔵施設(双葉、大熊両町)で仮設焼却炉や仮設灰溶融炉で処理しているのだが、、それら汚染廃棄物は、中間貯蔵施設で一定期間保管した後は、福島県外で最終処分するという方針である。
県外最終処分に向けてさらに最終処分量を低減するために、その溶融飛灰などを水で洗浄して、飛灰から放射性セシウムを分離し、吸着材で回収することにより濃縮し、さらに、安全に保管するために安定化処理をおこなうという実証試験を行っている。実証試験は令和5年度で終了の予定か?
福島民報によると、「実証試験ではセシウム濃度が4千万Bq/kg、表面の放射線量は毎時2ミリシーベルト程度になるという」、、仮設灰溶融処理施設の溶融飛灰のセシウム濃度は40万Bq/Kg、50万Bq/Kg、65万Bq/Kgもあるので、それを濃縮すると4千万Bq/kgか、、、、
当初は、飯舘村の蕨平地区仮設資材化施設でのセシウム昇華(1,350℃の高温熱処理)実証事業というのもやっていたが、そのときの副産物と称するセシウム濃度は83万Bq/Kg 等という高濃度もあったけど、、、まさかの4千万Bq/kgまでに濃縮とは~
ほんとうに、そんな高濃度に濃縮して、いかに安定化といえども、、最終処分を引き受ける自治体などあるだろうか? 原発の高レベル放射性廃棄物と同様に、、、
また、先日は「福島第一原発の事故処理費用、7年ぶり見直し 中間貯蔵施設2兆円超」という報道も気になる。「中間貯蔵施設(双葉、大熊両町)の費用、政府はこれまでの見積もりに0・6兆円を上乗せし、2・2兆円とした。ただ、同施設の汚染土を2045年までに県外搬出したり、施設を原状回復したりするのにいくらかかるかは見積もられておらず、費用はさらに膨らむ可能性がある。」と、、、
関連(本ブログ)
■福島 仮設焼却炉・仮設灰溶融炉の焼却灰等のセシウム濃度<双葉町、大熊町、(開閉所)(安達地方)(飯舘村蕨平地区) 令和5年11月更新 >2023年12月29日
■原発事故による放射性廃棄物、 減容化処理と称して汚染廃棄物や除染土など焼却や溶融処理している。さらにその溶融飛灰の洗浄(セシウムの分離)処理を実施中<セシウム濃度は数十億㏃/㎏と試算か?>2022年12月30日
溶融処理で発生する飛灰
※飛灰:排ガスに含まれ集じん装置で集めた灰
焼却・溶融処理によって、もともとの災害廃棄物、除染廃棄物の量から相当に減容化されますが、発生する飛灰は10万m3程度になると考えられています。
特性をいかした実証試験
段階的な実証試験の実施
このうち②吸着・安定化技術については複数の処理方式が考えられることから比較試験を行い、その結果を評価して、最適な吸着・安定化技術を選定した上で、一気通貫の実証試験を行います。
企画競争の結果
業 務 名 仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした灰洗浄実証試験業務
(その3)(令和4年度)
発注方法 企画競争
契 約 日 令和4年4月22日
契 約 先 株式会社キュリオンジャパン
契約金額 金167,513,358円(税込)
業 務 名 仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした灰洗浄実証試験業務
(その2)(令和4年度)
発注方法 企画競争
契 約 日 令和4年4月22日
契 約 先 日立造船株式会社
契約金額 金169,510,000円(税込)
業 務 名 仮設灰処理施設で発生する飛灰を対象とした灰洗浄実証試験業務
(その1)(令和3年度)
発注方法 企画競争
契 約 日 令和3年12月6日
契 約 先 株式会社三菱総合研究所
契約金額 金141,900,000円(税込)