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福島鮫川村「仮設焼却施設の運転状況」セシウム濃度グラフ作成(ゲルマニウムとシンチレーション相関は?)

2015年02月10日 16時46分02秒 | 放射性廃棄物など

☆グラフと表は環境省発表データから作成

環境省の「福島県鮫川村における実証事業
「仮設焼却施設の運転状況(11月4日~12月26日)」2月9日更新によると、

鮫川村の仮設焼却炉で、除染廃棄物と牧草、稲わら又は除染廃棄物と牧草などを混合焼却処理していて、2014/3/18から12/26までの累計焼却量は217,504kgとなっている。(2015年1月から直近までに34,655kg焼却済み) そして、もえがら(主灰)は累計5,297Kg、ばいじん(飛灰)は累計14,097Kgとなる。減容化率重量で9%ということになるのだろうか?今まで気がつかなかったのだが、飛灰の方が圧倒的に多いのだ、主灰 2%、 飛灰 6%、 傾斜回転床炉ってそうなんだ。

計画では、焼却期間:焼却開始後 約20ヶ月を予定、焼却処理対象物(精査中):村内の稲わら、堆肥等 約600t下回る見込みとはなっているが、まだまだ半分も終わってない?

鮫川村、仮設焼却施設のセシウム測定結果
気になっていたセシウム測定、ゲルマニウムとシンチレーションの差異、相関関係をみたかったので、データがたまるのを待ってグラフにしてみた~ しかし、 素人がみても、よく読み取れない、もっと明確に、シンチレーションだと値が高めにでるとかの特色があるのかと思ったが、そうともいえない、どちらで測っても、たまたまの測定結果でしかないのか、、



そして、主灰と飛灰の関係性も、もう少しは一定の移行の法則がでてくるかと思ったがそうでもない、、ときに、かなり異質な動きもある~ それにしても、主灰も飛灰もおぞましいほどのセシウム濃度




焼却対象物のセシウム濃度と、主灰と飛灰のセシウム濃度はそれなりに関係してもみえるが、そうでない場合もある、、、よく言われていた「放射性セシウム濃度が元の廃棄物の33.3倍に濃縮され」は全く読み取れない、






まあ、素人がみただけで何か読み取れるのであれば、専門家はいらないのだろうが、、、気になったのでグラフ化してみた。

10月前半までは、焼却対象物のセ シウム濃度が10,000Bq/Kg以下であったが、10月後半、11月と、焼却対象物の(稲わら17,472~52,492Bq/Kg)(稲わらで 39,653~81,515Bq/Kg)、12月は,稲わら14,782~ 76,054Bq/Kgと、かなり高濃度のものも混ぜている。投入量で調整してセシウム平均濃度は4,000~5,000Bq/Kg台に しているが、、、焼却灰のセシウム濃度がどうなるかと思っていたが、さすがに、11月7日採取の飛灰は60,000Bq/Kgとなっていた。

その後、1月からは稲わらの投入はない。(すべての稲わらの処理が終了したのかどうかの記載はない)これまでの投入物のセシウム濃度をみる限りでは稲わらのセシウム濃度が一番高濃度。それより濃度の低い、牧草、落葉、除染廃棄物を混ぜてセシウム濃度の平均値を抑えていたようだが、、、処理している側も、処理対象物の把握ができていないのかもしれないが、処理対象物の全体を示しての処理進捗率などの記載がないので全体像がわからない。





排ガスの放射性セシウム濃度の測定結果
排ガスの放射性セシウム濃度測定結果も、バグフィルタ入口、バグフィルタ出口、HEPAフィルタ出口と、毎回細かく報告している。バグ出口、HEPA出口は、NDで検出下限値の記載はあるが、セシウム134及び137の別で書かれていない、
「排ガス中の放射性セシウム濃度は、管理目標値2Bq/m3N以下」となっているが、これって?




2Bq/m3N以下だと、(2÷20)+(2÷30)=0.17なので、1より小さいということなのか、
ガイドラインには、「検出下限値はセシウム134及び137のそれぞれを示す」となっているが、
鮫川の運転状況では、検出下限値もセシウムとなっているだけ、国直轄事業の鮫川は例外なの? 

※単純な疑問、鮫川村関連の運転データ、運転状況の資料をみていて、
セシウム濃度の結果が出ているものの、そのすべてで、「セシウム」となっている。
『Cs=134Cs+137Cs』という合計セシウムなのか?どこにもそのコメントがなくて確認できず、

焼却灰のセメント固型化物の表面線量率の測定結果は、かなりの線量、
最新の10月~11月データで焼却灰のセメント固型化物の表面線量率は2.22から3.73μSv/hでした。
一時保管場所の空間線量率は0.07から0.10μSv/h(一時保管前に比べて上昇は見られませんでした)とのこと。
施設で働く方々、灰の取り出し、セメント固化、一時保管場所への移動と、被爆対策は万全なのだろうか?

いつまでも一時保管の仮置き場では困る、
火山列島日本、地震、津波、いろんな災害が多発している日本、
最終処分場の適地などそうそう見つかるともおもえないが、
指定廃棄物もはやく最終処分場に封じ込めてほしいとは思うが、
どうあるべきかが難しい、
福島県内、栃木、宮城、千葉と、
まだまだ除染廃棄物、指定廃棄物など、放射性廃棄物が山ほどある、



環境省 放射性物質汚染廃棄物情報サイトより
鮫川村「仮設焼却炉の運転データ」
・平成27年2月分途中)
・平成27年1月分 ←1月からは稲わらなし
・平成26年12月分 ←稲わら14,782~ 76,054Bq/Kgに
・平成26年11月分
←稲わら39,653~81,515Bq/Kgに
・平成26年10月分 ←稲わら17,472~52,492Bq/Kgに
・平成26年9月分  ←↓ 10月前半までは焼却対象物のセ シウム濃度は10,000Bq/Kg以下
・平成26年8月分
・平成26年7月分
・平成26年6月分
・平成26年5月分
・平成26年4月分
・平成26年3月分(3/18~3/31)
・平成26年3月分(3/1~3/15)
・平成26年2月分(2/18~2/28)
平成26年1月から3段階で確認運転後運転再開
事故詳細、改善工事、再発防止策など詳細は~
本格運転開始早々に主灰コンベアー(爆発)破損事故
・平成25年8月分(8/19~8/31)
本格運転は平成25年8月19日から開始

鮫川村「仮設焼却施設の運転状況」
仮設焼却施設の運転状況(11月4日~12月26日)平成27年2月9日 icon_new
・仮設焼却施設の運転状況(8月18日~10月24日)平成26年11月19日
・仮設焼却施設の運転状況(7月1日~8月8日)平成26年9月11日
・仮設焼却施設の運転状況(5月12日~6月30日)平成26年7月17日
・仮設焼却施設の運転状況(3月18日~5月9日)平成26年5月30日
・農林業系副産物等処理実証事業の確認運転結果(全体報告)平成25年8月6日

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参考
同位体研究所
●NaIシンチレーション検出装置
検出感度に優れ、迅速・簡易検査に最適。 ホールボディカウンタにも採用
検出感度の良さを利用して、迅速・簡易検査に広く使用されます

NaIシンチレーション検出装置は、安価な上、設置場所の制約も少ない為、現場や集荷施設でのスクリーニング検査に広く用いられます。
検出感度が良い為、ゲルマニウム半導体検出装置よりも短い時間で放射能検出が可能です。 このため迅速さが要求される現場や、スクリーニング検査に適して います。 もし規制値に近い濃度の検出があった場合には、別途ゲルマニウム半導体検出装置による精密検査と組み合わせる事で、多量の試料を迅速に測定が可 能となります。 

環境省
●放射能濃度等測定方法ガイドライン平成25年3月第2版

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シンチレーション検出装置、
一方で、シンチレーション測定の検出下限値、どの程度まで測定可能なのか、検出下限値などもあたってみたが、
例えば、食品の100Bq/Kg以下目安のスクリーニング検査に適しているというようなものが多かった。

というのは、今、東京電力福島第一原発で「雑固体廃棄物焼却設備」を建設中、まもなく完成、
試運転は平成27年1月、運用開始は平成27年3月の予定となっている。
その設備が、焼却後の排ガス管理は、バグフィルターのあとHEPAフィルタ2段、モニタリング設備では、シンチレーションで放射線量の常時監視、焼却炉自動停止のインターロック値は100cpsとなっていたので、、、

入り口でも、出口でも放射線量の常時監視は誰もが願うこと、、、
しかし、今回の福島原発事故以降の放射性物質の焼却処理、排ガスでのセシウムの常時監視はないので、以前、あちこち問い合わせなどしてみたら、原発事業者 の個体廃棄物焼却施設は、桁外れに放射線量が高いのでそういうことも可能であろうが云々と言うことであった。そういえば、原発施設での焼却対象物は、千 Bq/kg~百万Bq/kg(平均10万Bq/kg)を焼却しているということであった。しかし、原発施設でも排ガスのセシウム基準は同じ、

ということで、福島なども、排ガス中の放射性セシウム濃度の管理目標を2Bq/㎥以下を満足するため、排ガス中のばいじん濃度の常時監視をおこなうことで管理しているようだ~


●一般廃棄物の焼却施設でも、放射性物質汚染対処特措法ができるまでは、実用発電原子炉の設置、運転等に関する規則で、排ガス測定などの基準として運用していたが、特措法でも、そのまま同じ基準を適用している。

実用発電原子炉の設置、運転等に関する規則(昭和53年通商産業省令第77号)
第15条第4号及び第7号により、放射性廃棄物の廃棄に当たり、排気又は排水中の放射性物質の濃度をできるだけ低下させるとともに、排気については排気口 等、排水については排水口等において、放射性物質の濃度を監視することにより、周辺監視区域(※1)の外の空気中又は水中の放射性物質が次の濃度限度(※ 2)を超えないようにする。

災害廃棄物安全評価検討会資料より


関連(本ブログ)
■特定原子力施設監視・評価検討会 (第19回) 「雑固体廃棄物焼却設備の概要について」東京電力資料(2014年04月01日)
■神戸製鋼グループ、福島第一原発内「雑固体廃棄物焼却設備」を受注(2013年02月28日)
■東京電力、福島第1原発敷地内に焼却炉2基設置はロータリーキルン式(2012年09月17日)
■原発ごみ焼却炉と都市ごみ焼却炉の違いは?(2012年04月09日)

原発施設での低レベル放射性廃棄物の焼却・溶融処理は「固形物の減容化」となっているのだが、
千Bq/kg~百万Bq/kg(平均10万Bq/kg)ものものを焼却している。


●福島第一原子力発電所 雑個体廃棄物焼却設備の設置について(平成25年3月18日)東京電力株式会社

 

 

 

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2 コメント

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濃縮 (tnk)
2015-02-11 18:54:35
>よく言われていた「放射性セシウム濃度が元の廃棄物の33.3倍に濃縮され」は全く読み取れない

釈迦に説法のような気がしますが、当時言われていたのは、
焼却しても放射性物質の絶対量は変わらない。
焼却の際にセシウムは一旦ガス化するが、排ガスが冷却されバグフィルタでほぼその全量が捕捉されると言う説明であった。
つまり、放射性物質が全て飛灰に集中するとした場合に、ストーカー炉の場合に飛灰発生率が約3%で分母が1/33になるため、最大で33倍の濃縮が予想された。
流動床炉の場合、飛灰発生量が約6%のため16.7倍の濃縮が予想された。
焼却量×焼却対象の濃度≒(主灰×主灰の濃度)+(飛灰×飛灰の濃度)が成り立つとすれば、それ以外(大気、排水等)への漏出が少ないと推定されるが、実際には焼却対象物の濃度にはムラが有り過ぎて、参考程度でしょう。
主灰にも移行するのは、燃焼物内部まで温度が上がりきらないこと、一部の排ガス成分は主灰にも付着することが有ります。しかし、主灰には燃え残りや不燃物が主成分で重量が大きく、放射性物質の濃度計算の分母が大きくなるので濃度は低くなる。
排ガスについては、バグフィルタ及びHEPAフィルタが正常であれば、濃度はかなり低くなるはずであり、その管理が適正であることを願うだけです。

返信する
ありがとうございます。 (wa)
2015-02-12 07:32:40
放射性物質の絶対量は変わらないので、主灰や飛灰に移行するだけだというのは理解していたのですが、飛灰発生率が約3%が根拠だったのですか、そういうことだったのですか。とてもよくわかりました。

そもそもの、ごみ焼却の基本的なことをなにも理解していないので、単純に、ストーカー炉の場合33.3倍、流動床炉は16.7倍、飛灰を8,000Bq/kg以下にするためには焼却対象物が240Bq/kg以下、、、と、、それだけを頭に入れていました。その根拠を考えなければダメですね。

コメントいただく少し前に、鮫川の主灰と飛灰の発生量が、ストーカー炉と全く違うことに気がついて、ちょうど、ネットで、ストーカー炉の主灰と飛灰の発生割合が約17%と約3%と調べていたところでした。今頃やっとのお粗末さです。

しかし、どちらにしても、放射性物質の測定、どんなに撹拌して採取したとしてもかなりのムラはあるでしょうから、、おおざっぱにみるだけにします。

鮫川村の実証事業でこれほどの放射性セシウムです。中間貯蔵施設も可燃物はすべて焼却の計画です。この先、飯舘村、南相馬、浪江町、富岡、、と次々と焼却が本格的になるのでしょう。本当に心配です。
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