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原発ごみ焼却炉と都市ごみ焼却炉の違いは?

2012年04月09日 10時59分59秒 | 放射性廃棄物など


国環研の資料のなかに、バグフィルター入口と出口のセシウムの測定結果、除去率、原発施設での放射性廃棄物の焼却(千Bq/kg~百万Bq/kg)、排ガス処理(セラミックフィルター)の状況など、知りたいことがいろいろでていた~

■放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分(技術資料 第二版)
平成24 年3 月26 日(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター
(抜粋)
■6.2.10 原発ゴミ焼却炉と都市ごみ焼却炉の違いは?
 原発で生じる可燃性ゴミを焼却する炉と、放射性Cs が混入している都市ごみの焼却炉の大まかな相違を表6.4 に示します。この表は、関連事業者へのヒアリング調査結果をもとに筆者が整理したものです。一般市民から「都市ごみ焼却炉のバグフィルターでは不十分で、原発のゴミ焼却炉のような高性能フィルター(HEPA)が必要」との指摘がありますが、そもそも原発の焼却炉においては格段に放射能濃度の高いゴミを燃やしており、そのためにセラミックフィルターと高性能フィルターを組み合わせて用いています。除去率はバグフィルター単独よりも当然高くなりますが、今現在都市ごみに放射性物質が混入して燃やされているごみの放射能レベルは、「原発ゴミ」からみれば比較にならないほど低いことから、バグフィルターのみで排出口での管理目標値を満たすことが可能です。そのことは、これまでの多くの測定データが証明しています。
 ただし、今後国が事業として行う「対策地域内廃棄物」の処理の場合には、高濃度の廃棄物も存在していることから、原発ゴミの焼却炉における技術的ノウハウも必要になると考えられます。その際に、原発ゴミの焼却炉は、1~4 トン/日と規模が極めて小さく、今般の問題のように放射性物質を含む膨大な廃棄物を処理する場合のスケールアップは容易でありません。現在のダイオキシン対応がなされた廃棄物焼却炉をベースに、セラミックフィルターとバグフィルターの組み合わせや二重のバグフィルターなど、除去率をさらに向上させるための検討も必要です。


参考資料
1 ) 環境省第9 回災害廃棄物安全評価検討会資料11-1 、11-2 、http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/09-mat_4.pdf
2 ) 環境省: 災害廃棄物の広域処理の推進について( 改定)( ガイドライン)、http://www.env.go.jp/jishin/attach/memo20120111_shori.pdf
3)環境省第3回災害廃棄物安全評価検討会資料6-3 、ttp://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/03-mat_5.pdf

それにしても、原発施設での低レベル放射性廃棄物の焼却・溶融処理は「固形物の減容化」となっているのだが、千Bq/kg~百万Bq/kg(平均10万Bq/kg)ものものを焼却しているのだ。けっこう事故やトラブルも起きているので。そうすると福島の警戒区域・計画的避難区域の「対策地域内廃棄物」も結局は可燃性のものは焼却ということになるのか。怖いな~


関連(本ブログ)
■国立環境研究所「放射性物質の挙動からみた適正な廃棄物処理処分 (技術資料 第二版)」平成24年3月26日(2012年04月09日)
2012年04月09日 10時56分52秒

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