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福島 仮設焼却炉・仮設灰溶融炉の焼却灰等のセシウム濃度<双葉町、大熊町、開閉所、安達地方、飯舘村蕨平地区 4月分更新>

2021年06月10日 15時25分55秒 | 放射性廃棄物など

環境省「中間貯蔵施設の配置図」から

 

2月の福島地方の震度6強地震で、安達地方仮設焼却施設、双葉町仮設処理第1、第2施設が、地震後の点検の結果、配配管や天井などに損傷が見つかったという。復旧には約1カ月かかる見通しとなっていたが、(参考「震度6強地震 福島県内3カ所で放射性廃棄物の焼却施設が損傷」)、

安達地方仮設焼却施設の「維持管理記録」をみる限りでは、2月、3月の処理量に影響は見られなかったが、、双葉町は仮設焼却炉も灰溶融炉も3月はほとんど処理量はなし、、地震の影響によるものか、それとも、、、、

また、先月は、双葉町の中間貯蔵施設内にある仮設焼却施設で「排ガスから基準値の10倍を超える水銀検出」というトラブルもあったようで、これらも5月分の処理量に影響するのかな?

 

福島第一原発事故による放射性廃棄物、
減容化処理と称して、汚染廃棄物や除染土などを焼却や溶融している~
それも数年稼働の仮設焼却炉や仮設灰溶融炉で、、、、

それら仮設焼却炉、プラント部分はほとんどがむき出しであったが、、、
さすがに双葉町や大熊町の仮設焼却炉に関しては、囲いの中にあるようだ~

2020年3月から、中間貯蔵施設内双葉町の仮設焼却炉や仮設灰溶融炉が稼働を始めた。数年稼働の巨大プロジェクト
双葉町減容化施設その1業務1,296億6千万円
双葉町減容化施設その2業務
1,212億7千万円

焼却灰の放射性セシウム濃度がどの程度になるのかとても気になる、、、

特に灰溶融炉、、、


グラフの4月分を更新した~
焼却灰等の放射性セシウム濃度に大きな変化はなし、、、

双葉町仮設焼却施設(中間貯蔵施設内)

焼却開始月  令和2年3月 
処理予定量、277,400トン程度


令和2年3月 仮設焼却施設

第一施設のシャフト炉式ガス化溶融炉は、順調に稼働しているようだが、、、
第二施設のストーカ炉は、、、調子が悪いのか、あまり処理が進んでない、、故障やトラブルなのか?
特定廃棄物と一般廃棄物の混焼のようだが、混合割合は特定廃棄物が主になっている月が多い、
処理能力は第一は150t/日、第二は200t/炉であるのに、、処理量に大きな差がある、、、

●仮設焼却第一施設 150t/日


<焼却灰等の放射性物質濃度>

この仮設焼却炉は、シャフト炉式ガス化溶融炉、、、
さすがに双葉町内の災害廃棄物や除染廃棄物の溶融処理、、
溶融スラグも、100Bq/Kg以下の場合もあるが、たびたび100Bq/Kgを超える。時には1,600Bq/Kg も、、、

溶融飛灰は、2万Bq/Kg~6万Bq/Kg といろいろ。また、原発事故からもう9年、セシウム134の半減期は2年、セシウム137の半減期は30年というので、セシウム134はだいぶん減衰しているのか、、例えば、3/23の39,000Bq/Kgの内訳もセシウム134が2,000Bq/Kg、セシウム137が37,000Bq/Kgと比率もかなり変化している。セシウム濃度は処理日によってかなりのばらつきがあるようだ~

 

●仮設焼却第二施設 200t/日

焼却開始は2020年3月からとなっていたが、、維持管理記録は4月から、、、
日量200t 炉であるが、3月は稼働していない
その後も処理量は第一に比べて化なり少ない、
うまくいっているのだろうか、素人ながらに気になる、、


<焼却灰等の放射性物質濃度>

焼却灰等の放射性物質濃度の測定4月の1回のみ、、、5月分はまったく測定なし、
6月、7月頃からはやっと処理量も測定も順調に、それにしても、200t/日であるが処理量が少なすぎる、、、

そして、ストーカ炉だと思うけど、主灰のセシウム濃度が異常にたかい、、
主灰は月に1回程度の測定か、、、

2021年1月分は、飛灰のセシウム濃度が急激に上昇、、なんだろうか?
投入した廃棄物は、特定廃棄物処理量669.35トン、一般廃棄物処理量1,486.93トンで、これまで以上に混焼割合は一般廃棄物の方が多いのに、、、

 

双葉町仮設灰処理施設(中間貯蔵施設内)

焼却開始月  令和2年3月
処理予定量、231,200トン程度

第一施設と第二施設は処理能力は同じ150t/日、、、
焼却施設と同様に、灰溶融炉も第二施設は調子が悪いのか処理が進まず、、、

第一施設のクボタの回転式表面溶融炉は順調に稼働しているようだ。豊島(てしま)の廃棄物処理とはまた違ったリスクはあるが、豊島の規模よりも炉は大きいようで、大きなトラブルや事故がないよう願う! 

●仮設灰処理第一施設 150t/日(75t/日×2炉)

<焼却灰等の放射性物質濃度>

さすがに、中間貯蔵施設内に搬入された焼却灰及びばいじん並びに双葉町仮設焼却施設で発生した焼却灰及びばいじん等の減容化(溶融)となると、、溶融スラグも100Bq/Kg以上、、溶融飛灰は4月分は25万Bq/Kg、7月には40万Bq/Kgも、、、処理対象物によって大きく変動はするのだろうが、、、

入札公告」では、処理対象物の放射性セシウム濃度(参考値)
焼却灰(134Cs+137Cs) 中央値 8,200Bq/Kg  最小値 29Bq/Kg 最大値 75,300Bq/Kg
ばいじん(134Cs+137Cs)中央値 17,700Bq/Kg 最小値 305Bq/Kg 最大値 117,000Bq/Kg

この先どういう数字が出てくるか、、、
さすがに、飯舘村のセシウム昇華実証事業の83万Bq/Kg 等という超高濃度にはならないだろうが、、、
溶融飛灰が40万、50万Bq/Kgともなれば気にはなるが、本来の目的とも思える放射性廃棄物を濃縮保管させるという目的は達せられていると言うことか、、、

灰溶融炉は第一施設も第二施設も、それぞれ2炉なのだが、、、
焼却灰等の放射性物質濃度は炉別ではなく、一括なのかひとくくりで公表されている、
維持管理記録は炉別に出ているが、、

第一施設の回転式溶融炉(クボタ)と第二施設のコークスベット式灰溶融炉(JFE)では溶融飛灰のセシウム濃度に数倍の差がある。受入廃棄物のセシウム濃度に大きな差があるのだろうか?それとも炉形式による違いなのだろうか、、、ちゃんと溶融処理できているのだろうか、、、、、、

蕨平地区仮設資材化施設」(セシウム昇華(1,350℃の高温熱処理)実証事業)の場合は、処理対象物の重量やセシウム濃度、生成物などのセシウム濃度や生成量も公表されていたので、どの程度の濃縮になったのかも知ることができたが、、、今回の仮設灰溶融炉は、対象物のセシウム濃度もわからず、生成物の量も不明なので、、、第一と第二の大きなセシウム濃度の差も単純に溶融炉方式の違いなのか、処理対象物の違いなのか知ることができない、、、、

●仮設灰処理第二施設 150t/日(75t/日×2炉)

<焼却灰等の放射性物質濃度>

稼働は2020年3月からとなっていたが、、
放射性物質濃度は4月から、
うまくいっているのだろうか?

双葉町減容化施設(中間貯蔵施設)における廃棄 物処理その1業務
 仮設焼却施設:シャフト炉式ガス化溶融炉 150トン/日×1炉、(新日鉄)
 仮設灰処理施設 :回転式表面溶融炉 75トン/日×2炉(クボタ)
 焼却炉と灰溶融炉の建設、建設完了後3年間の運転管理
 新日鉄・クボタ・大林・TPT特定共同企業体(1,296億6千万円)

双葉町減容化施設(中間貯蔵施設)における廃棄物処理その2業務
 仮設焼却施設(ストーカ式焼却炉、 処理能力200t/日×1炉)
 仮設灰処理施設(コークスベッド式溶融炉、処理能力75t/日×2炉)
 焼却炉と灰溶融炉の建設、建設完了後3年間の運転管理
 JFE・前田特定業務共同企業体(1,212億7千万円)

 


 

大熊町の仮設焼却炉(中間貯蔵施設内)
施設規模  200t/日
焼却開始月  平成29年12月
処理予定量は、226,000トン程度
三菱・鹿島共同企業体(約298.7億円) 履行期限:平成34年3月31日 


平成29年12月 大熊町仮設焼却炉

<焼却灰等の放射性物質濃度>

ストーカ炉だったと思うけど、、、違ったかな?
さすがに大熊町の災害廃棄物、除染廃棄物、けっこう主灰のセシウムも高濃度、、、、
主灰と飛灰の濃度が逆転している日もある、、、

2020年10月、11月と、、
主灰も飛灰もセシウム濃度が急上昇、

 

開閉所仮設焼却施設

施設規模  60t/日  
焼却開始月  平成29年6月、令和3年2月処理完了
処理予定量は、49,300トン程度

三菱・大林・東亜共同企業体 (144億円 低入札価格調査を実施←2020年3月終了の予定が18か月延長

平成29年5月開閉所仮設焼却施設  平成29年5月開閉所仮設焼却施設
平成29年5月開閉所仮設焼却施設 平成29年5月開閉所仮設焼却施設

<焼却灰等の放射性物質濃度>

開閉所仮設焼却炉も、炉形式の公表はないのだが、主灰もかなりのセシウム濃度、飛灰よりも高濃度の場合もアリ、日によって処理対象物の汚染度が違うのか、処理灰のセシウム濃度もかなりのばらつきアリ~

 

安達地方仮設焼却施設

施設規模  120t/日  
焼却開始月  平成31年4月
処理予定量は、108,000トン程度

日立造船・大林組特定共同企業体(55.6億円) 履 行 期 限:平成35年1月31日 

安達地方仮設焼却施設
安達地方仮設焼却施設

<焼却灰等の放射性物質濃度>

安達地方広域行政組合「安達地方における農林業系廃棄物等減容化事業」では、仮設焼却炉の炉形式はストーカ式となっていたが、飯舘村蕨平の1号炉ほどではないにしても主灰のセシウム濃度もかなりたかい、、、

 

施設規模  240t/日
焼却開始月  平成28年1月←当初は、平成30年秋稼働終了予定であったが、最大2年間延長
蕨平地区仮設焼却施設は2021年2月で処理は終了

国直轄による福島県(対策地域内)における仮設焼却施設の設置状況
(2021年3月31日時点)
処理済量(2021年2月末時点) 約257,000トン(約54,000トン)
当初の処理予定量は、340,000トン程度

IHI環境・日揮・熊谷組廃棄物等処理業務共同企業体(約414億円)

  
平成28年1月 飯舘村蕨平地区仮設焼却施設 平成28年3月 仮設焼却施設

<焼却灰等の放射性物質濃度>

1号炉の焼却炉は、飛灰のみならず、焼却灰のセシウム濃度もかなりの高濃度(数万ベクレル)、稼働初期の頃は、焼却灰が飛灰を上回るセシウム濃度の時もあり、、、、炉形式によりこうも違いがあるのだ、それぞれの生成量はどうなっているのかは不明

2号炉は流動床式かな?

 

 



参考

蕨平地区仮設資材化施設

回転式資材化炉(10t/日程度) 平成30年3月で実証試験終了

IHI環境・日揮・熊谷組廃棄物等処理業務共同企業体(契約金額?)

セシウム昇華(1,350℃の高温熱処理)実証事業

副産物と称するセシウム濃度は、830,000Bq/Kg 等という超高濃度も、、
副産物=焼却灰や汚染土壌を高温で昇華させて,バグフィルターで捕集したもの。
いわゆる、飛灰のようなものかな?
 詳細は~

グラフは環境省「蕨平地区仮設資材化施設」から作成

蕨平地区仮設資材化施設は、、、
汚染土壌や焼却灰の減容化の実証事業であるのだろうが、、、
なぜだか、、、処理対象物よりも生成物の重量は1.5倍も増えてしまう
へんてこりんな実証事業~

 

福島原発事故後、多くの仮設焼却炉が設置された~
2~3年の稼働後解体、上記の他、「葛尾村仮設焼却施設」「浪江仮設焼却施設」が稼働中、詳しくは、、、

関連(本ブログ)
環境省 国直轄による福島県における災害廃棄物処理進捗、仮設焼却施設の設置状況 2020年4月30日現在2020年05月04日

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