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会計検査院、灰溶融施設、ガス化溶融施設について意見表示(交付金を受けた102溶融固化施設の検査結果)

2014年09月30日 21時01分33秒 | 溶融炉、スラグ

平成26年9月30日会計検査院
■会計検査院法第34条の規定による処置要求及び同法第36条の規定による意見表示
会計検査院は、平成26年9月30日、環境大臣に対し、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め、及び同法第36条の規定により意見を表示しました。
「溶融固化施設の運営及び維持管理並びに溶融スラグの利用について」
全文(PDF形式:148KB)

新聞各社、こぞって話題に取り上げたが~

関連(本ブログ)
■使える溶融炉、各地で停止=高コスト課題、(31億円) 補助無駄に -環境省に改善要望・検査院(2014年09月30日)

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会計検査院に指摘を受けた全国の溶融施設
環境省は、どういう対応をしているのかわからないが、、、、
各自治体任せの対応にしているのか、環境省として何らかの対応をしているのか、
事故やトラブル、コスト高、エネルギー消費の増大、そのうえでの休止等だとおもうが
会計検査院の指摘を受けたからといって、いまさら灰溶融を使うこともあるまいが、、、、
22都道府県の93事業主体 102溶融固化施設の調査なので、
全都道府県のすべての溶融施設を調べるとどうなるのか、
環境省は灰溶融処理政策を総括すべき、、、、
会計検査院の今回の指摘と、環廃対発第100319001号との整合性は?!


とりあえず、
会計検査院の指摘を受けた溶融施設をまとめてみた、
ただし、会計検査院が公表しているのは自治体名のみである。
施設名や溶融方式などは、私的に作成している「全国溶融処理施設一覧」から抜粋した。

それにしても、新聞や自治体ホームページからの情報は集めていたが、今回の会計検査院指摘の施設は、裁判で争っていた施設もあるものの、まったく情報キャッチしていない施設もあったので驚いた。もっとも、ニュースになるほど問題が大きく表面化した施設は、それなりの手続きを経て休止としていたのだろうから、、、、それ以外の施設が対象になったともいえるのか~

会計検査院
【処置を要求し又は意見を表示したものの全文】
溶融固化施設の運営及び維持管理並びに溶融スラグの利用について
(平成26年9月30日付け 環境大臣宛て)
(抜粋)
"22都道府県の93事業主体 102溶融固化施設 、9年度から24年度までに交付金等の交付を受けて設置した溶融固化施設102施設(事業費計4412億7788万余円、交付金等相当額計1392億1604万余円)"
(注1) 22都道府県 東京都、北海道、大阪府、青森、秋田、埼玉、千葉、山梨、長野、岐阜、静岡、滋賀、兵庫、奈良、広島、香川、愛媛、福岡、長崎、熊本、鹿児島、沖縄各県

(1) 溶融固化施設の適切な運営及び維持管理を行っておらず長期にわたって使用していないもの
 93事業主体が設置した102溶融固化施設の使用状況等についてみたところ、事業主体が適切な運営及び維持管理を行っていないことにより、溶融固化施設が1年以上の長期にわたって使用されておらず、今後の継続的な使用の見通しが立っていない事態が、16事業主体、16溶融固化施設(事業費計163億3378万余円、各溶融固化施設の使用停止時点における残存価額計99億1743万余円、これに係る交付金等相当額計31億1672万余円)において見受けられた
ア 焼却灰等の処分の方法を変更していて溶融固化施設を使用していないもの
 11事業主体は、9年度から22年度までの間に交付金等の交付を受けて整備した11溶融固化施設(事業費計136億8688万余円、各溶融固化施設の使用停止時点における残存価額計81億0612万余円、これに係る交付金等相当額計25億3335万余円)について、溶融固化施設の使用を継続することによる経費や溶融スラグの利用状況等を考慮した結果、焼却灰等を溶融固化せずに最終処分場へ直接埋め立てる方式に変更するなどしていたため、長期にわたって使用していない状況となっていた。

11事業主
しりべし廃棄物処理広域連合、大仙美郷環境事業組合、八千代市、富士吉田市、磐田市、
湖北広域行政事務センター、尼崎
市、橿原市、豊前市外二町清掃施設組合、鹿児島市、渡名喜村


<事例>
静岡県磐田市は、磐田市クリーンセンターにおいて、平成19年度から22年度までの間
に交付金の交付を受けてごみ焼却施設の整備等を実施するに当たり、溶融固化施設を事
業費8億3578万余円(溶融固化施設の使用停止時点における残存価額7億9051万余円、こ
れに係る交付金等相当額2億6338万余円)で設置し、23年5月から使用を開始した。そし
て、同市は、地域計画において、生成した溶融スラグを積極的に利用して資源化を進め
ることなどとしていた。しかし、溶融固化施設の運転経費が多額に上ること、生成した
溶融スラグの利用が進まないことなどから、同施設を約1年1か月間使用した後、焼却灰
の処理を最終処分場に直接埋め立てる方式に変更しており、24年6月以降、同施設の使用
を停止している。そして、26年2月の会計実地検査時点においても、同施設は継続的な使
用の見通しが立っていない状況となっていた。

イ 適切に溶融固化を行えなくなったにもかかわらず補修等を実施しておらず溶融固化施設を使用していないもの
 5事業主体は、12年度から15年度までの間に整備費補助金の交付を受けて整備した5溶融固化施設(事業費計26億4690万余円、各溶融固化施設の使用停止時点における残存価額計18億1130万余円、これに係る交付金等相当額計5億8336万余円)について、機器の故障等の不具合が生じて適切に溶融固化を行えなくなったにもかかわらず、その補修等を実施しておらず、長期にわたって使用していない状況となっていた。
なお、地域計画等における16溶融固化施設の使用予定年数はおおむね15年以上とされていたが、これらの実際の経過年数は、最長で9年、最短で1年1か月となっていた。

5事業主体
月都留広域事務組合、嘉麻市、徳之島愛ランド広域連合、伊平屋村、座間味村


(2) 生成した溶融スラグの全部又は大半を利用していないもの
 JIS等に適合させるために溶融スラグの品質管理に努めていたり、建設資材等を製造する業者との間で溶融スラグを継続的に供給するための契約を締結して売却先を確保したり、市町の土木部局等と密接に連携して公共事業における建設資材等として供給したりするなどの取組によって利用を行っている事業主体が多数見受けられた。一方で、生成した溶融スラグの全部又は大半を利用することなく埋立処分しているなどの事態が、17事業主体、17溶融固化施設(事業費計445億4915万余円、交付金等相当額計144億5092万余円)において見受けられた。

17事業主体、17溶融固化施設
高中部衛生施設組合、所沢市、川越市、成田市・富里市、山県市、中津川市、掛川市・菊川市衛生施設組合、吹田市、
方市、猪名川上流広域ごみ処理施設組合、高砂市、桜井市、呉市、新上五島町、対馬市、人吉球磨広域行政組合、屋久島町


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ちなみに、
溶融スラグでJIS取得をしている施設

南魚沼市  環境衛生センター、 豊田市  渡刈クリーンセンター香川県東部清掃施設組合 香川東部溶融クリーンセンター 北九州市  新門司環境センター相模原市 南清掃工場 多治見市 三の倉センター(株)鳴海クリーンシステム 名古屋市「鳴海工場」(PFI)大垣市・大野町など3市7町 西濃環境整備組合宮崎県環境整備公社 エコクリーンプラザみやざき 岡崎市  中央クリーンセンター(株)堺クリーンシステム 堺市クリーンセンター臨海工場



会計検査院の指摘を受けた溶融施設↓↓も書き加えて修正
■全国溶融処理施設一覧(一般廃棄物処理施設)2014年10月現在


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一方、環境省は
環廃対発第100319001号
●環境省所管の補助金等に係る財産処分承認基準の運用(焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分)について(平成22年3月19日)
「焼却施設に附帯されている灰溶融固化設備の財産処分」についての取扱い
1 通知の背景
(1)ダイオキシン対策の推進に伴う排出削減効果の発現(飛灰及び焼却灰のダイオキ
シン濃度の著しい低下)により溶融固化処理の必然性が低下していること。
(2)3Rの推進により最終処分場の残余年数が増加していること。
(3)温室効果ガスの削減は、我が国の環境政策の最重点課題の一つであり、灰溶融固
化設備の廃止による燃料等の削減により温室効果ガスの削減へ寄与すること。
(別添)
規定事由について
1 「対象設備」について
平成9年度から16年度に交付決定(採択)された焼却施設の灰溶融固化設備としているのは、以下の事由による。
〈事由〉
現行の循環型社会形成推進交付金(以下「交付金」という。)制度においては焼却施設の整備に対して灰溶融固化整備の設置を補助要件としていないが、以下の通知により、上記期間に整備した焼却施設には灰溶融固化設備の設置を補助要件としていたため。
◇ごみ処理に係るダイオキシン類の削減方策について
(平成9年1月28日付け衛環21号厚生省生活衛生局水道環境部長通知)
ごみ焼却施設の新設に当たっては、焼却灰・飛灰の溶融固化施設を原則として設置すること。
◇ごみ焼却施設の新設時における灰溶融設備の設置について
(平成15年12月16日付け事務連絡)
ごみ焼却施設を新設する際には、原則として焼却灰及び飛灰のリサイクル・原料化を図るための溶融固化施設を有していることを国庫補助の要件としてきたところです。
今後、この原則の例外として、溶融固化設備の設置を要しない場合として、下記の通り整理しました。
①焼却灰やセメントや各種土木材料として再生利用する場合
②最終処分場の残存容量が、概ね15年以上確保されている場合
③離島である等、溶融固化設備をを整備することが合理的でないと判断できる場合

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