
JESCO「添付資料 環境省提出報告書」より
JESCO北九州のベンゼン協定値超過、
いかに協定値があれど、年に2回の測定では、、、
(豊田、北海道は年4回)
いわば事業者にお任せ状態、、、、、
安全操業の信頼関係など、あっという間に崩れ去る、
今回も、立入検査がなければ、、、そのまま見逃しかねない、、、、
慣れからくる怠慢なのだろうか、
北九州、一期施設でも平成20年8月にも超過しているのだから、、
もっと慎重になるべきだろうに、それも後の祭り、、
毎日新聞 2015年11月14日
毒性の強いポリ塩化ビフェニール(PCB)の無害化処理をしている若松区の中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)北九州事業所の排ガスから高濃度のベン ゼンが検出された問題で、同事業所は13日、「(ベンゼン検出は)「排ガス処理工程の一部を勝手に止めて処理していたためだった」と発表した。北九州市は 「安全の前提となる設備を勝手に止めていたのは極めて遺憾だ」として、改善を確認するまで操業再開を認めない方針を明らかにした。…
NHK 2015年11月13日
PCB=ポリ塩化ビフェニルを無害化する北九州市若松区の処理施設で、排気ガスから基準を大幅に超える有害物質が検出された問題で、施設側は13日、1年以上前から排気処理設備の一部を市に無断で止めていたことを明らかにしました。北九州市は安全性が担保されないかぎり施設の稼働を認めない方針です。
この問題は、10月14日、北九州市若松区にある人体に有害なPCBを無害化する国の処理施設で、排気ガスから基準の11倍を超える有害物質の「ベンゼン」が検出されたものです。
施設側は13日、原因に関する内部調査の結果を報告書にまとめて北九州市に提出したあと、氏本泰弘所長らが記者会見しました。
この中で、施設側は環境保全のために必要な排気処理設備の一部を去年4月から1年半にわたって市に無断で止めていたことを明らかにし、基準を超える有害物質が検出された原因になったという認識を示しました。
氏本所長は「ほかの排気処理設備で十分処理できるだろうという甘い認識で停止させてしまった。市民にご心配をおかけし深くおわびします」と謝罪しました。
北九州市は、「PCB処理の安全性に対する信頼を揺るがしかねない重大事案だ」として施設側と締結している環境保全協定に基づき、安全性が担保されないかぎり施設の稼働を認めない方針です
中間貯蔵・環境安全事業株式会のホームページで
「北九州PCB廃棄物処理施設 協定値を超えるベンゼンの排出について ( 報告 )」がupされている。
JESCO 平成27年11月13日(金)
■北九州PCB廃棄物処理施設協定値を超えるベンゼンの排出について(報告)
平成27年10月30日に北九州市から通報を受け、 同市 が10月14日にサンプリン グした当事業所 2期施設 からの排 気 中に同市との協定に基づく協定値(45mg/ N m 3 ) を超えるベンゼン(520mg / N m 3 )が検出されていることが判明しました。
本日、 北九州 市 及び 環境省 に 本事案の 発生 原因 調査結果及び 再 発 防止 策 について 報告 い たしま した 。その 内容についてご報告いたします。
1.ベンゼン発生源の特定について
当事業所2期施設の液処理設備で処理する油には、前処理工程においてコンデンサ中の紙、木等が熱分解して生成したベンゼンが含まれています。このベンゼンは、液処理設備で分解されず、処理済油中に残存しています。(今回の測定結果:濃度120~130mg/kg)
今回、北九州市による排気サンプリングが行われた時の同排気系統の作業状況を検証した結果、液処理後の処理済油等の遠心分離機のみが稼動しており、分離後の固形物を充填するコンテナ(固形物充填槽)からの排気が主に排出されていました。
このため、固形物充填槽内に残存している処理済油に含まれるベンゼンが検出されたものと考えられます。
2.今回検出したベンゼン排出による影響について
(1)周辺環境への影響
今回検出された濃度をもとに大気拡散シミュレーションを行った結果、一般大気環境中のベンゼン濃度に与える影響はごくわずかと言えることから、今回のベンゼン排出が、周辺の大気環境及び人の健康に直ちに影響を及ぼすものではないと考えられます。
(2)作業環境への影響
ベンゼン排出が考えられる固形物充填槽が設置された区域は、固形物の充填後一定時間室内を密封状態にし作業員も立入禁止にする措置を講じていますので、今回のベンゼン検出により、作業環境への影響が懸念されるものではないと考えられます。
3.協定値超過の原因調査結果について
(1)固形物充填槽系排気対策の不徹底
当該排気処理において排気中の油分が増加し、油分除去が十分に行われず、活性炭吸着塔に混入した油分によりベンゼンの吸着能力の低下を起こしたものと考えています。
(2)安全管理面の不備
活性炭吸着塔の前段で油分を除去するべき深冷クーラー(熱交換器)が頻繁に閉塞していたため、熱交換機能を停止させ、活性炭の交換頻度を上げることによりベンゼンの協定値遵守に努めていましたが、このような管理方法の変更については、慎重を期すべきところ、北九州市に相談することなく実施していました。この背景には、安全管理に対する認識の甘さと対応への体制不備があったと考えています。
(3)排気システムの不備
深冷クーラーはミスト状のベンゼンが除去できていることから排気処理装置として有効と考えられるところ、当初想定しなかった量の油による閉塞が頻繁に起こり、その度に深冷クーラーの清掃を行うために操業を止める必要があることを踏まえれば、処理の安全と円滑な操業を両立する観点からは排気システムとして不備があったと考えています。
4.再発防止対策の検討状況について
以下に掲げるようなソフト・ハード両面の対応や他設備も含めた検証などの総合的な対策について、今後早急に検討実施していきます。
(1)安全管理体制の強化
北九州PCB処理事業所において、安全管理に対する考え方の浸透や安全操業意識の徹底を図るよう、事業所内管理職及び職員並びに運転作業員への社員教育を繰り返し行います。
さらに、安全設備の管理方法の変更はじめ、重大なトラブルに繋がりかねない対応や軽微な事案について、行政に対する報告及び相談の徹底を図ります。
(2)排気システムの抜本改善
北九州PCB処理事業所における当該排気中のベンゼン除去対策として、液処理設備の他の排気系で採用している吸収液処理プロセスを採用し、抜本変更するよう改善します。
(3)他設備を含めた総合的な検証及び他の4事業所の設備の検証
北九州PCB処理事業所において、今回のような安全管理体制やシステムの不備の事例がないか、他の設備を含めた調査及び検証を実施し、水平展開を図ります。
また、本社においては、今回の事案を社内で水平展開して全社的な検証を行い、北九州PCB処理事業所以外の事業所における再発防止策を講じてまいります。
添付資料
・ベンゼン濃度の協定値超過について(北九州市及び環境省※に提出した報告書)
※:環境省に対する報告書は、北九州市に対する報告書に、上記4.(3)の後段の本社としての取り組みを加えている他、北九州市の呼称が変わっております。
北九州PCB廃棄物処理施設 協定値を超えるベンゼンの排出について(報告)
[添付資料 北九州市提出報告書]
[添付資料 環境省提出報告書]
関連(本ブログ)
■北九州PCB廃棄物処理施設 協定値を超えるベンゼン520mg/N m3の排出 (協定値の11倍)/福岡 2015年10月31日
専門的なことなどわからないけど、
報告を読む限りでは、、安全管理の認識を再徹底するとともに、「排気システムの抜本改善」をおこなうしかないのだろうが、、、
図を見てもよくわからない、、
JESCO「添付資料 環境省提出報告書」より抜粋
5.再発防止対策の検討状況について
(2)排気システムの抜本改善
北九州PCB処理事業所における固形物充填槽排気中のベンゼン除去対策として,液処理設備の他の排気系で採用している吸収液処理プロセスを採用し、抜本的に改善します。
具体的には、図4に示すように、処理済油受槽排気処理系に当該排気をつなぎ込み,吸収塔、ミストセパレーター、活性炭吸着塔の既存システムで処理することによってベンゼンを確実に除去します。