東京23区のごみ問題を考える

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足立「モデル可燃ごみの焼却実証確認」はスラグの鉛溶出基準値オーバー!

2007年09月16日 14時05分58秒 | 東京23区のごみ
中防の溶融スラグ鉛基準値超過があって、灰溶融施設を併設している足立、多摩川、大田工場の実証確認データ(溶融スラグ)を再度見直してみた。

昨年9月からモデル収集に取り組んだ足立区の実証確認報告は12月に発表された。
詳細は~http://www.union.tokyo23-seisou.lg.jp/thermal/6thermal/adachi002.pdf
重金属処理汚泥等分析結果は~
(1)含有・溶出試験結果
①モデル可燃ごみの焼却後の測定結果は、すべて法規制値および判定基準値を下まわった。
②測定値は、実施前と同程度であり、モデル可燃ごみを焼却処理した影響は見られなかった。
と、なっているのだが…

●足立清掃工場の場合、鉛の溶出試験結果(10/24)は0.05mg/lであった。溶出基準は0.01mg/l以下であるから5倍も超過していることになる。ところが、一組は判定基準を「埋立処分に関する判定基準~鉛→0.3mg/l以下」として「すべて判定基準値を下まわった。」と報告しているのだ。まあ、なんというか苦肉の策だったのか~「スラグ」としての有効利用はできないが、埋立処分するにはOKだからいいというのか?そんなことがまかり通るのだろうか?

●多摩川清掃工場の場合は、鉛の溶出試験結果(10/25)は不検出であった。

●大田清掃工場の場合、鉛の溶出試験結果(4/17)は不検出。モデル実施前のH18年10/16は0.02mg/lであり、平成17年度全工場測定値(参考)として出ている数値が不検出~0.10mg/lということである。

●これまでに、スラグとしての品質基準をクリアしていない不良品はどれくらいあるのだろうか? (たとえ基準をクリアしていても建設資材などに使われるのもこれまた不安ではあるが)膨大なお金をかけて、スラグをつくって、埋立処分をしているとしたら~ 有効利用されるされない以前の問題として、基準値すらクリアしていないスラグの実態である。

●鉛だけにこだわってみると~(単位mg/Kg)
足立清掃工場(H18年10/24,10/25)
焼却灰:含有量(乾)---------130
汚水処理汚泥:含有量(乾)-----1900
飛灰処理汚泥:含有量(乾)------640
溶融飛灰処理汚泥:含有量(乾)----3100
溶融スラグ:含有量(乾)-------140

多摩川清掃工場(H18年10/17,10/25)
焼却灰:含有量(乾)----------98
汚水処理汚泥:含有量(乾)-----1200
溶融飛灰処理汚泥:含有量(乾)----3100
溶融スラグ:含有量(乾)--------40

大田清掃工場(H19年4/17)
焼却灰:含有量(乾)---------130
汚水処理汚泥:含有量(乾)------160
飛灰処理汚泥:含有量(乾)-----3600
溶融飛灰処理汚泥:含有量(乾)--18000
溶融スラグ:含有量(乾)--------28

●物質不滅の法則からいくと、元々あった鉛の総数は?
 最終的にスラグに封じ込められる鉛は?(足立で140)
 大気に放出される鉛は?
 それ以外はキレート処理されるの?
 もう考えるだけでも気持ちが悪くなってきた~


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