■第17 回 東京23 区とことん討論会 in 江戸川
□日 程:8月22日(水)
□会 場:タワーホール船堀
□主 催:第17回東京23区とことん討論会実行委員会
□プログラム:
1.午前の部 全体会 (9:45~12:00)
・基調講演:吉田俊道さん:「土~野菜~人 いのちの循環を育む微生物に学ぶ」
高坂 勝さん:「大量からちょうどよいスローな社会へダウンシフト」
・市民提言:「河川ゴミに見る消費社会の実態」 NPO法人荒川クリーンエイド・フォーラム
2.午後の部 分科会 (13:00~16:50)
3.全体会 各分科会討論の概要報告とまとめ(17:00~18:00)
今年のとことん討論会、基調講演、分科会、笑いもありのユニーク企画
基調講演の吉田俊道さん、
一昨年の夏にもお話を聞いたことがあるのだが、吉田さん、ほんとうにパワーがある、
あの元気の源は、やはり生ごみリサイクルの元気野菜なのか、すばらしいのひと言。保育園や幼稚園での、こどもと一緒の生ごみリサイクル、野菜づくり、いのちの循環を身体で体験。著書もだされているが、やはり、生ごみリサイクルに挑戦される幼稚園などは、一度はお話を聞いてからパワーをもらって下さい。とことん討論会としては、講師お二人の基調講演、めずらしく笑いのなかで和やかに、そして、内容は充実していました。
荒川クリーンエイド・フォーラムの報告も、
なつかしい、初期の頃から、十数年前まで、
子どもを連れてクリーンエイドに参加していたので、
午後は、第三分科会に参加した
一部では進土五十八さんのお話、二部では、現状の23区のごみ処理~
最初、案内チラシを見たとき、東京農業大学名誉教授(造園学者)、一橋大学名誉教授(経済学者)と、今年の分科会は、興味よりも、どうなるのかと心配すらしたのだが、、、、
第一部
なんと、なんと、進土五十八さんのお話はとてもよかった。
ほんとうに、そうなんだよな~と、腑に落ちることばかり、
東京農大の学長もされていた方というに、とても気さくな語り口、木場で育ったので口が悪いがご容赦下さいと、ユーモアのセンスもたっぷりで、
何事にもつながることなのだが、全体を見据え、長期展望を持って、五感をたいせつに、美の創造、トータル・ランドスケープと、直接、廃棄物行政に関係ない視点からのアドバイスは貴重であった。今の環境行政、廃棄物行政、まさに足りないのはその視点。災害廃棄物にしろ、放射能の問題にしろ、目先のごみ処理をどうするかに躍起になっての、矢継ぎ早の法改正でのやっつけ仕事となっているのだから。
それぞれの専門家ばかりの寄り集まりで、全体を考える人がいないのだ。テーマである「燃やさないがれきの処理を」では、関東大震災や京王プラザホテル、海外の例などで、コンクリートなどの埋め戻し利用など、
二部では
いつも通りの、清掃一組から、練馬区の現状、市民サイドから~
清掃一組は施設整備計画を中心に、
練馬区は、ごみ減量目標、リサイクル施策の話し。(ペットボトル、古着・古布、廃食用油、古紙、容器包装プラスチック、小型家電、粗大ごみからの金属類、布団、生ごみなど)
練馬区、小型家電や布団などの独自回収はユニーク。しかし、リサイクルにはほんとうにお金がかかる。気になったのは、古紙問屋さんに選別・圧縮費用を支払っていること。古紙売却を、古紙問屋店頭渡し価格にすれば余分な経費はカットできるのに。
中村区議からは、カナダ・ノヴァスコシア州の「脱焼却」「脱埋立」の取り組み例の話し。
とてもいい報告なので参照↓↓
中村まさ子さん(江東区議会議員)
「カナダ・ノヴァスコシア州 廃棄物/資源管理政策 視察報告書」(PDF)
質疑の時間、とことん討論?
喧喧囂囂(ケンケンゴーゴー)か侃侃諤諤(カンカンガクガク)なのかよくわからないが、清掃工場がらみのこの分科会は、やはり清掃一組への批判や抗議の意見が噴出する。それも、本来なら、制度上の問題で、清掃一組では答えようもない共同処理体制自体の根源的問題がつきまとう。みんな持って行き場がなく、それをこういう場でぶっつける。議論というより、持論、自説のぶっつけあいの平行線。
問題意識を持っている人の多くは、先ずは、現状の23区の共同処理体制批判があるのだが、その問題解決の代替え案などどのように考えているのだろうか。いつかそういうテーマもおもしろいかもしれない。そうすると、23区の区長さん、議員さんのお出ましが必要になる。
それにしても、平成18年度以降も当分の間、東京二十三区清掃一部事務組合による共同処理を行うこととして、その際、「清掃一組の抜本的な改革を行い、効率的・効果的な運営を図ること」等として、清掃事業に関する課題(23課題)をそれぞれ検討した上での現体制とはいえ、それらが23区民には全く浸透していないのも、この体制批判の根深さがある。
それら現状での総括も必要なのかもしれない、なにしろ、区移管された「一般廃棄物処理業の許可事務」を、再び清掃協議会に戻すかもしれない協議も進められている。確かに、各区でやって不効率なこともあろうが、効率故の逆戻りの発想では、清掃事業の完全区移管など23区自体が望んでいないということでもあろう。23区、各区の立ち位置で、思惑はそれぞれ違うだろうし、この問題なかなか難しい。
ごみ量予測の考え方も、斉藤先生のまとめも掘り下げるまではいかなかったし~ なんだか、いつもそうだが、たぶん、みんな未消化のままの時間切れ、
最後に、
第二部も残って聞かれていた進土先生、司会者が感想を尋ねると、
開口一番、「清掃一組の職員でなくってよかった!!」と~
恒例の、夏のとことん討論会もなんとか無事終了
長年、実行委員をしている人たちにはほんとうに頭が下がります。
お疲れさまでした。継続は力なのでしょう。
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分科会
○第1分科会:
取り組もう! 花も実もある生ごみリサイクル -これぞ東京23区ごみ減量の鍵-
・吉田 俊道さん(NPO法人大地と命の会理事長)
・佐藤美千代さん(日野市せせらぎ農園)
・堀田 誠さん(江東区環境清掃部清掃リサイクル課長)
・江戸川区生ごみ堆肥化実践クラブの皆さん
コーディネーター 石毛教子さん
○第2分科会:
徹底討論! どう変える?容器包装リサイクル法 -めざせごみゼロ-
・森下 哲さん (環境省リサイクル推進室室長)
・矢島 明さん(江戸川区環境部清掃課長)
・永井 達郎さん ((株)セブン&アイHLDGS.総務部環境)
・中井八千代さん (容器包装の3Rを進める全国ネットワーク)
・石名坂賢一さん (千葉大学工学部非常勤講師)
コーディネーター 中谷 隼さん (東京大学環境システム研究室助教)
○第3分科会:
改めて考える "ごみを燃やす"こと ―ごみをできるだけ燃やさない視点からー
・進士五十八さん(東京農業大学名誉教授)
・斎藤 修さん (一橋大学名誉教授)
・中村まさ子さん(江東区議会議員)
・柳井 薫さん(東京二十三区清掃一部事務組合総務部企画室長)
・大津 敏久さん(練馬区環境部清掃リサイクル課長)
コーディネーター 中村正子さん
○第4分科会:
環境にやさしいくらし方・生き方 -スローな社会創りに向けて-
・満田 夏花さん(FoE Japan)
・奈須 りえさん(大田区議会議員)
・すぐろ奈緒さん(杉並区議会議員)
・山崎 求博さん(足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわ)
コーディネーター 高坂 勝さん(ナマケモノ倶楽部世話人)