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23区 ペットボトルのリサイクル。指定法人ルートは17区(ルールⅢ分のみ含む)、独自ルートは6区

2011年07月25日 20時49分03秒 | 東京23区のごみ

先日、トベ商事のペットボトルの粉砕施設を見学した際、新宿区の分別回収されたペットボトルが独自ルート分として入っていたので、さっそく今年度の指定法人ルート「再商品化事業者落札結果(PETボトル)」を調べてみた。

今年度の指定法人ルートでの契約は17区あるが、
それぞれ、落札トン数と回収実績(H21年度)と比べると、新宿、台東、杉並、板橋、練馬と、かなり開きがある区もあり。ルールⅢ分のみを指定法人ルート、家庭からのきれいな分別分は独自ルートなのか?!またはルールⅢ分のみを独自ルートもあるだろう。

大田区、渋谷区、豊島区、北区、足立区、葛飾区は独自ルートか?

■平成23年度 落札結果一覧表 PETボトル(日本容器包装リサイクル協会) 
http://www.jcpra.or.jp/recycle/recycling/recycling04/pdf/h23/rakusatsu_k_pet.pdf
(23区の指定法人ルート落札結果抜粋+H21年度の各区のペットボトル回収実績を付け加え)




日本容器包装リサイクル協会(指定法人ルート)
ペットボトルについては、今は、大半が有償入札(マイナス価格)で、いわゆる有価で売れるようになっている。容リ法の、通常の容器包装の再商品化費用は特定事業者(製造メーカー、販売事業者など)が負担し、日本容器包装リサイクル協会は事業者の入札などの事業に関する運用を行っている。マイナス価格の場合は、逆に、再商品化事業者がお金を支払い、それは自治体に入ってくる。

で、23区の場合、落札価格に大きな隔たりがあるのは、おそらく、区内の家庭から集めた分別回収分と、コンビニなどの店頭回収分(東京ルールⅢ)の違いなのではないか。(多少の違いは、再商品化事業者は保管施設まで引き取りに行くので、運搬の距離による価格の違いかな?)なにしろ店頭回収分(ルールⅢ)は、メチャクチャ汚い。ごみ箱同然にいろんなものが入れられている。回収風景を見たことがあるのだが、本当に悲惨である。指定法人ルートにすると、「選別・圧縮・保管」は市町村の費用負担である。独自ルートでそのまま受けてくれるところがあると、そちらに流したい気持ちもわかる。きれいに分別回収したものは有価で引き取ってくれれば、なおのことであろう。江東区は、平成7年にリサイクルパークを建設し、以来、びん、缶、ペットボトルの選別・圧縮・梱包を行ってはいるが、数年前に確認したところでは、ルールⅢに関しては丸ボトルのまま東京ペットボトルリサイクル(TPR)ということだった。
東京ルール懇、当時としては画期的なルールⅢであったが、今となっては、ただの事業者責任の肩代わりになってしまって~ルールの見直しが必要に思う。

容リ協会の入札制度、年度ごとの入札で価格競争もなかなか厳しいようだ。また、上記の千代田、中央、新宿の指定保管施設と再商品化事業者の関係もみていると、しかたがないのであろうが、実に無駄というか、23区内を行ったり来たりである。トベ商事は足立区、TPRは中防にある。選別保管施設の委託事業者が、その区のものを落札できることは少ない。これは「その他プラスチック」でも同様に関東近県を行ったり来たりである。それにしても23年度、TPRの一人勝ちですね。

容リ法にもいろんな問題点はある。ペットボトルに関しては、有価で売れるようになると、指定法人ルートではなく、独自ルートで輸出に流してしまう自治体も少なくはない。いろんな法制度の問題がある中で、各自治体の事情を考えると、なにがいいのかわるいのかは何ともいえない。環境省の平成22年度の調べでは、指定法人ルートでの処理計画量は67.9%、独自処理の市町村は35.3%となっていた。過去には、容リ法を見込んでの再商品化事業者が、ペットボトルが集まらずに倒産した例も多い。帝人の「ボトルtoボトル」も破綻したなどのニュースもあった。逆に、2008年には、再生資源の価格の大暴落などで、輸出も停滞し、容リ協会は、「PET ボトル期中追加入札の実施並びに再生処理事業者の財務負担の緩和措置実施」という救済措置を行ったりもしている。


参考(本ブログ)
■平成21年度 廃ペットボトルの輸出等市町村における独自処理に関する実態調査」結果について(2010年08月07日)
■中国むさぼる…日本のペットボトルのリサイクル高騰、壊滅の恐れ(2010年05月18日)
■23区 容器包装プラスチック再商品化落札結果(平成23年度)指定法人ルート(2011年04月26日)
杉並区の新日鉄保管分、23年度は新日鉄君津が落札。
■PETボトル追加申込量4000トンに-容リ協発表(2008年12月24日)
■帝人グループ、「ボトルtoボトル」リサイクルを休止し「ボトルto繊維」リサイクルへの転活用を展開(2008年10月02日)
■ペットボトル再生の根来産業が経営破綻(2008年07月19日)
■回収済みペットボトル、国の再生制度ピンチ -指定法人ルート(2008年01月10日)
■東京23区のペットボトル回収 容リ法指定法人ルートは14区のみ~(2007年08月22日)


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