東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

新刊紹介 『 散乱ペットボトルのツケは誰が払うのか 』 著者 栗岡理子(合同出版)

2012年09月22日 20時30分38秒 | 容リ法 プラ新法


容リ法改正に一石を投じる本!!

著者の熱い想いがひしひしと伝わってくる
「あとがき」によると、いろんな経緯から、「デポジット制度とADFによる拡大生産者責任の法制化を求める署名」に取り組むのだが、署名集めの過程で、「デポジットはもう古い」「日本でデポジットは無理」など、協力を拒まれることもあったという。それに対して、勉強不足で、反論しようにも有効な反論ができなかったことから、大学院への進学を決意したというのだからすばらしい強者である。
この本は、デポジットの必要性の集大成というか、大学院での修士論文を大幅に加筆し、政策提言にまで踏み込んだということである。

写真、図表・データも多く取り入れて、とてもわかりやすくまとめてある。そして微に入り細に入りの解説付きで、ごみ問題や容リ法にあまり詳しくない人にも読みやすくなっている。是非ご一読下さい。


散乱ぺットボトルのツケは誰が払うのか
―デポジット制度の実現をめざして―
 

著 者  栗岡理子
発行所 合同出版
定 価  1,575円(税込)
ISBN  978-4-7726-6014-3
発行日 2012年09月
判 型 A5
頁 数  126
{目次}
第1章 ペットボトルが生態系を破壊する?
第2章 拾っても拾っても減らない、ごみ、ごみ、ごみ……
第3章 ペットボトルリサイクルの現状
第4章 N市とS市のエコロジカル・フットプリント
第5章 回収方法の違いによるリサイクル費用比較
第6章 新しいシステムの必要性
第7章 デポジットへの道
商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)

海岸を100メートル歩けばペットボトルが26本も捨てられているという「ごみ天国ニッポン」。デポジット制度実現のために、散乱ペットボトルの現状と回収のあるべき姿を徹底検証する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
栗岡/理子
主婦。環境カウンセラー、森林インストラクター。1983年ころから環境問題にかかわる。子ども会の廃品回収で古紙余剰問題に直面したことをきっかけに、1996年ころから環境負荷の少ないトイレットペーパーの企画・製品化や古紙結束時に使用する紙ひもの普及などに取り組む。1998年~2011年、古紙問題市民行動ネットワーク会員(2003年からは事務局分室として各地からの古紙関連の質問に対応)。2012年、同志社大学経済学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 以上、Amazonより転載


Amazon  紀伊國屋書店BookWeb  楽天ブックス 
近くに書店がなくともネット上で手軽に購入できます。

併せて、お勧め本↓↓
「プラスチックスープの海」―北太平洋巨大ごみベルトは警告する
チャールズ・モア (著), カッサンドラ・フィリップス (著),
海輪 由香子 (翻訳) 出版社: NHK出版
を読まれると、海洋汚染の実態がより鮮明になる~



読み終わってからつくづくおもうに、
ほんとうに、「デポジット制度」は、散乱ごみの防止だけでなく、受益者負担の回収システムとして有効な手法である。そして、拡大生産者責任で事業者がリサイクルまですればいいのだ。しかし、事業者への負担増、商品への費用上乗せからくる消費低迷を恐れてか、これまで具体的に法制度の俎上にすらあがってこなかった。(地域での取り組み、実証試験などはあり)相変わらずの、大量生産・大量消費・大量リサイクルで、事業者天国の日本なのである。そもそもの、ごみの始末は税金で市町村の役割、容器包装リサイクル法も、いちばんお金のかかる収集・運搬などは市町村の役割、これを抜本的に変えないことには、大きく動かないのである。

全国300 以上の都道府県市町村議会で「デポジット制度の法制化を求める意見書」が採択され、全国都市清掃会議では、毎年、国へ「デポジット制度の早期導入」の要望を提出している。先ずは、容リ法の改正で、拡大生産者責任の徹底による大改革を願う。

著者とは古紙ネットの仲間で、いつも、彼女のバイタリティーには圧倒されっぱなしである。今回の出版にも、ただただ敬意を表するとともに、容リ法の抜本改革への起爆剤となることを期待している。



    



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