咆哮

負け犬の遠吠えかも…
最近「負け犬」が流行り言葉になってしまったので「落ち武者の歯軋り」とした方がいいのかも…

『海賊』2(ぼのぼのさんへのレス)

2005年12月23日 09時55分27秒 | 演劇
変則的ですが、「KUMONOS掲示板」のぼのぼのさんの発言(グリング『海賊』関連の内容)レスをこちらでさせていただきます。

ちなみに、以下がぼのぼのさんの文章です。

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> だと、私も思いました。

でしょ?(^^) 次の公演は1年先になるし、大阪公演がない可能性の方が高いと思いますが、とりあえず「グリング」「青木豪」の名前だけは覚えておかれた方がいいと思います。

今回は特に出来が良いですが、グリング/青木豪の作風はいつも大体あんな感じです。ごく日常的な題材、疎外感や孤独感に苦しむ人たちが生きる意味を求めて苦闘する物語、ユーモラスでテンポの良い台詞、悲しみの中にひとすじの光が見えるラスト、そしてどんな作品でも変わらぬ俳優たちの好演…前衛性は皆無ですが、オーソドックスな演劇/人間ドラマとして、あれほどのクオリティを持った作品を連発している劇団は他に知りません。

前作『カリフォルニア』はグリングとしては異色の作風で、質的にはイマイチだったのですが、そこでの実験がこの作品で実を結んでいる光景に息を呑みました。
実はこの作品、その『カリフォルニア』の続編的な意味も背負っているのです。前作も中野英樹が主人公の一人でしたが、そこで彼は髪の長い美人の奥さんに自殺されているのです。しかも奥さんの名は「柊子(とうこ)」。この主人公は、精神的な意味で、前作の彼と同じ人物なのです。

そしてこの作品で最も素晴らしいのは笹野鈴々音ですね。「最強」としか言いようがありません。脚本も完全に当て書きですし、あの子の抱える疎外感は、間違いなくあのような肉体を持った笹野さん自身の心の声でもあるのでしょう。彼女の所属する「風琴工房」という劇団は、前に一度見てつまらなかったので、もう見る気は無かったのですが、やはり彼女目当てにまた見に行くことにします。

それにしてもブログの方に書かれていた最後の3行、「シューテツさんならきっとそういう反応をするのではないか」と思ったことドンピシャリで、微笑ましいくらいでした(笑)。

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ぼのぼのさん、今回はこの芝居の紹介ありがとうございました。m(_ _)m

普段から芝居を観ないので、小劇団という言葉から連想するイメージは「お金をかけられないので奇抜さやアイデアで勝負する」ってのが頭の中にこびりついているのですが、今回の作品は確かにお金はかかっていないですが、これほど真っ向勝負で正攻法の「お芝居」を見せられるとは予想していませんでした。f^_^;;

今回はアフタートークつきの日の鑑賞だったのですが、グリング関西初お目見えという事で、その中味の殆どが今回の作品というより劇団グリングの紹介になっていて、ぼのぼのさんが書かれている事とほぼ重なった内容になっていましたよ。

後、今回の劇場がスズナリより少し大きめなので声が反響するので、役者は東京より発声(or演技)を抑え目にやったという話もしていました。だから余計にリアルな演技になっていたかも知れません。

トークでもインタビュアーが言ったのですが、しかし、上手いですよね、今回の俳優さん達の演技。ビックリしましたよ。
あと、前作『カリフォルニア』のお話の件と関連しているのかも知れませんが、この芝居の裏稽古といのか、背景設定としての実際の舞台には登場しないシーンでの主人公がアパートで借金取りに脅かされるという場面の稽古までしていたそうで、そういうのって前作とのつながりを感じさせますよね。
裏話ですが、(弟)「何笑ってんの?」(兄)「えっ?、俺、笑ってる?」というやり取りがあったと思うのですが、その台詞はその裏稽古の時に出て付け足した台詞だそうです。

>笹野鈴々音
>「最強」としか言いようがありません。

そうそう、彼女はこの芝居のテーマのシンボルなんで、彼女無しではこの芝居が成立しないということでは、よくぞ見つけたなというか、彼女自身の存在自体がこの芝居の発想の源でもあったかも知れない、というような気もします。
あのラストも彼女の存在があったらこその名場面になっていましたよね。

>最後の3行、「シューテツさんならきっとそういう反応

へへへ、完全に読まれてしまっていますねぇ~。まあ、ぼのぼのさんとは長いおつきあいですから…。(笑)
それと、この人(青木豪)の発するテーマと、私が普段から絶え間なく感じている「世の中や他者に対する苛立ちや絶望感や、生きる希望(意味)等々」が、私がいつも(ネットで)発するメッセージとほぼピッタリと重なってしまっていましたから、そう思われるのも当然かも知れませんね。f^_^;;