11/27は蕨のくるるにて
素敵な試みを観てきました。
昨年の大河ドラマの脚本家で蕨演劇講座でお世話になった池端俊策先生の脚色、演出で歌手は蝶々夫人一人。シャープレスをご活躍の俳優が演じ、回想という形でオペラの粗筋に沿って語っていきます。
蝶々夫人はプッチーニの有名なオペラですが一人で歌う、となるとアリアだけでは短すぎるし?と思っていましたが登場、愛の二重唱や花の二重唱を自分のパートのみ歌ったり、アリア、手紙の場面、自決の場面を切り取っていました。
元はオペラ歌手の平井富司子さんが池端先生に一人で歌える台本を三年前に頼んで、大河ドラマの後でね、とお約束いただいたとか。ようやく実現したわけですね。
歌手は一人、シャープレスの他に演劇講座の講師でお世話になった岩田丸さんが領事館で働く日本人として、そして蝶々さんの子供役が一人。
休憩なしの約1時間強の舞台でした。
感想は、
とても面白かったし贅沢な舞台でした。
また観たいしこういう形があっても面白い。
歌手の平井富司子さん
本当に素敵でした。
何度も蝶々さんを歌ってきた
身体に入った歌と表現、
イタリア語でのお芝居が
声と表情と身体からほとばしっていました✨✨
そして池端先生。
池端先生の台本、
シャープレスの言葉は見事でした。
きっとシャープレスがこんなことを言っただろうと、こんな日があっただろうというセリフをお書きになる。オペラを知っているものほど感嘆せずにはいられません。
脚本家って凄いな、と思いました。
そしてそれを演じた俳優さんもすごい。
野口雅弘さん
麒麟がくるにもご出演でしたね
実力のある役者でないとできない(セリフ量も半端ないし)と思いました
ただそこが少し問題。
私にはこの作品はシャープレスが主役に見えました。歌手一人で歌い続けることは出来ないので経過の説明や歌手の休養のために俳優の割合が多くなる。
そして台本がいいからシャープレスが魅力的に。
結果、委嘱作品なのですが
歌手が主役に見えないというか。
蝶々夫人は圧倒的にプリマドンナオペラですが音楽が素晴らしいので重唱を一人で歌うのも音楽の良さが楽しめないし、三幕はいきなり自決となると時間の配分的に尻すぼみに見えるし。
何より平井さんの歌唱と演技が素晴らしかったのでニ幕の盛り上がりから残り10分で終わる、、のはアレレ、と。
せめてケイトが来たところもいれたらもう少し尺があって一、ニ幕とのバランスも取れたかと思うのですが。
オペラを知らない人には大満足💖だと思います。
私は、もう少し歌を聴きたいな
あと1人歌手を入れて重唱を聴きたい
もう少し音楽メインになってもいいかと思いました。