ソプラノ和泉聰子の『おんがくのいずみ』~うたの心をあなたに~

ソプラノ歌手・ボイストレーナーの和泉聰子のブログ。HPは http://lulu-hikichan.jimdo.com

ミャゴラトーリ公演 リゴレット

2017-06-05 12:21:26 | 演奏会レビュー


昨日は牛込神楽坂の箪笥ホールにて
ミャゴラトーリ主催

小劇場演劇的オペラ vol.4

ヴェルディ作曲
リゴレット

を観に行きました。

よさこい節の新宿明神丸集会(!)の時
演出家の岩田逹宗さんにお誘い頂いた公演です。


☆☆☆☆

素晴らしい公演でした。
ふーん、そうなんだぁ、
では済まされないほど。


二幕のリゴレットのアリアの冒頭から
涙が溢れて、アリアの間中ボロボロと泣きながら
聴いていたのは初めてです。

須藤慎吾さん、素晴らしかったです。
オペラの感動の一つに
極限まで磨かれた声というものがあるけれど
ヴェルディの音楽を声で表す、
オペラ歌手としての手抜きのない歌。
そして二幕の登場からその素晴らしい声が
芝居と本当に結びついて
心の中に突き刺さって涙が止まらなかった。
演技だけでは泣かないと思うけれど
声だけでも泣かないと思う。
本当のオペラの良さを小劇場で体感しました。



マントヴァ公爵を演じた寺田宗永さんは、
岩田さんが求めたであろう
とてつもなくブチ切れた人でなしの公爵を
異様な目の輝きで示していました。
テノールの醍醐味.高音も輝き
スタイルもいいし(観た人しかわからないぞ!)
聴かせどころのアリアで
あんな状態で歌い上げるなんて(観た人しかわからないぞ!)




演劇的

という冠のついているこの公演で
全ての役の人が人物を掘り下げ
どうあるべきかを考え、自分で作り込んで
ぶつけ合った舞台だったと。


岩田逹宗さんが演出だと言うだけで
歌い手に極限まで表現する覚悟を与えるのか、

岩田逹宗さんが演出と言うだけで
歌い手が極限まで弾けたくてウズウズするのか


キャスト一人一人が舞台の上で
狂気と輝きをもって生きている


素晴らしい公演でした。
全てのキャスト、指揮者、ピアニスト、
演出家、製作スタッフに心からの拍手を。



☆☆☆☆


素晴らしい公演を観ると
二つの事を考える。


一つは、私もこの舞台に乗りたい。乗りたかった。私もこの世界の住人になりたい。


もう一つは、この舞台を観られて良かった。観客として、全てを通して観ることができて、心から感動して涙を流すことができて良かった。




オペラって
観なくても死なないけれど
観たら心底、魂を揺さぶられる舞台があるんです。


喜劇も悲劇も人間を描いているものだから。


ミャゴラトーリの次回公演も期待しています。
絶対、素晴らしいものが観られるから。
皆さんも是非!

ミャゴラトーリ HP
http://www.miagolatori.com/index.html









コメント
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