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びたみん

なんじゃ もんどの すけ びたみん

狂い咲きのような

2008-04-15 03:09:58 | Weblog
 久々に線香の香りを嗅ぎたくなり、墓地へと出向いた。最近の墓地は車に乗ったままでも参ることができるようになっており、墓地内の通路に植えてあるポール状の赤ん坊の玩具のガラガラのようなものを、車の中から手を出して回すだけで一瞬のうちに一千行以上の経文を唱えたことになるらしい。自動車教習所のような迷路状の園内に配置されたガラガラを手際良く見て回らなくてはならないとしても、随分と便利なものである。しかし、今日はいつものように時間に余裕があるので墓までいくことにした。

 最近は墓地に必要な土地の値段も高騰しているらしく、一戸建ての墓地は珍しいそうだ。コインロッカーのような配置で、1メートル四方の中の部分に骨壷が納められている分譲が一般的なのだという。まだ、移動式書架のように骨壷団地の一棟がグイインという音と共に移動するというシステムは普及していないが、いずれはより密集されたものがスタンダードになるらしい。霊魂のプロトニウム再処理場というよりは、霊魂養鶏場だなこれは・・・

 その一室の412号室に用事があって、霊園事務室で借りてきた鍵でその番号のロッカーの扉を開けると、中の照明ランプが開扉に連動してチカチカとしばらく点滅したあとで、青白い光で部屋の中を照らした。以前に供えた枯れない花の花びらが以前にもまして艶かしく彩っていて、その向こうに幾つかの小物類、それから幾枚かの写真。これらの写真だけはこの部屋に不変のアイテムとして変わらず置かれている。供え物の饅頭をポケットから取り出し正面に設置する。線香を饅頭に突き立てて導火線に見立て火をつける。電子レンジのゆで卵爆弾などを連想したりするものだから、口角が上下し複雑さを増す。

近くのテーブルで茶などを飲み、ウイークマンから流れる音楽に心委ねていると、何時ものように時空が歪んでいくのを感じた。ああ、やはり此処は霊的エネルギーが集まり重力を歪ませる場なのだなと想う、どのようなハイテク装置がつかわれているのだろうね・・・?しばらく瞼が重くなって異次元へと心が転送されタイムスリップ・・・時間平面状に亀裂が発生し泡状に事象が生成消滅していく・・・

やばいな・・・
しかし、いつものことだ・・・

・・・・・・・

線香の芳しき匂いも薄くなり尽きてきたころ、やっと現在にもどることができた。
いつものように線香の味をする先ほどの饅頭爆弾を口に含みロッカーの扉をしめる。燻されたソーセジのような饅頭は仄かに桜餅ような風味がして、墓地公園からみえる向こう岸の散った桜並木が、いまそこに手の届くところの場所のような錯覚を感じさせる。
いつものように、タイムトラベルの時差ぼけに酔いつつ虚ろな口調で事務室の管理人に挨拶をし、やはりくるんじゃなかったな・・・そう、いつものように想うのであった。しかし、今回は頬を撫でる五月の街の風を感じるだけのゆとりはあった。


桜もチラチラとしていました

2008-03-31 23:41:35 | Weblog
塀に囲まれた公園の芝生の上で大の字で寝転がって青い空を見上げるには、肌寒い今日この頃。今日は少しばかり昼休みに仕事場を抜けだして野暮用。物入れの蔵で手頃なサイズの赤錆のこびり付いたナタをみつけ、ぶるぶると安定のしない震える手でそれを持ち、人に見つからないように用心しながら裏山の竹やぶへと出向いた。先日の小雨で濡れた腐葉土臭で鼻の奥が痛い。寝不足なので目の周りに不気味な影がつくられ、きっと酷い顔であったことだろう。ごそごそと筍などを採掘していたのだが、この筍というのが赤ん坊の頭ぐらいの大きさで、柔らかさもその程度の新鮮なものであった。この裏山は傾斜面が北側にむいており、日当たりも悪い。昼間というのに妙な感じだ。落ちた笹も湿って黒ずんでいて、色彩的にも暗い。筍を掘り出した部分に穴ができてしまったので、穴埋めに漬物石をごろりと転がし落としておく。近くの稲荷神社でくすねてきた紅の布をかぶせ。とりあえずは、一段落。

今日の晩飯の餃子の材料にしようと、筍を洗っていると、妙な風体の男がやってきた。妙といっても仕事場の新米で、なにかと、すぐに文句や難癖をつけてくる嫌なやつだ。殺虫剤を振りまきながら、ここって薮蚊が多いんっす。なんてことを独り言のようにアチラコチラの宙に視線を泳がせながら、水戸黄門の印籠のように殺虫剤の缶を振り回す。折角洗った筍にもダイレクトに噴霧。この通り魔男め、今度駅のプラットホームで足蹴にしてやるからな。しかし、そうも言えず、
結局のところ、この若造の父親である俺の仕事場の社長のところへ行き、先ほどの洗いかけの筍をさしだして愛想笑いしながら、旬ものですので召し上がってください。などということを口にしていたのであった。

筍がしょっぱいぜ・・・

やはり、それは透明な存在ですね

2008-03-08 01:24:39 | Weblog
「やほーい、ご機嫌麗しく、みんな元気にしていたかな?」

そう、高音多質の歌声で部屋に飛び込んできたテルさんは、年の割にファンシーな春物の衣装で、周囲に薔薇系の何某という、如何にもフランス製であるかのような名称の日本産の香水をふりまきながら、ポンポンと若手のアルバイト諸氏の頭を叩きながらやってきた。

「いやあ、近所の和菓子屋で、くず餅をみつけたんでさぁ、もってきたよ~」

いつもいつも、差し入れありがとうございます。素直に感謝した。部屋に入ってきて俺に話しかけてくるような人間の中で素直な応対の言葉が俺の口から自然にでてくるのは、この人に対してくらいのものだ。

テルさんはミルク色のビニール袋をカサカサといわせながら、周りに人が集まってきたのを見計らって、ジャ~~ンという効果音つきで、どうだといわんばかりに、洒落た箱にはいった和菓子一式を突き出した。

「葛餅にしようか、葛きりにしようか、どうしようかと思ったんだけどね、この左端の葛餅をみているとさ、なんだか、膝を抱えて部屋の隅でないている宇宙人のような気がしてね。可哀想になって、買ってしまったっていうわけなのさ」

たしかに、一口大の大きさに丸められたそれらは、適当な凹み具合をしていて、まるで宇宙人のように見える。さきほど頭を叩かれていたアルバイトくんもやって来て、テルさんとは若干の距離を置きつつ、不思議そうに葛餅を眺めていた。

「僕のところでは、これって、ワラビ餅っていうんですよ、WANNA-BE餅なんちゃってね・・・きな粉がふりかかっているのが、ワラビ餅っていうんでしたっけ?」

意図もなく発言したアルバイトくんの言葉が、テルさんの琴線にひっかかったらしく、アルバイトくんは、カカカカッと笑うテルさんに再び頭をポカポカと叩かれ、いやあ、君は見どころがあるよ、この宇宙人は葛餅でなくってWANNA-BE餅なんだ。などと絶賛されてまくっていた。

ワラビ餅と葛餅の違いなど、これまで意識したこともなかったが、いや過去にもそう言ったことは一般常識としてどこかしらで頭のキャッシュメモリに保存されていたことはあったかもしれないが、ワナビだかクズだかしらないが、食えればそれでいいのじゃないのか?

テルさんが去ったのち、静かになった部屋で、残りのWANNA-BE餅の宇宙人を爪楊枝でつっつき、茶を飲んだ。

八畳ですか・・・

2008-03-06 21:03:07 | Weblog
少し暖かになってきたせいか、いろいろなものが不意に部屋のテーブルの上に現れる。山のような蜜柑の皮の山の頂点に鎮座するそれも、昨日まではなかったもののように記憶している。その不可思議などこかしらから侵入していたそれは、なにかの本の付録についていた景品であったのかもしれない。いわゆるコンパクトというのだろうか、プラスチックで作られた手鏡であり、安い鏡を使用しているせいで、光の反射が分岐するため、寝不足でもない瞼をこすらずとも、二重まぶたにみえるという代物だ。なぜ、そのようなコンパクトが、食べ残しの蜜柑の山の上にのっかかっているのかということを説明しようにも、そういった記憶が皆無だ。
とりあえず、コンパクトは魔法の世界からやってきたものだと、暫定的に結論をだして、そのうちに、口達者な小人が現れて芥川竜之介のように、ちびりちびりと虫バキンがもつような武具でもって、そこら中を刺してまわるのだろう。そういえば、カーペットの掃除をしないとな・・・
そんな春乱の啓蟄ではあったのだけれども、そのコンパクトが思わぬところで重要な鍵になるなんてことは、想像だにしなかったわけで・・・

すこしぬくくなってきましたが

2008-03-06 00:20:35 | Weblog
どうにも、頭の中の回線がすべて繋がってしまったような具合でした。すべて繋がったと言えば良いように聞こえますが、まったくもって逆の効果でして、いらない配線までが繋がってしまったものだから、まるで頭の中が、高温に熱して液状になった半田を、耳の穴から漏斗で流し込んだような感じになっていました。まるまる一ヶ月を原因不明の高熱に襲われて、これでは、びたみんがエビフライにされているみたいではないかと、わずかに残った元の配線思考回路の中で、この原因を作った仮想敵に対して反論していました。くっそう・・・

そんな訳で日記を書くことすらできずにグロッキー状態で、担架のようなハンモックに寝そべって、ひーふー とうなされた状態であったので日記を書くことを中断していました。そんな日記ではあったのですけれど、カウンタを見てみると、なんとまあ、幾人かの人が毎日のようにアクセスしてくださっている。自動巡回のなんかなのだそろうか?よくは分かりませんが、毎日、有難うございます。そしてご苦労さまです。
そう、思わずにはいられないと思われました。

さてさて、
この機会なので、以前より言っていました新しいことで遊ぼうということですが、何がいいんでしょうかね・・・

でも、以前の課題がのこっていたりして、
たとえば、
地球に彗星をぶつけるとか、
関東大地震を起こして、京都を首都にするとか、
なんかありそうで、絶対不可能な感じですけれども
そいえば、
彗星に人工衛星をぶつけたりするっていうのもあったけれど、
なんだかなああ・・・

というわけで、
そう、そんな感じの、もうすこし、易しいのからで・・・
どうぞよろしく・・・