「世界の王」の体が3度カリフォルニア州サンディエゴの宙を舞った。
あまりの感動に、本当に適当な言葉が見つからない。
「素晴らしい」とか、「よくやった」とか、そんな月並みな言葉など全く似合わないし、言いたくもない。
ただ一言、
「ありがとう」
とだけは是非とも言わせてほしい。
ゲーム内容はといえば、長かった。
キューバだけで8人の投手が登場し、1回表だけで3人もつぎ込んできたのだ。それだけキューバも必死で優勝を取りにきた証拠だろう。
いろいろなプレーも出た。
素晴らしいビッグプレー、「どうしたの?」というような凡プレー、首をひねるような采配、まあ、色々あったが、優勝に免じてもう語るのはやめよう。後日落ち着いてから総評でゆっくりと振り返ってみたいと思う。
とにかく、栄えあるWBCの第1回大会で「優勝国・日本」という名が刻まれたということに価値がある。サッカーのワールドカップの第1回優勝国ウルグアイの名が残っているように、この「日本」の名前は永遠にWBCの歴史に残っていくのだ。
極端な話し、この先優勝は1度も出来なくても、もっと言えば、途中で優勝などするよりもよっぽど強烈に「日本」の名が残っていくのだ。
すでに昨日、野球の聖地、クーパーズタウンの野球殿堂に王監督のスパイクが寄贈されることが決まっている。他にも、イチローのヘルメット、松中のキャップ、上原のグランドジャケット、松坂のユニホームも飾られる。
こうやって、一生消えることのない、“名誉”が、“栄誉”が、確実に後へ伝えられていくのだ。
球場に広げられた、あの“日の丸”を、私は一生忘れない。