(新版)お魚と山と琵琶湖オオナマズの日々

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破防法に対しては1989年2月18日の衆院予算委で不破哲三氏(当時副議長)が公安調査庁を追及している。

2016年03月23日 21時32分42秒 | 政治的なこといろいろ
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赤旗政治記者 @akahataseiji 1時間前
破防法に対しては1989年2月18日の衆院予算委で不破哲三氏(当時副議長)が公安調査庁を追及している。暴力破壊活動をやる恐れのある団体として日本共産党への破防法適用申請を一回もしていない。会議録(質問後半で破防法のやりとり)↓(津)
★○味村政府委員 先ほど申し上げましたように、天皇は戦いを宣し、宣戦の行為が――宣戦の人権をお持ちになっていたわけでございますが、その宣戦というのは二つございまして、一つは敵国に対し戦争を開始する行為であり、一つは国民に対し開戦を布告する行為である、こういうふうに解されておりました。したがいまして、実際問題は、私は存じませんが、この憲法の条項によりまして、戦争の開始につきましては国務大臣の輔弼によって行われたものである、このように考えております。
○不破委員 それから、もう少し僕は、そういう責任ある答弁を国会でやるんだったら、多少は歴史を調べてからやってもらいたいと思いますね。大体、一応開戦を決定したことになっている御前会議でも、国務大臣は全部は参加していないのですから。全国務大臣が輔弼したなんというのは、戦前の日本の体制を知らない人が言うことですよ。それから、軍の作戦計画、実際の敵国に対する攻撃、これの決定に対して大臣が参画するなんということは絶対あり得ないわけですから。統帥というのは、内閣が口を差し挟むことじゃないというのが戦前の体制で、これがすべて天皇に属しているというのが戦前の絶対主義体制だったわけですから。私は、そのことを明確にしておきたいと思います。
 それからもう一つ、竹下さん、あなたは戦争の性格について聞かれたときに、後世の歴史家が判定することだと答えました。私は、はしなくも十五年ぐらい前になりますか、田中首相に聞いたときに同じ答弁をここで聞きました。やはり何とかは争えないものだなと思いましたが、久しぶりに聞きました。
 それならあなたに伺いますが、あなたは、日本が当時軍事同盟を結んでいたヒトラーのドイツがヨーロッパでやった戦争については侵略戦争だと考えますか、どうですか。
○竹下内閣総理大臣 私は不破さんよりちょっと上でございますが、終戦後、実は極東裁判を全部――全部ではございません、かなりの時間傍聴させていただいておりました。したがって、その間の事情を整理整とんしておるわけでもございませんので、きょうあえて先ほどの質問に対して答えなかったわけでございますが、侵略戦争ということに対する学説というのは、それは大変実際多岐にわたっております。
 今どれを侵略戦争の基準に置くべきかという学問的立場から申しますと、国連における議論というのも、私も必ずしもこれで決定済みだというふうには思われません。したがって、大変悲しい行為であったことは事実でございますが、侵略戦争というものそのものは、やはり私は限定の仕方というものは大変難しい問題だというふうに整理をいたしております。
○不破委員 そうすると、あなたの整理の仕方だと、ヨーロッパでヒトラー・ドイツがやった戦争についても、侵略戦争であるかどうかは言えないということですか。
○竹下内閣総理大臣 どの行為をもって侵略行為――侵略行為とかいうものは私はあり得ると思っておりますが、その一つの戦争全体を、これを侵略戦争だということを学問的に定義するのは非常に難しいというふうに、私の勉強ではそのように思っております。
○不破委員 これは学問の問題じゃないのですよ。日本は国際政治に貢献すると言っている。しかし、国際政治に貢献する場合、やはり国際政治の上で何が正義で何が不正義かということは絶えず判定しなければいかぬわけですね。現にあなた方は、いろいろな事件が起きれば、これは武力による他国の領土の侵略だとか、あるいは他国の領土に対する威圧として肯定できないとか、あるいはこの行為は自衛だから認められるとか、そういう判定をやらざるを得ないでしょう。
 ところが、肝心の日本がやった戦争について、しかもあれだけの軍隊を海外、中国に派遣して他国の領土を占領し、他国の人民を、もう二千万被害者あるわけですからね。それから東南アジアを荒らし、各国を一方的に攻撃し、そういう現実の行為がありながら、それについて、自分のやったことに関しては、自分の国がやったことに関しては、侵略であるとか侵略でないとか、あるいは正義のものであるとか不正義のものであるとか、そういう判定がつかぬという立場があなたの立場であるならば、一体今の国際政治の中で何をもってあなた方は、平和の問題や民族独立の問題やそういう問題に対処しようというのでしょうか。これは学問の問題じゃないのですよ。しかも、そういうことで侵略戦争をやった国として国際的な批判を受け、そして国民自身もそれに対してその反省を憲法に明記した国の首相として、あなたは過去の戦争についての態度を問われているので、これは学問の問題ではないのですよ。
○竹下内閣総理大臣 この侵略的行為でございますとかそうした問題について、国連安保理においてもいろいろ議論されておる問題を私も整理いたしてみました。したがって、過去の戦争に対して、これは偶発的であったとか、これは自衛行為であったとかいろいろ議論があることは、私もよく承知をいたしておるところでございます。しかし、これを総括して侵略戦争だ、こういうことはやはり私は、これは後世の史家そのものが評価すべき問題であろうというふうに思っております。
○不破委員 第二次世界大戦について、日本がやったこともヒトラー・ドイツがやったことについても侵略戦争として言えない政治家が、日本という国の政治の頂点に座っているということは、やはり今日世界にとって一つの脅威だと思いますね、私は。それで、このことは何遍も議論があって、中曽根首相のときでさえ、彼は侵略戦争だということを結局は認めましたが、しかし、再びそれが十五年前の後世の歴史家の判定に戻って、さらにヨーロッパの戦争についてまで、もう世界の世論の中で明確に結論が、当のドイツにおいてまで出されている戦争にまで拡大されたということは、問題は非常に重大なんだということを私は指摘をしたいと思います。これは議論は切りがありませんから、これにとどめますが、その次に伺います。
 もう一つは代がわりの儀式の問題ですが、あなたは本会議の答弁の中で、憲法の趣旨に沿い皇室、つまり天皇家の伝統を尊重していろいろやっているんだと言われました。
 それなら伺いますが、まず最初にやった朝見の儀というのがありましたね。あなたが参加して誓いを述べた礼式ですが、あの朝見の儀というのはどれぐらいの歴史を持った伝統だと思っていますか。
○宮尾政府委員 剣璽等承継の儀がどのくらい伝統を持っているかということでございますが……(不破委員「朝見の儀だ」と呼ぶ)朝見の儀でございますか、即位後朝見の儀でございますね、即位後朝見の儀は、これはこういう形で行われましたのは明治以降でございます。
○不破委員 明治にはやられていないのですよ、これは。明治四十二年、一九〇九年の登極令で初めて決められて、大正天皇の即位のときから始まったのですよ。だから、伝統と言っても、まだ二回しかないのですね。
 では、今度あなた方がおやりになる神道による葬場殿の儀というのは、どれぐらいの歴史を持っていますか。
○宮尾政府委員 葬場殿の儀は、これは皇室喪儀令が定められまして以降この形で行われておりますが、大体その形ができましたのは、明治三十年の英照皇太后の御葬儀以降というふうに承知をいたしております。
○不破委員 これはほぼ正確だと思うのですが、今のお話しのように、どちらもそんな長い伝統ある問題じゃないのですよね。
 それで、例えば天皇家の葬式について言えば、孝明天皇までは中世、近世全期間にわたって仏式でやっていましたからね。神道でやるようになったのは明治天皇のお葬式以来ですよ。だから、これは何を意味するかというと、明治に絶対主義的天皇制、先ほど法制局長官が明治憲法を読み上げましたけれども、天皇が、いわゆる皇宗、皇祖ですね、アマテラスから国を引き継いだ、それに基づいて神の子として統治権を引き継いだという建前の明治憲法体制がつくられてから初めてできた儀式が、朝見の儀とかそれから葬場殿の儀とかこういう諸儀式なんですよ。だから、はっきり言えばこの制度というのは、一方からいえば国民主権とは無関係で、アマテラスから統治権を受け継いだというものになるわけです。統治権を神から受け継いだという前提、それからまた天皇が神と一体化した現人神であるという前提、この二つの前提に基づいて始まったのが、この朝見の儀とかそれから葬場殿の儀とかいうものなんですね。だから、あなたが簡単に戦後の憲法の趣旨に沿い、そういう中で伝統と言っても、つまり明治体制の中でつくられた諸制度ですから、それに沿ってというふうに簡単に言えない性質のものがここにはあるわけですよ。
 実際に今度の大喪の礼にしても、神道に基づいて皇室喪儀令で行われていた葬場殿の儀というのは、あなた方が大喪の礼と言っている部分を含めて全部が皇室喪儀令には葬場殿の儀として入っているわけですね。その一こまが今度大喪の礼と呼んでいるだけの話で。だから私たちは、ここには戦後の憲法の主権在君から主権在民への転換、それから国家神道の支配から政教分離への転換、この憲法の大原則を政府自身が理解していない重大な問題が含まれているということを指摘しているわけで、この点を、きょうは余り時間がありませんから、もうちょっと用意してもらわないと突っ込んだ議論ができませんから、さらに機会を見てやりたいと思いますが、この点をしっかり銘記して、本当に憲法に定められた主権在民と政教分離というものにもとらない対処を政府はする責任と義務があるんだということを私は強調しておきたいと思います。
 それから次に進みますが、次は、やはり憲法と民主主義にかかわる問題ですが、一昨年明らかになった神奈川県警による盗聴事件の問題ですね。それに続いて昨年、公安調査庁が我が党の本部の前に隠しカメラを設けて、五年間にわたって我が党の本部への出入りを盗み撮りしていたという事件が明らかになりました。私たちは、こういうことはまさにどちらの事件も結社の自由に対する重大な侵害だというように考えておりますが、盗み撮りを五年間政府側が我が党に対してやっていたというのは、一体何を調査していたのか、これをまず最初に伺いたいと思います。
○石山政府委員 公安調査庁は、破壊活動防止法に基づきまして、暴力主義的破壊活動を行う団体に関する調査を行う、必要となればこれを規制、請求する権限を持っているわけでございます。それに基づいて調査あるいは規制のための活動をい
 たしております。
○不破委員 カメラで何を調べようとしていたの
 ですか、それを聞いているのです。
○石山政府委員 暴力主義的な破壊活動によって我が国の民主主義的秩序を危うくする行為がある
 かどうかを調べております。
○不破委員 一体、共産党の本部の前にカメラを置いて何がわかるのでしょうね。それはそれとして、そういうことで天下の公党を、つまりあのカメラ一台でも五年間にわたって監視下に置いている。重大な結社の自由に対する侵害ですよ。
 それから、もう一つ伺いますが、公安調査庁は、いわゆるスパイ、あなた方で言えば協力者ですね、協力者をたくさん擁して日本共産党に対する調査活動をやっているそうですが、この協力者というのはたしか二十年ほど前ですか、ここで問題になったときに、大体五、六千人いるという答弁が国会議事録に載っていますが、大体あなた方はどれぐらいお持ちなんですか。
○石山政府委員 過去にそのような調査活動に協力していただいておる方の数字を発表したということもあったようでございますが、現時点におきましては、我が庁といたしましては、特に調査の対象となっている方々の方に、今あなたは何人で調べられているということは申さないという建前でやっておりますので、お許しをいただきたいと思います。
○不破委員 破防法第三十四条に、あなた、何て書いてありますか、長官。破防法の第三十四条に何と書いてありますか。
○石山政府委員 正確を期するために条文で申し上げます。
 「公安調査官は、職務を行うに当って、関係人から求められたときは、その身分を示す証票を呈示しなければならない。」以上であります。
○不破委員 今あなたは隠すと言いましたけれども、条文では、対象者から身分を聞かれたらちゃんと言わなければいけないと書いてあるじゃありませんか。どういうことになるのですか、これは。
○石山政府委員 三十四条に基づきまして私どもが調査をいたします場合に、先方から調査の必要上いろいろと私どもがお願いしていることに対し、身分を明らかにせよという御要求がありました場合は、身分提示するように内部規則でもはっきりしたためております。
○不破委員 例えば、あなた方の協力者なる者が調査の対象の、私でもいいですよ、ところへ来ていろいろ聞き出そうとする、それに対して、君は何者なんだというときにこの三十四条は適用されないのですか。
○石山政府委員 私どもが調査の対象にいたしております過程で、そういうような御要望がありましたときは、できるだけこれに協力申し上げて、身分を明らかにするということは当然にやっておることでございます。
○不破委員 あなたが数を言わない協力者及びそれに対する工作者は、大体この三十四条を守らないのが特徴なんですよ。
 例えば、去年の盗み取り事件のとき、何人かの人が、我々がこれを告発しましたから顔も明らかになりました。例えば、赤旗にこういうように逃げていく人の写真を発表しました。そうしたら、この男が私のところへいろいろ聞き出しに来ているというのがあちこちから来ますよ。それで見てみると、全く公安調査官じゃない、例えばこの人物について言えば、ホウコウ時事企画なんというわけのわからぬ会社の、名前も偽名でしょう、電話番号をかけても電話は出ませんから、全く架空の名刺を持っていろいろ調査に歩く。それに対してあなたは何者かと言うと、自分は調査対象者の親戚の戦友だとかそういう虚偽事実を述べて、最後まで身分を隠す。それで、この写真が出て初めてわかる。
 私はこういうことは、あなた方にとっては日常茶飯事かもしれないけれども、破防法国会であれだけ国民の権利の侵害をしてはいかぬということが議論されて、この三十四条なんというのは相当議論されて定められたものでしょう。しかしあなた方の日常の活動では、そんなものはもう天下御免で踏みにじっているというのが実態でしょう。あなた方こそ破壊活動を一生懸命やっているのじゃないですか。
○石山政府委員 私どもは、いろいろと調査をするに当たりまして協力者を獲得をし、それを手続的に深めていくという過程においては、いきなり最初から公安調査官であるということを名のっていった場合に、対立する側の方々が、ああそうですがといってすぐ物を聞いていただけるものではございません。そこに私どもとしての調査の苦労があるわけでございます。
 それともう一つ、例えば今例にお引きになりました昨年の事件の際にも、共産党の方々が私どものいわゆる監視アジトにおいでになりまして、あなたはだれですかということをお聞きになって、その際身分の証票等を見せなかったという点で御非難がございましたけれども、あれは正式の調査でも何でもございません。いわば摘発活動ととらえて、その場の対応といたしまして名のらないというわけでありまして、面が多少違うのではないかというふうに考えております。
○不破委員 それは別の問題で、それはそれ、これはこれでいろいろ議論をしたいのですけれども、しかしあなた方は、ちゃんと公安調査官の調査活動について破防法で明記されているのに、その条項に違反して、大体圧倒的部分が違反ですよ。しかも、初めのうちは身分を隠してと言うけれども、身分を隠して接近して、例えばいろいろ接待をしたり、今度はリクルート絡みですが、接待したりごちそうしたり金を貸したりして、そうしてもうかなりの関係になったら、自分の身分を名のって、こういう関係がある以上あなたが言うことを聞かなかったら党にばらすぞと言って、おどかして協力者にする。こういう手口は、本当に日本の機関の中でも極めて陰湿な部分だと思うのですけれども、平気でやられているわけですね。それを公安調査庁の長官が当たり前のこととして認めているということを、私はまず第一に確認したいと思うのです。
 それから、こういう調査を政党の中でやっているのは恐らく日本共産党だけでしょうが、日本共産党を長期にわたってそういう人の出入りまで監視をする。それからまた、日本共産党の活動が及んでいると称するところには無数の調査官を派遣して内部情報とりをやる。これは易しく言えばスパイですよ、内部情報とりというのは。一時は、七〇年代の初めに裁判官の会合にまでそういうことをやって、最高裁判所から抗議文まで出されたことがある。そういう活動を公安調査庁は一貫してやっているわけですが、その調査をやる権限、破防法の何条に基づいてやっているのですか、日本共産党に対して。
○石山政府委員 破壊活動防止法の第五条、第七条等に基づきまして、団体活動の制限あるいは規制を行うべき要因があるかどうかについて調査を行っておるわけでございます。(不破委員「調査の権限はどこですか」と呼ぶ)調査の権限自体は、この法律の目的それから第三条に基づく規制の基準、こういったものを権限といたしてやっております。
○不破委員 もうちょっと破防法を勉強してくれないと困るのです。公安調査官の調査権は、第二十七条に明記されているじゃありませんか。「公安調査官は、この法律による規制に関し、第三条に規定する基準の範囲内において、必要な調査をすることができる。」これが根拠なんでしょう。あなたはうなずいたけれども、そうですね。
 では、この第二十七条をあなた方は日本共産党に発動しているのだが、その日本共産党に対して調査権を行使しようということはだれが決めるのですか。
○石山政府委員 ただいまの御質問の場合に、根拠の方を最初申し上げておるので、精神規定を申し上げているのではない。原則でどこに書いてあるかということでしたら二十七条、お説のとおりでございます。
 それから規制につきましては……(不破委員「規制じゃない、調査をだれに対してやるか」と呼ぶ)これは私どもの内部的な、長官の内部指示によりましてどういう団体をどういうふうにしていくかを事実上決めております。しかしながら私どもの場合には、これは公安調査庁としての使命にかんがみまして、一々私の指示があるからということで調査の権限が生ずるというものではなく、一般的に調査権限を持っておりますが、これを効率的、能率的に行うためにこのような内部指示をしておるということと御理解いただきたいと思います。
○不破委員 この問題で今まで国会でやりとりしている間に、調査対象団体として日本共産党を規定したということが何遍か公安調査庁の責任者から言われておりますが、そういう概念はあるのですか。
○石山政府委員 調査対象団体といいますというと、言葉の言い方にもよりますけれども、私ども調査対象団体というような言い方でお答えをしたときもありますし、事前調査的な意味の対象団体というふうにお答えした時点もございます。
 いずれにしましても、正式の規制と申しますものは、私の請求によりまして部外の第三者機関でありまする公安審査委員会が規制するかどうかを決定されるわけでございまして、私はそれに対する資料、それから規制の理由、必要とする事由等につきまして調査し、これを報告するということだけでございます。
○不破委員 その調査対象団体というのは、これは国会で何遍も公安調査庁が言っていることですから、そう長官がかわるごとに概念や法律の根拠が変わられても、こちらも、対象団体にされている側からいえば大変迷惑な話なんですが、これは非常に重大だと思うのですね。
 例えば今度、破防法国会、制定当時の国会議事録を全部読んでみましたが、団体規制について、一体この破防法で団体活動を規制することが憲法上許されるかどうかということについて、もうさんざん議論があります。そのときに政府側は、こういう規制は特別な場合には許されるのだ、その公正を確保する理由として、今長官が言った公正な第三者機関、であるかどうかは実体論は問題がありますが、である公安審査委員会が決めることであって、それで政府が直接やるものじゃないということ。それからまた、その団体規制をやるときには、公安調査庁が請求するときには、その当該団体は一応弁明をすることができる、あるいは公安審査委員会がその公安調査庁の請求を議論するときには、当該団体は意見書を出すことができる、それから、決定がされたときにも、この決定に対して不服の場合には裁判所に提訴することができる、つまり、いわば反論権を三重にわたって保障しているじゃないか。決定するのは調査庁ではなくて公安審査委員会だし、それから公安審査委員会がやるときにも、団体規制ということに関しては反論権をこうやって三重にわたって保障しているじゃないかということで、政府はさんざんこれは憲法の自由に反しないんだ、結社の自由を侵さないんだという弁明をしていました。これは議事録に紛れもなくあるわけですね。
 ところが、今やられているのはその団体規制じゃなくて、はしなくも長官が言った団体規制を公安調査庁が公安審査委員会に請求するかどうかの事前調査だ、こういう話ですね。この事前調査なるものが恐るべきもので、三十六年間事前調査がずっと続いている。それで、その事前詞介の名のもとに、あの木村篤太郎当時の国務大臣は、責任大臣だったのですが、政党のコントロールを絶対しないと言いながら、特定の政党を監視下に置いている。それで、公安調査庁が内部的に任意にこれがそれに該当すると判定さえしたら、これは何の反論権もないのですよ。判定さえしたら、それに対して協力者なるものを送り込むことも自由。この国会では、協力者を養成して送り込むことはいたしませんと明確な答弁がありますが、ちゃんとあなた方が養成してから党に送り込んできた例は無数にありますよ。それから、非常に陰湿な、それこそ全部書いたら吐き気を催すようなやり方まで使って、それで党内に協力者をつくり上げる、そういう活動を無数にやる。これは内部行為じゃないですよ。まさに団体活動に対する不当な侵害ですよ。それが一方的に三十六年間やられているというところに、私は大きな問題の一つがあると思うのです。
 それで伺いますが、一体事前調査で三十六年間やって、あなた方は何か結論を出して、公安審査委員会に日本共産党について審議を求めたことはあるのですか。
○石山政府委員 三十六年間というお話で、大変長い期間で、私ども随分長い間先輩の仕事を引き継ぎ、共産党の皆様方とおつき合いをいただいているわけでございますけれども、結論的に申しますれば、なぜ破壊活動防止法ができたかという原点を考えていただきたい。そして、破防法の条々は、過去に破壊活動を行った者が将来においてたおかつそのような行動に出るおそれがあると認められるときに対し適用されるべき法律だということになっております。
 そこで、私どもといたしましては、そのおそれがある、そういう団体につきましては、何も共産党に限ったわけではござおません、各種の団体につき引き続き調査を進めておる次第でございます。
○不破委員 あなた方が日本共産党について何を問題にしているかについては、後でゆっくり議論しましょう。
 私が聞いているのは、そうやってあなた方は事前調査といって三十六年間結社の自由を侵して弐たんだが、その結果、何らかの結論を出して公安審査委員会に請求したり問題提起したことがありますかということを聞いているのですよ。聞いかことにちゃんと答えてください。
○石山政府委員 現実に規制の請求をいたしたとはございません。
○不破委員 公安審査委員会というのは、公安調査庁から規制の請求がない限り、正式の議題はない委員会なんでしょう。ちょっと来て答弁してください。
○石山政府委員 そのとおりでございます。
○不破委員 つまり、あなた方は共産党を破防法の容疑があるとかいろいろ言うけれども、しかし破防法によってそういう問題について判定する第三者的な公正な機関として設定された公安審査委員会は、この三十六年間日本共産党について一度も議論していないということですね、そのことは正式な議題として。今やられているのは、そのための事前調査を公安調査庁という一行政機関が内部判断として勝手に判断して、それに基づいて事実上の結社の自由の侵害が行われている、こういう事実なんですよ。私は、これは破防法がわざわざ第二条などでこの法律が憲法に定められた結社の自由をいささかでも侵害してはいかぬということを繰り返し強調している趣旨に照らしてさえ、極めて不当なことがやられているということを強調したいのです。
 それで、その公安調査庁ですが、今年度の、つまり新しい予算でもいいし昨年度の予算でもいいのですが、年間大体どれぐらいの予算をお使いで伸すか。
○石山政府委員 本年度の査定を受けました予算額は、約百三十六億円でございます。
○不破委員 そうしますと、ここに私九年分を書いてきたのですが、それに百三十六億円つけますと千二百数十億円ぐらいですね、十年間にお使いのようで。十年間千二百数十億円もの予算を使って事前調査をずっとやっている。三十六年間やってきているわけですね。私は、犯罪の事前調査というのはあるわけだけれども、三十六年間事前調査をやって何の結論も得られないというのであるならば、これはよほどその調査部隊が無能であるのか、それとも結論を出すつもりがなくて、破防法による容疑というのを建前にして、真剣に容疑を持っていると思うのなら調べて公安審査委員会に出したらいいでしょう。それをしないで、いつまでもそれを看板にして、日本共産党を破防法国会でも予定しなかったような長期にわたる監視、侵害体制に置くか、そのいずれかとしか思いようがないじゃありませんか。あなたは一体この事前調査の結論をいつ出すおつもりなんですか。
○石山政府委員 破壊活動防止法は、その制定の際に、先ほど委員仰せのように、いろいろな言論、集会、結社、出版等の自由にも抵触するおそれもある重大な規制を伴う行為を内蔵しておりますので、十二分にいわゆる国民の同意が得られるように、その手段方法等についても必要最小限であること、あるいは人権を侵害しないこととか、いろいろな制約が法律上明文をもって定められておるわけでございます。したがいまして、調査の方法につきましても、私どもの調査官は強制捜査権は持っておりません。全くの任意でございます。それから、先ほど委員仰せのように、スパイを養成して中へ送り込むというような非常手段は、私どもは現在とっておりません。あくまで相手方の理解を得て協力をしていただける方には協力をしていただくという、それだけの意味でございます。
 したがいまして、私ども、これまでの過程におきまして、当面何もしていないじゃないかという御批判はあるかもしれませんが、私どもは常にいろいろな面からいろいろなそのおそれのある団体については調査をしております。例えば、過去の例でございますが、共産党自身のお言葉ではございましたけれども、過激派に対する破壊活動的な調査はもっとしっかりやれというふうなお言葉までちょうだいしているわけでございまして、別に何も今日しないというわけではございませんが、いろいろな条件を達成するまで調査ができたときにはやめねばならない。しかしながら、本法の性格から見て、こういうものは日常の刑事事件のようにすぐ検挙、すぐ処分という形にはまいらないものでありまして、いわば国家の危機管理の際に発動されるのが我が法であるというふうに考えております。
○不破委員 今過激派なるものについて私は問題にしているのじゃないので、我が党に対する不当な侵害について問題にしているわけで、はっきりしたことは、一つは、我が党に対して破防法にかかわると言っておるのは公安調査庁の内部的な判断にすぎないので、破防法が設定した公安審査委員会の判断では全くないということですね。これは極めて明確になったのです。
 それで、次に進みますが、一体、公安調査庁が我が党に対してそれを調査団体とする根拠を今度は伺いたいと思うのです。
 破防法には、明確に二つの要件が要るとしています。一つは、過去の問題です。「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体」。もう一つは、将来の問題です。そして「当該団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があるとき」と、つまりこの二つの条件がセットになって破防法の対象になるというのがあなた方の論理ですね、法律の。
 まず、最初の方から伺いましょう。我が党を過去に破壊活動を行った団体と認定する根拠はどこにあるのですか。
○石山政府委員 平たい言い方で申し上げますが、破防法が制定されました当時はそのような社会的事情があり、それに共産党が大きくかかわっていたというふうに考え、過去に破壊活動的な暴力活動があったという認定をしているわけでございます。
○不破委員 破防法制定当時といいますと、我が党が分裂していた時期でした。破防法が成立したのは一九五二年で、それで我が党は、一九五〇年から一九五五年まで分裂期でした。分裂した側の一方が、我が党はそのとき極左冒険主義と言って非難していますが、今日の我々にとっても肯定し得ない活動や方針をとったことは確かにあります。しかし、それは分裂した時期の分裂した一方の側の行動、路線であって、党が統一して後に明確に批判され、きっぱり廃棄された問題です。だからそれを今日の、今日といいますか、分裂を克服した後の日本共産党の根拠として扱うのは極めて不当だと思います。
 さらに、それに加えて聞きたいのは、そのことを理由にして日本共産党が破壊活動を行った団体だという認定は、公安調査庁が行ったものですか、それとも公安審査委員会が行ったものですか。
○石山政府委員 御存じのとおり共産党におきましては、昭和二十六年に四全協、五全協という当時の党大会にかわるべき執行部機関による会合が行われて、有名な軍事方針が決定され、それが五全協、六全協へと引き継がれてまいりましたが、六全協でいわゆる極左冒険主義の反省が行われたわけであります。その際に、当時の決定によりますれば、五全協の軍事方針の決定については、一応、極左冒険主義はいかぬけれども、全体としては、これは当時の主流派、反主流派によって十分意見の統一によって行われたものだ、簡単に申し上げますれば、そのような趣旨が行われておりますので、単純な分派活動による一部のはね上がりだけがやったというふうな認定を実は私どもはしておらないわけでございます。
○不破委員 もう少し公安調査庁の長官なら、共産党の文献もそれを専ら研究しているんですから調べてほしいのですが、六全協のどこを調べても、過去の軍事方針については統一したものだからといって肯定したなんという文書はどこにもないですよ。そして、四全協、五全協というのはまさに分裂時代だというのは、中央委員会から排除された現在の宮本議長とか、排除された人々がだれも参加しないでやられた会議ですから、我々は分裂した一方の側の会議だと言っているわけで、それで六全協では、あなたが言うような軍事方針などの言及は全くなしに、それを含めた極左冒険主義をきっぱり廃棄したのが特徴なんです。その点ぐらいは明確に勉強して過去のことについても対処してほしい。
 じゃ、将来のことを聞きましょう。将来、我が党がそういう危険があるとあなた方が考える根拠はどこにあるのですか。
○石山政府委員 昭和三十六年の発表されました党の綱領の中に、いわゆる将来に向けて共産党の指針ともいうべき政治方針が示されておりますが、それと並びまして、その当時いろいろ発表されました党の文献等の中にいわゆる敵の出方論ということがございます。その敵の出方論ということが、いわゆる民主社会主義に基づいてあくまで議会主義を貫いて平和的な革命を行われるという政治志向を持っておられるのか、あるいは時と場所により敵の出方、つまり権力側の出方によっては非平和的な手段にも訴えることがあるのか、この辺が十分に解明できておりませんし、二十年、三十年の問題ではなくて、遠い将来共産党が政権近しと思われる時分になりましたらばどういう方向に出られるかがなお疑念でございますので、調査を継続しているわけでございます。
○不破委員 これは全くこっけいな話でして、敵の出方論というのは、別にあなた方が陰へ行って探さないでも、堂々と我が党の大会の決定に明記されていますよ。
 というのは、我が党が綱領にも書いてあるように、政権につくときは選挙で多数を得て政権につく、大方針です、これは。現在では福岡と埼玉で我々は与党ですけれども、選挙によって与党になったのです。東京でもかつて与党でしたが、選挙に勝って与党になったのです。それと同じように、国の政治でも国会の多数を得て政権につくというのは我が党の綱領に明記した方針です。それに対して、政権についたときにその共産党の入った政権なるがゆえに従わないという勢力が出た場合、そういう勢力がさまざまな暴挙に出た場合、それに対して黙っているわけにはいかない、そういうのは力をもってでも取り締まるのが当たり前だ、これは憲法に基づく政府の当然の権利でしょう。そういうことについて我々は綱領に明記しているわけです。そういうことについて心配だという人がいるならば、私は一つの話を紹介したいと思うのです。
 というのは、共産党がこの綱領をつくった前後ですが、防衛庁に防衛研修所という研修所がありますね。そこの教官がある雑誌に、共産党が政権についたときに自衛隊は国家公務員としてその政権に従う義務があるかないかという問題を、大変興味ある問題ですが取り上げて、やはり国家公務員だから従うべきだという論文を発表したんです。そのときにそれが右翼の攻撃の的になり、自衛隊内部でもさんざん議論の的になり、その右翼が抗議をしてきたのに対して、当時の防衛庁長官は志賀さんでしたが、あなた方の抗議はもっともだ、そういうようなことを言う教官は粛清しましょうということで、教官は左遷されました。それで、同じ雑誌に、当時の防衛研修所の所長が論文を書いて、共産党が入るような政権ができたら自衛隊は従う義務なし、こういうのを書いたんですよ、研修所長の名前で。
 それで、これから先は私自身の経験ですが、私はそのことを一九六九年の二月でしたか、毎日新聞社が主催した各党の安全保障の討論会というのがありました。その安全保障の討論会で、自民党の番のときに、私は宮本議長と一緒に共産党、野党として出たわけですが、その話を出して、一体あなた方は共産党が入る政権ができたら、この論争について、自衛隊は従う義務があると考えるかと、議会制民主主義に立つ政党ならそういうことは従うのが当然のルールだろうという質問をしました。実は、おもしろいことには、その席には防衛庁長官の経験者である船田中さん、江崎さん、西村さん、それからその後で防衛庁長官になった増原さん、四人の防衛庁関係者がおられましたよ。だれ一人として肯定的返事はしませんでした。共産党の入る政権が議会制民主主義のルールについてできても、それについて国家公務員として自衛隊が従う義務があるかどうかという質問に対して、義務があると明確に答えた人は一人もいませんでした。全部が答え返しました。
 そういう事実があるから我々は、我々が堂々と議会制民主主義の常道にのっとった選挙で多数を得て政権をとっても、一部にはその政権に従わないというような不行き届きな者があり得ることをやはり警戒する必要がある。そういう点はちゃんとしっかり警戒をして、それに対して民主主義のルールに従った対処をしようというのが敵の出方論です。
 一体あなた方は、その敵の出方論に基づいて我が党が何かあなた方が懸念する破壊活動なるものを行った例を、あなたが今引用した一九六一年の綱領決定以後にあれだけの調査をやって何か発見したことがありますか。
○石山政府委員 委員仰せのように、昭和三十六年のいわゆる綱領発表以降、共産党は議会制民主主義のもとで党勢の拡大を図るという方向で着々と党勢拡大を遂げられつつあることはお示しのとおりでございます。
 ただ問題は、それは政治的な最終目標であるのかあるいは戦略または戦術の手段であるのかということの問題でございます。私どもはそれらに対しまして、今冷静な立場でもって敵の出方論何かにつきましても調査研究を進めておる段階でございまして、今のところその結果として直ちに公党である共産党に対し規制請求すべき段階に立ち入っているとは思わないから請求もしていないということであります。
 なお、敵の出方論について今御教示を賜りましたが、一つだけ私からも申し上げておきたいことがございます。
 御存じのとおり、政権確立した後に不穏分子が反乱的な行動に出て、これを鎮圧するというのは、たとえどなたの政権であろうとも当然に行われるべき治安維持活動でございます。ところが蹄の出方論という中には、党の文献等を拝見しておりますると、簡単に申しますと、三つの出方がございます。一つは、民主主義の政権ができる前にこれを抑えようという形で、不穏分子をたたきつけてやろうという問題であります。それから第一には、民主主義政権は一応確立された後に、その不満分子が反乱を起こす場合。三番目は、委員御指摘のような事態であります。
 ですから、それらにつきまして一部をおっしゃっておりますけれども、その全部について敵の出方論があり得るということを私は申し上げておるわけでございます。
○大野委員長 時間が参りましたので……。
○不破委員 一言だけ。今あなたは我が党が三つの場合に言っていないと言いましたが、一つだけ言っておきましょう。
 これは党の大会の一九七〇年の決定です。「人民の政府ができる以前に、反動勢力が民主主義を暴力的に破壊し、運動の発展に非平和的な障害をつくりだす場合には、」まあチリみたいなことですね。「広範な民主勢力と民主的世論を結集してこのようなファッショ的攻撃を封殺することが当然の課題となる。」これが敵の出方論のこのケースでの具体化だと大会で明記しているのですよ。
 それで結局、だからあなた方が幾らそう言って我が党の破壊活動を探そうとしても、三十六年かかろうが、何千億のお金を使おうが、何千の調査官を動員しようが、何千のスパイイコール協力者を養成しようが、見つかるはずがない。それはあなた方も十分御承知のはずなんです。
○大野委員長 不破君、約束の時間が参りましたので、質疑を打ち切ってください。
○不破委員 それであるにもかかわらず、我が賞に対して不当に結社の自由を侵害する、これは絶対許されないということを申し上げて、質問を終わります。
○大野委員長 これにて不破君の質疑は終了しました。
 次回は、来る二十日午前十時より開会することし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時五十二分散会

http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/114/0380/11402180380004a.html
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