練馬区立美術館「収蔵作品による 小林清親【増補】サプリメント」を観たのでございます。
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202108291630231376
(ロビーのみ写真撮影可)
「最後の浮世絵師」とも呼ばれる小林清親、わたくしは特に光線画が好きなのじゃ。
2015年、この美術館で「没後100年 小林清親展 文明開化の光と影をみつめて」が開催され、お供のEは観に行ったのじゃった(わたくしはまだ生まれておらんかった)。
この時は確か展示替えが5期くらいあり、《猫と提灯》は35度摺りの過程のうち13枚の順序摺りの展示もあったりして、観応えあったそうな。
この展覧会が機縁となり、当館は清親の作品や資料、遺品類約300件の寄託を受けたそうじゃが、その中には、下図絵や自作の箱、裃などの遺品も含まれていたとか。
本展は、これら未公開、再発見の作品・資料を中心に展示し、2015年の展覧会のサプリメント(増補)となっておりまする。
2階の展示室のみでの開催で、作品や資料など約80点の展示。
構成は以下の4章。気になった作品などもリスト順に。
【Ⅰ:清親の肖像】
《清親自画伝》紙本墨画 1冊
最晩年に描きとめた墨画の自画伝。ササッと描いたような線の描写。
伝下岡蓮杖《小林清親肖像写真》ガラス湿板
ガラス湿板と写真を並べて展示。
裃、鳥烏帽子、印、自作の箱など、清親の遺品も展示されておりました。
【Ⅱ:清親の作品制作】
★~水彩画の画家~
《写生帖》水彩、紙 9冊
水彩で描かれた写生帖と大判錦絵を観比べられる作品もあり。
《浅草蔵前夏夜》大判錦絵
月も星もない暗い夜にガス灯の光、蔵前を行き交う人々や人力車の黒いシルエット。
《九段坂五月夜》大判錦絵
雨の夜、招魂社(靖国神社)の高燈籠と、道行く人たちの提灯の灯りが浮かび上がり、雨に濡れた地面にも光が映っておる。
《両国焼跡》大判錦絵
焼け野原で彷徨う人々の黒いシルエット。
《日露戦争図 下図(雪中行軍)》水彩、紙
極寒の行軍。防寒着をすっぽり着せられた馬の鼻息も白い。
★~制作の過程 下図~
《下図(雪中往来)》紙本淡彩
傘をさして雪道を歩く2人の後ろ姿。
この下図を元にした作品では、女性ひとりになり、着物の色なども変わり、黒い着物に袂の赤がちらりと見えて素敵になっておる。
《下図(狸4図)》紙本淡彩
擬人化されたタヌキ楽しい。
【Ⅲ:清親の版画と肉筆画】
★~歴史画~
《列仙画註 子英》大判錦絵
巨大な赤い鯉に乗る子英。
《列仙画註 王喬》大判錦絵
ハデハデ着物をはためかせ、鳥の上に立って空を飛ぶ王喬。
★~戦争画~
《陸海軍人高名鑑 野津陸軍大将海城攻撃指揮ノ図》大判錦絵
チェックの防寒着を着せられた馬にも雪が積もっておる。
わたくしは動物好きゆえ、どうしても動物に目が行ってしまうのじゃ。
★~肉筆画~
《ねずみの婚礼》紙本着色
ねずみのカップルがユーモラス。
《アラビアンナイト 宮殿》水彩、紙
本展のメインビジュアル。
清親にしては意外な作品よのぅ・・・と思うたら、イギリスの挿絵画家、ルネ・ブル挿絵の『The Arabian Nights』を写したものじゃった。
横にルネ・ブルの原画の写真パネルもあり、観比べられまする。
《達磨の大あくび》紙本着色
喉の奥まで見える達磨の顔がインパクトありあり。
【Ⅳ:清親の右腕 - 土屋光逸】
16歳で清親の内弟子となった土屋光逸の木版画が3点並んでおりまする。
土屋光逸《矢橋の帰帆》
光線画チック。色彩も綺麗。
小規模な展示ながら、版画だけでなく肉筆画や写生帖や遺品も観られて良うござりました。
会期は1月30日まで。入場無料でございます。
さて、中村橋へ来たからには、駅前の唐苑でランチを食べねばの。
前回、練馬区立美術館へ来た時に見つけたこのお店、ランチセットはお粥と中華風ナムルとスープ食べ放題で、ご飯はお替わり1回無料なのじゃ♪
バイキングコーナー。お粥と、キャベツのナムル美味しゅうござります。
何にするかのぅ、前回は海老チリと海老マヨセット食べたから・・・
黒酢酢豚をお願いいたしまする~。
ゴロッと大きい肉の塊じゃ~!写真では小さく見えるが、実際はかなり大きいぞよ。
中華なのにナイフとフォークが出てきたのは、この大きさゆえじゃな。
お肉は柔らかく、添えられた長芋のシャキシャキした食感も良うござります。
が、わたくしには味が濃すぎで甘味も強すぎじゃった(涙)
酢豚を完食する為に、ご飯をおかわりした上、お粥も何度かおかわりしてしもうた。あはは・・・
今度行ったら、また海老チリと海老マヨのセット食べまする。