goo blog サービス終了のお知らせ 

ウェネトさまの館

★2025年8月、はてなブログへ引越しました!
https://unut.hatenablog.com

死と再生の物語 中国古代の神話とデザイン(泉屋博古館)

2025年06月14日 20時30分20秒 | 展覧会・美術関連

一昨日は、2つの美術館を観たのでございます。

まずは、泉屋博古館東京「死と再生の物語(ナラティヴ)中国古代の神話とデザイン」
https://sen-oku.or.jp/program/t_20250607_mythanddesign/
(ホール、《鴟鴞尊》、展示室④のみ写真撮影可)

泉屋博古館所蔵の青銅鏡を中心にした展示で、中国古代のデザイン感覚や、その背景となった神話や世界観を紹介。
「動物/植物」「天文」「七夕」「神仙への憧れ」という主に4つの観点で読み解くのじゃ。

最終章には、現代鋳金作家×中国古代青銅器のコラボ(「泉屋ビエンナーレ」出展作品)も4点ございます。

ホール(写真撮影可)は、出品リストでは第Ⅴ章の1点のみ展示。

《魁星像》中国・明/CE16
「魁」の文字通り、鬼が斗を持って駆けておる。
「魁」は、北斗七星のひしゃくの頭部の4つの星の事じゃ。

構成は以下の通り。気になった作品もリスト順に。

【第Ⅰ章:天地つなぐ動物たち(展示室①)】

《饕餮文有蓋瓿》中国・殷後期/BCE11c
饕餮と龍の文様。龍がドラゴンボール(違うw)を持って夜空を飛ぶデザインで、星座をあらわすという説もあるそうな。

《鴟鴞尊》中国・殷後期/BCE13-12c
この鴟鴞尊、大好きなのじゃ。写真撮影OKで嬉しゅうござります。

ちなみに以前も載せた写真じゃが、このちっこい鴟鴞尊はわたくしの使い魔じゃよ。(E:違います。以前ここのショップで買ったフィギュアです。)

《鴟鴞尊》中国・前漢/BCE2-CE1c
7点の鴟鴞尊。すっとぼけたようなものやらムッとしたようなものやらいて楽しい。

《戈卣》中国・殷後期/BCE12c
お気に入りの卣で、2羽の鴟鴞が背中合わせになったデザイン。
漫画『キングダム』(原泰久)の河了貂が蓑を着た姿に似ておるのじゃ。

《羽文盦》中国・前漢末~後漢/BCE1c-CE2c
まるっとした器全体にみっしり羽状の文様と、蓋に鳳凰と麒麟がタガネ彫りされておる。
蓋の上にちょこんと乗った3匹の神獣が可愛い。

【第Ⅱ章:聖なる樹と山(展示室①)】
古代中国では、太陽が10個あると考えられていたんじゃと。
太陽たちは、東方の彼方の扶桑樹なる大樹にぶら下がり、金鳥に背負われて天に昇り、また扶桑樹の枝に帰って来るんじゃと。

《蟠螭樹木文鏡》中国・前漢前期/BCE3-2c
この樹木の文様は、たぶん扶桑樹じゃ。

【第Ⅲ章:鏡に映る宇宙(展示室①)】
《方格規矩四神鏡》中国・新/CE1c
古代のプラネタリウムのような文様。キャプションに図も添えられ分かりやすい。

《重列神獣鏡》中国・後漢後期/CE2c
様々な神仙や神獣の最上段に、長寿を司る南極老人が鎮座ましましておる。

【第Ⅳ章:西王母と七夕(展示室②)】
西王母は崑崙山に住まう仙女で、元々は半人半獣の恐ろしい姿じゃったが、美しい女性の姿で描かれるようになったのじゃ。

《画像鏡》中国・後漢/CE1-2c
西王母とそれに侍る仙女たち。
お仲間のウサギたちは、不老不死の仙薬を搗いておる。

《月兎八稜鏡》中国・中唐/CE8-9c
円形ではなく、8枚の花弁が開いたような形。
中央に月桂樹、右側に仙女、左側に仙薬を搗くウサギ。

円山応震筆《西王母図》江戸時代後期/CE19c
不老長寿の仙桃を持ち、雲に乗って飛来する美しい西王母。

【第Ⅴ章:神仙への憧れ、そして日本へ(展示室③)】
《細線獣帯鏡》中国・前漢後期/BCE2c
細い線の神仙や獣が綺麗。龍に乗る仙人もおる。
変色したエメラルドグリーンも綺麗じゃ。

この章には、重要文化財の鏡も7点並んでおりまする。
《画文帯同向式神獣鏡》(中国・後漢末~三国/ CE3c)
神話的世界観に基づく文様構成。

その後に並ぶ三角縁神獣鏡は、神話的世界観が弱い神獣鏡で、日本列島からしか出土しないそうな。

【特集展示:泉屋ビエンナーレSelection(展示室④)】
ここは写真撮影OKなのじゃ。

2021年・2023年に泉屋博古館(京都東山・鹿ヶ谷)で開催された「泉屋ビエンナーレ」出展作品が4点。

現代鋳金作家と中国古代青銅器のコラボで、作者の言葉や、インスピレーションの元になった中国古代青銅器の写真も添えられ、楽しゅうござります。
4名全て載せまする。

見目未果《ほねを いれる ための ようき》令和3年/2021

佐治真理子《きいてみたいこと~ Who are you ?~》令和3年/2021
可愛い。特に《鴟鴞卣》の子、お気に入りじゃ。

梶浦聖子《地上から私が消えても、青銅》令和5年/2023

久野彩子《time capsule》令和5年/2023

ショップでは、戈卣クッションと鴟鴞尊ポーチに目が釘付け。(写真撮影は許可を得ておりまする)
鴟鴞尊ポーチをお迎えしようと思うたが、思いとどまったのでございます。

キャプションも7つのコラムも興味深く、中国古代の神話とデザインについて理解が深まり、現代作家の作品も観る事ができ、良うござりました。

饕餮や西王母を観ると、大好きな小野不由美の小説『十二国記』シリーズを連想してしまうのも楽しいしの。

会期は7月27日まで。
この後に観た大倉集古館の話は、また後日。

★おまけ話
米津玄師『BOW AND ARROW』のインストーラーデバイス版、届いたぞよ~。

DVDに結弦くんのショートプログラムver.も入っておるのじゃ。米津さまに大感謝(感涙)

ケースの開け方が分からなくて四苦八苦してしもうたが、サイリウムチャームとシリアルナンバーも付いておる。

このシリアルナンバーで、米津玄師のツアー「GHOST」のチケット最速先行(抽選)が明日まで申し込めるのじゃ。

ダメモトで申込んでみようかのぅ。
しかし開催が1年半後の2016年11月~12月とは・・・
先が読めぬ・・・