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ウェネトさまの館

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ブログ開設6周年! & ルネ・ラリック リミックス(東京都庭園美術館)

2021年07月14日 20時21分30秒 | 展覧会・美術関連

ブログ開設6周年、おめでとう自分~!!!!!!

あっという間に6周年。
今年もコロナ禍での記念日になってしもうたが、故郷エジプトのウサギ女神の正装で、大好きな美術館へまいるのじゃ。

東京都庭園美術館「ルネ・ラリック リミックス 時代のインスピレーションをもとめて」
https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/210626-0905_ReneLaliqueRemix.html
(写真撮影可)


 

ラリックは昔から大好きで、これまでもたくさん観ておるが、旧朝香宮邸でのラリック展とあっては観逃す訳にはいきませぬ。

ラリックが自然を起点としてどのように世界を観照し、装飾という芸術を希求したのかを明らかにするという本展。
127点の展示で、昨年2月に庭園美術館で観た「ルネ・ラリック」展に比べ、ジュエリーが多いのがまた嬉しゅうござります。
(ちなみに昨年のブログはこちら↓)
https://blog.goo.ne.jp/unut/e/59dc567a0bd9a1449dd5d8d4795ce7af

構成は以下の7章。
章ごとに、主なお部屋の展示風景や作品を載せるので、ちと長いブログになりまする。
作品の写真は逆光やケースの映り込みで、特にジュエリーは載せられぬ写真ばかりなのが残念じゃがの(涙)

まずは本館じゃ。

★1.イントロダクション:ルネ・ラリックと朝香宮邸

旧朝香宮邸である本館の内装は、ラリックも携わっていたのでございます。
正面玄関でお出迎えしてくれるガラス・レリーフ扉も、特注で制作されたラリック作品じゃよ。

【第一応接室】
・常夜灯《二羽の孔雀》1920


 

【大広間】


 

・《朝香宮邸玄関扉ガラス・レリーフ・パネル》1933


 

★2.ルネ・ラリックのジュエリー

ジュエリーはテンション上がりまする。撮影は殆ど失敗したがの。
ラリックは、それまでジュエリーに使われてこなかった象牙、獣角、七宝、オパール、ガラスを積極的に取り入れ、独特な形態に仕立てたのでございます。

【小客室】
小客室は、この香水塔のある次室の奥のお部屋じゃよ。


 

・ペンダント《ダンスするニンフたち》c.1902-1903


 

【大客室】


 

・チョーカー/ブローチ《シルフィード》c.1900


 

・ネックレス《葉飾り》c.1910


 

★3.複数の自然

ラリックは、幼い頃から身近な草花をスケッチする事で、鋭い洞察力を培ったのじゃ。
自然の捉え方が日本美術と共通しておるのじゃな。

【大食堂】


 

・テーブルウェア《ニッポン》1930


 

・テーブル・センターピース《三羽の孔雀》1920


 

【小食堂】
ペンダントや櫛がございます。
・櫛/ティアラ《二色のヤナギ》c.1903


 

【喫煙室】
ここには花瓶が並んでおりまする。
・花瓶《トカゲと矢車菊》1913


 

★4.古典の再生

18世紀末から19世紀にかけ、各地に誕生した美術館の為に古代の至宝が集められ、ラリックの作品にも古典古代を再生しようとする意識が見らるのじゃ。

【二階広間】
装飾パネルや花瓶などございます。


 

【若宮寝室】


 

・花瓶《バッカスの巫女》1927


 

・立像《シュザンヌ》あるいは《シュザンヌ、第1モデル》1925


 

【合の間】


 

・花瓶《ナディカ》1930


 

【若宮居間】


 

・香水瓶《サチュロス》1933
・香水瓶《アンブル・アンティーク》コティ社 1911


 

【書斎】
書斎と書庫にも展示がございます。


 

★5.エキゾティシズムとモダニティ

フランスに起こった古代エジプトブームや、ディアギレフ率いるバレエ・リュスは、アール・デコ様式に大きな影響を与えたのじゃ。
また、ラリックの娘シュザンヌは、エキゾティシズムをモダニティへ昇華させたのじゃった。

【殿下居間】


 

・テーブル・センターピース《火の鳥》1920


 

・ネックレス《スカラベ》c.1905


 

【殿下寝室】


 

・花瓶《ラングドック》1929


 

【妃殿下寝室】


 

・花瓶《ナンキン》あるいは《三角の面取り》1925


 

★6.女性たちのために

ラリックにとって、女性たちはインスピレーションの源泉であり、顧客であり、作品の主題だったのじゃ。

【妃殿下居間】


 

・香水瓶《シダ》1912


 

【北側ベランダ(北の間)】
ここには香水瓶やテスターケースが並んでおりました。
・香水瓶《カシス》1920


 

【ベランダ】
椅子に座ってひと休み。


 

★7.装飾の新しい視点をもとめて

ガラス作家に転向した後のラリックが、芸術と装飾、装飾と生活の関係をどのように見出そうとしたのかを探る章。

ここからは新館じゃ。 
Gallery1の会場デザインも素敵でございます。


 

[SECTION 1:ユニーク・ピースとしてのシール・ペルデュ]
シール・ペルデュ(ロストワックス)とは、古代からブロンズや貴金属に使われてきた蝋型鋳造の事。
大量生産は出来ぬユニーク・ピースなのじゃ。

・シール・ペルデュ 花瓶《西洋サンザシ》1921
・デザイン画 シール・ペルデュ 花瓶《西洋サンザシ》c.1921


 

[SECTION 2:プロダクトデザイナーとして]
ラリックは、上顧客の為のシール・ペルデュのような作品だけでなく、量産品も重視して技術開発を怠らなかったのでありました。

・写真立/鏡《セキレイ》1926
・デザイン画 写真立/鏡《セキレイ》c.1926


 

[SECTION 3:アール・デコ博覧会|時代の象徴]
1925年の「現代装飾美術・産業美術国際博覧会(通称:アール・デコ博覧会)」におけるラリック。

・立像《噴水の女神、メリト》《噴水の女神、アリアンヌ》《噴水の女神、ガラテ》1924
アール・デコ博覧会の為にラリックが制作した、高さ15mの噴水塔《フランスの源泉》の女神像で、八角形の柱の角16段に、大きさと装飾の異なる16種類、128体の女神像が配置されたのじゃ。


 

・照明パネル《噴水》1925
アール・デコ博覧会の「名誉門」に設置されたチケット売場の為にデザインされたガラスパネルと同じモデル。


 

[SECTION 4:都市空間と装飾]
ラリックは、建築や豪華客船や急行列車などの内装のガラス装飾も手掛けるようになったのじゃ。
旧朝香宮邸のガラスパネル扉や、大客室と大食堂のシャンデリアもじゃよ。

・装飾パネル《花束》1928
コート・ダジュール・ブルマン急行ファーストクラスの内装に使われたものと同じモデル。


 

Gallery2では、9分の映像「ラリック社に受け継がれる技術」が観られまする。

平日で来館者も少なく、静かな中でゆったり観る事ができたぞよ。
特に、アール・デコの館である本館とラリック作品との一体感も心地よく、やはりここに住みたいと思うたのじゃった。

会期は9月5日までじゃが、開催内容は都合により変更になる場合があるとの事ゆえ、いらっしゃるご予定の方はHPをチェックしての。