昨日は、練馬区立美術館「ピーター・シスの闇と夢」を観たのでございます。
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202107021625192960
(ロビーのみ写真撮影可)
ピーター・シスの日本初の展覧会で、絵本原画を中心に、アニメーション作品や構想メモ、スケッチなどなど、資料も含み約150点の展示。
シスの絵本は今まで『三つの金の鍵』と『星の使者』と『飛行士と星の王子さま』の3冊しか読んでおらぬが好きじゃったから、原画を観るのが楽しみだったのじゃ。
構成は以下の5章で、各章は作品毎に細かく分かれておりまする。
お気に入りや気になった作品たくさんあって書ききれぬゆえ、一部をリスト順に。
(原画で1点ずつの作品名がないものは、リストの番号で書くぞよ)
まずは2階からじゃ。
この入口は、『星の使者』のガリレオ・ガリレイの宗教裁判の絵じゃよ。
【1.「かべ」のなか】
1949年チェコスロヴァキアに生まれたシスは、共産党政権支配の「鉄のカーテン」の「かべ」のなかで育ったのでございます。
1『三つの金の鍵 魔法のプラハ』
シスが娘マドレーヌの為に作った絵本。
わたくしが最初に読んだシスの絵本で、緻密で幻想的な絵が気に入っておったゆえ、原画7点観る事ができて嬉しゅうござります。
原画を観ると、印刷の絵本では原画の素晴らしさが全く出てな・・・ゴホゴホ・・・いえ、半減しておるのが分かるのぅ(こらこら)
特にお気に入りは、
・《1-2》絵本原画
ピンク色の空の下の街並みがめちゃめちゃ緻密でツボすぎる。
・《1-4》絵本原画
こちらも緻密。黒猫に導かれて歩く緑色の街。
ささ、次は3階へまいるぞよ。
【2.自由の国】
シス33歳で「かべ」から飛び出しアメリカへ。
9『The Little Singer(リトル・シンガー)』
・《9-4》絵本原画
カラスがツボ。
・《9-9》絵本原画
カラスとグスタフは何処じゃ?と探したけど見当たらず、不審に思うたらコラージュ作品なのじゃった。
・《9-15》未使用原画
未使用原画も観る事ができて嬉しい。
11『ニューヨーク・タイムズ・ブックレビュー誌』
ペンとインクで描かれた挿絵原画が22点。
とんでもなく緻密な点描画で、書評誌の挿絵をここまで細かく描くか~?と驚愕。
14『ずーっとしあわせ』
シスがはじめて物語と絵の両方を手がけた作品。
2点の絵本原画は、白サイのリノと赤・青・黄色の3羽の鳥。
16《Whale(クジラ)》ニューヨーク都市圏交通公社(MTA)アートプロジェクト ポスター
地下鉄車内に飾るポスターを依頼され、マンハッタンの街をクジラニ見立てて描いたポスター。
利用者からの評判が良かったので2年近く飾られたそうじゃが、納得の楽しさ。
【3.子どもたちのために】
アメリカ市民となった翌年結婚。生まれた娘マドレーヌと息子マティの為に絵本を作り、子どもたちが楽しめる絵本を開拓したのでございます。
22『マドレンカ』
23『マドレンカのいぬ』
どちらも娘のマドレーヌを主人公にした物語。
絵本原画で「?」と思う部分が、絵本を見て「なるほど~」と納得。
・《23-2》絵本原画
わたくしの故郷、エジプトじゃ。
24『わたしはバレリーナ』
姪のテレサ・シスの為につくった物語。
・《くるんくるん》絵本原画
・《ふわんふわん》絵本原画
どちらもバレエのポーズをとる少女が可愛い。
25『モーツァルトくん、あ・そ・ぼ!』
子どもの頃のモーツァルトが主人公で、映画『アマデウス』の監督ミロシュ・フォルマンに捧げられたそうな。
絵本原画2点。
26 映画『アマデウス』ポスター
このカッコいいポスターは知っておったが、シスの作品だったとは知らず、ビックリじゃ。
が、よくよく観ると、シスの特徴ありありじゃった。
【4.探求の旅】
「鉄のカーテン」の中で生まれ育ったシスは旅に憧れ、心の中で自由に旅する方法を見つけたのでございます。
28『Tibet:through the Red Box(チベット 赤い箱のひみつ)』
シスは子どもの頃、父・ウラジミールが戦時中に辿り着いたチベットでの不思議な旅の話を聞く事が大好きだったそうな。
父がチベットから持ち帰った日記と品々を入れて誰にも見せずに保管していた赤い箱を、シスが40代のときに開け、封印されたチベットの旅を絵本にしたのがこの作品。
正方形の8点の原画たいそうツボじゃったゆえ、絵本も読んでみたいのぅ。
・《28-2》絵本原画
まるで曼荼羅じゃ。
・《赤の部屋》絵本原画(翻訳版の表紙絵として一部加筆)
・《緑の部屋》絵本原画
・《青の部屋》絵本原画
赤、緑、青の部屋はそれぞれ独特で美しい。
・《父の部屋》絵本原画
真っ暗な部屋、机の上の日記だけ赤い。窓の外には星とパゴダ。
【5.夢を追う】
63歳になったシスは、夢を追う事の大切さを子どもたちに伝えるため、偉人たちの伝記絵本を手がけたのでございます。
32『夢を追いかけろ クリストファー・コロンブスの物語』
原画5点。石膏を重ねた表面に油彩、陰気、水彩、ガッシュを用いるという特殊な技法で描かれておりまして、原画が観られてよかった。
33『星の使者 ガリレオ・ガリレイ』
・《33-2》見返し原画
・《33-3》裏見返し原画
原画7点のうち、絵本でも好きだった見返しと裏見返しの原画も観られて嬉しい。
星の輝く青い夜空の下、ひっそりと暗い街並みのシルエット、ひとつの小さな窓だけが黄色く光り、望遠鏡で空を見る人影が。
見返し原画はガリレオ・ガリレイ、裏見返し原画はたぶん現代の誰か。
・《33-6》絵本原画
最初にも書いたが、第1展示室の入口にも使われている、ガリレオの宗教裁判の場面じゃ。
35『飛行士と星の王子さま サン=テグジュペリの生涯』
サン=テグジュペリを、星の王子さまと重ねて描いた絵本。
原画7点は、絵本で見ていたのとは別物のようじゃ(絵本ごめんなさい~・逃)
会場の最後に、本展のメインビジュアル『かべ 鉄のカーテンのむこうに育って』の大きな映像(抜粋)が映されておりました。
ロビーでは、「特別対談 ピーター・シス×柴田元幸 闇のプラハへの旅路」も流されておりまする。
数多くの原画が観応えあったのは勿論、シスの人生についても色々知る事ができ、たいそうツボでありました。
会期は11月14日まで。再訪したいぞよ。
さてランチは、唐苑(中村橋店)へ初潜入。
ランチセットは、お粥と中華風ナムルとスープ食べ放題で、ご飯はお替わり1回無料ですと?
食べまくりますぞ♪るらら~
海老チリと海老マヨセットをお願いいたしまする~。
海老チリ海老マヨ両方食べられるのは嬉しいのぅ。
ミニ杏仁豆腐も付いておるぞよ。
バイキングコーナー。お粥は、きのこと蒸し鶏のお粥じゃ。
中華風ナムル。
もちろん全部お替わりしましたとも。食欲の秋じゃからの(秋だけか~?w)
これで税込990円は嬉しいのぅ。
黒酢酢豚のセットも気になるし、また練馬区立美術館へ行く時はここでランチする所存。
そして、ミニソフで台湾密いもソフト。
台湾蜜いもが熱々でソフトクリームが溶けていくぞよ。
美味しいけれど甘さは控え目。練乳プリーズ!
★おまけ話
6月の末に、美味しく食べたパプリカの種を気まぐれで蒔いたら芽が出て、
どんどん伸びて花が咲いて、
実をつけてどんどん大きくなるのに、なかなか黄色くならぬのじゃ。
食べたのは黄色いパプリカじゃったが、種を蒔く時期が遅すぎたかのぅ。