石都々古和気神社(いわつつこわけじんじゃ)は、石川町の中心部にある八幡山の頂上に鎮座しています。
旧社格は郷社、延喜式内社の一つに数えられる陸奥国一之宮。
1万年前の昔から山岳信仰の聖地として、多くの人々に信仰崇敬されてきた地でもあります。
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参道口から続く階段を上っていくと、色とりどりの紫陽花が参拝者を迎えてくれます。
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参道には、祭祀遺跡として伝わる多くの磐境(いわさか)が点在。
樹齢約200年の天龍桜と「勾玉岩」
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境内は日陰も多く、たくさんの紫陽花がきれいに咲いていました。
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拝殿と御神紋の「三つ巴」
本殿
御祭神は、味鉏高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)
八幡山には石川城(別名:三芦城)が築かれていたので、境内や境内の森にその跡地が残っています。
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四季折々の花々
ハンゲショウ、クガイソウ
ギボウシ、キキョウ、クロバナロウバイ
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参道口に、石川町出身の名工・小林和平が彫り上げた「飛翔獅子」が奉納されています。
師匠の小松寅吉の飛翔獅子スタイルを継承し、そこにプラスした和平独自の表現が見られます。
力強い姿の雄獅子、3頭の子獅子に寄り添う母獅子。
この親子獅子には「沢井 石工 小林和平」と刻まれています。和平48歳、自分の名前を刻んだ初めての狛犬です。
雄の阿像。凜々しいなかにも、なんと慈悲深い表情でしょう…
雌の吽像には乳首がたくさんついています。その下でじゃれ合う2頭の子獅子。もう1頭は母獅子の隣に。
母獅子のなんと優しい表情…
和平の二人の息子は赤ん坊の時に亡くなり、長女は15歳で亡くなりました。
小さい2頭は長男と二男、母獅子の隣に立つ1頭は長女。和平は、この3頭に失った子どもたちを重ね合わせながら彫り上げたのだろうと思います。
小松寅吉の狛犬には「迫力」、小林和平の狛犬には「優しさ」があります。
私は、石都々古和気神社のこの一対の飛翔獅子がとても好きです。
2025.6.28