原文はこちら
論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「」,専門家,さげ 落語枕
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 △ 読みごたえ ○
●分析前の一言
戦争に捧げた気持ちとオリンピックに捧げた気持ちをシンクロさせたコラム
思いがはやっているのか,ここのところ文章の質が悪い.言いたいことにまっしぐらかはたまた,
いいたいことのために平気で前座の枕使い切るとか,論旨の合間にサクサクっと自説を挟み込んでゆくから産経抄は分析しがいがあったのに,このところは,すっきりとしない構成が見受けられる.夏バテというより,力が入りすぎか.
●分析結果
・第1パラグラフ
[概要]紙面の紹介.
[論理構造]「」
[中心人物]
[分析]俳句を「」で持ってくる.韻が良いので,まずは読む.喉がすっと鳴って読みやすい.エッセイの基本
→第2パラグラフ
[概要]ロングパラグラフ,筆者の考察
[論理構造]
[中心人物]
[分析]別の詩の構造を引用,推移律を用いて,"特攻"の詩だと推察している.これは布石
→第3パラグラフ
[概要]筆者の考察
[論理構造]といえば
[中心人物]
[分析]特攻といえば,靖国神社.枕にされた方も産経に投稿された方なら思いは同じかもしれないので,問題ないかもしれない.俳句の背景が特攻だという推論の上に成り立っているので,危うい構造
"靖国神社が「戦没者追悼の中心的施設」"
正確な検証は,調査をした方がいいが,戦死者→戦没者(範囲拡大),祭られる場所→追悼の中心的施設" 少しいつもより範囲を広げ,トーンが落ちているような言葉の使い方.蛍の墓に出てくる子供は当然戦死ではないので,推論の危うさ筆者自身が感じて,兵隊意外に拡大しているのかなと少し深読みしてしまう.
→第4パラグラフ
[概要]事例の紹介
[論理構造]専門家
[中心人物]坂口安吾
[分析]彼の著述の転載.解釈の力点を
・戦争は呪ふべし、憎むべし。再び犯すべからず。
・特攻隊はともかく可憐な花であったと私は思ふ.
のどちらにおくかは読者に任されている.が,次のパラグラフで筆者は後者に力点をおいているのがわかる.
→第5パラグラフ
[概要]筆者の考察
[論理構造]
[中心人物]
[分析]"坂口安吾は『特攻隊に捧ぐ』と題した四ページほどのエッセーで、特攻隊の烈々たる「愛国殉国の情熱」に最大の賛美と敬愛をおくったのだった。"は読書感想文としてはOK
でも後半は筆者自身が書いているように唐突なんです.
オリンピックと国を無理矢理結びつけようとするからこうなるの.
→第6パラグラフ
[概要]筆者の主張
[論理構造]といえば
[中心人物]
[分析]オリンピック選手が「みなさまに感謝します」といった
みなさまといえば,死んだ人も含まれているはずだ.
死んだ人といえば,特攻の人も含まれている.
この論理は一見正しそうだが,全集合は常に真というのと同じ.何をいっているかというと
○○が「みなさまに感謝します」といった
みなさまといえば,死んだ人も含まれているはずだ.
死んだ人といえば,特攻の人も含まれている.
という文章は常に成り立つので,日々の生活であろうが,服役囚で悔い改めている人からなんでも真になるんですよ.後半がトートロジーといってもいい文章に自説を載せるは安直な構造ではないか.
●今日のあとがき
この前のように主張がねじれていないだけましだが,パラグラフのつなぎが甘い.
論理構造タイプ: 落語枕型
出現テクニック:「」,専門家,さげ 落語枕
インプレッション:産経らしさ ◎ 構造の魅力 △ 読みごたえ ○
●分析前の一言
戦争に捧げた気持ちとオリンピックに捧げた気持ちをシンクロさせたコラム
思いがはやっているのか,ここのところ文章の質が悪い.言いたいことにまっしぐらかはたまた,
いいたいことのために平気で前座の枕使い切るとか,論旨の合間にサクサクっと自説を挟み込んでゆくから産経抄は分析しがいがあったのに,このところは,すっきりとしない構成が見受けられる.夏バテというより,力が入りすぎか.
●分析結果
・第1パラグラフ
[概要]紙面の紹介.
[論理構造]「」
[中心人物]
[分析]俳句を「」で持ってくる.韻が良いので,まずは読む.喉がすっと鳴って読みやすい.エッセイの基本
→第2パラグラフ
[概要]ロングパラグラフ,筆者の考察
[論理構造]
[中心人物]
[分析]別の詩の構造を引用,推移律を用いて,"特攻"の詩だと推察している.これは布石
→第3パラグラフ
[概要]筆者の考察
[論理構造]といえば
[中心人物]
[分析]特攻といえば,靖国神社.枕にされた方も産経に投稿された方なら思いは同じかもしれないので,問題ないかもしれない.俳句の背景が特攻だという推論の上に成り立っているので,危うい構造
"靖国神社が「戦没者追悼の中心的施設」"
正確な検証は,調査をした方がいいが,戦死者→戦没者(範囲拡大),祭られる場所→追悼の中心的施設" 少しいつもより範囲を広げ,トーンが落ちているような言葉の使い方.蛍の墓に出てくる子供は当然戦死ではないので,推論の危うさ筆者自身が感じて,兵隊意外に拡大しているのかなと少し深読みしてしまう.
→第4パラグラフ
[概要]事例の紹介
[論理構造]専門家
[中心人物]坂口安吾
[分析]彼の著述の転載.解釈の力点を
・戦争は呪ふべし、憎むべし。再び犯すべからず。
・特攻隊はともかく可憐な花であったと私は思ふ.
のどちらにおくかは読者に任されている.が,次のパラグラフで筆者は後者に力点をおいているのがわかる.
→第5パラグラフ
[概要]筆者の考察
[論理構造]
[中心人物]
[分析]"坂口安吾は『特攻隊に捧ぐ』と題した四ページほどのエッセーで、特攻隊の烈々たる「愛国殉国の情熱」に最大の賛美と敬愛をおくったのだった。"は読書感想文としてはOK
でも後半は筆者自身が書いているように唐突なんです.
オリンピックと国を無理矢理結びつけようとするからこうなるの.
→第6パラグラフ
[概要]筆者の主張
[論理構造]といえば
[中心人物]
[分析]オリンピック選手が「みなさまに感謝します」といった
みなさまといえば,死んだ人も含まれているはずだ.
死んだ人といえば,特攻の人も含まれている.
この論理は一見正しそうだが,全集合は常に真というのと同じ.何をいっているかというと
○○が「みなさまに感謝します」といった
みなさまといえば,死んだ人も含まれているはずだ.
死んだ人といえば,特攻の人も含まれている.
という文章は常に成り立つので,日々の生活であろうが,服役囚で悔い改めている人からなんでも真になるんですよ.後半がトートロジーといってもいい文章に自説を載せるは安直な構造ではないか.
●今日のあとがき
この前のように主張がねじれていないだけましだが,パラグラフのつなぎが甘い.
この辺を読むと石井タンへの理解が深まるかと。
今日の産経抄については「唐突ブースター」という命名がなされました。
http://ex5.2ch.net/test/read.cgi/mass/1093473133/279
他にも「地下水脈」「そんなことはどうでもいい」などという奇手もお持ちです。
段々,周囲の状況がみえてきました.
新しい,奇手の紹介もありがとうございます.命名の妙に感心しております.
中身でなく,構造に興味を持っている人も沢山いたというのもわかってきました.
時々覗きに行きます.