空も大地もうごめき、ウゴメク。

この世に生まれたからには、精一杯生きてみよう

53回園遊会

2007年05月21日 | 個人
  

    高校時代の同窓会、園遊会が五月晴れの昨日、母校の体育館であった。先に同窓会総会、続いてアトラクションをメインとする園遊会。旧制延岡中学校、延岡高等女学校が加わり、延岡恒富高校、そして現在の延岡高等学校と今年創立108周年を迎える県内でも有数な歴史と伝統のある高校である。その同窓会は何故か薫風の季節にある。一般的に帰省客に配慮した同窓会はお盆や正月の季節である。しかし、母校の同窓会は爽やかな五月中旬に行なわれる。しかも会場は体育館。実はこの体育館というのが厄介であるけれども、暖冷房を使わずに窓を開けていれば自然の風が吹き、暑くもなく寒くもない館内の室温でしのげるのは最高の季節でもある。


 以前は低い長テーブルを台にし座布団を敷き、その上に正座してそこでお弁当を広げ、ジュースはもちろん、ビールや焼酎、水割りにワイン、いたれりつくせりのお接待を受けていた。これが数年前から長机に変わり、パイプ椅子に座ってのスタイルに変更した。参加者が高齢化していることがその理由で、これはご年配にはすこぶる好評である。しかも、この日を待ちわびた県外在住のOBやOGは交通費や宿泊代が高くついても、毎年帰ってきている方もおられる。盆、正月には帰ってこれなくともこの同窓会だけは帰るという方も。それだけに幹事役をつとめる実行委員会は「最高の想い出を」と会の充実に連夜討論を繰り返してきたという。思えば私もちょうど10年前。幹事の実行委員会は36、35歳(年男、年女)がその役を務めることになっている。同窓会が終了するやすぐに次の時代にバトンタッチ。そのバトンがうまく渡せないとスタートからつまづく、地元にいるOB、OGにもうまく伝わらず結局苦労するのは、出てきている実行委員だけとなる。仕事の分担は一人に集中加担され、夜中遅くまで喧々諤々。あ~でもない、こ~でもない、今年はこれをメインになど、アトラクションの中身が一番の課題で、これまでの催しを参考にしながらいかに今年の特徴をだして想い出深いものにするか、「良かったね。今年の会も良かったよ」と実行委員にねぎらいの言葉がもらえるか、携わったものだけにしか、この喜びは分からないが、ホスト役の実行委員はそのために、お接待の教育も受けるほどだ。

 今年のホストメンバーは70人と聞いた。10年前の我々のときは130人いた。クラスの数も9クラスと変わらないことから、生徒数もきっと同じくらいだろう。夜遅くまで会の在り方や催しの中身を話し合い、それぞれに持ち場を決めて振り分けた。もちろん県外の同級生もこの日だけのために応援で駆けつけ、彼らには接待のマニュアルさえ渡せてないため、もっぱら駐車場整理班とドライブスルー班。快くその仕事を引き受けてくれた。体育館でメインの催しがあっているときも黙々と車で来るOBらにお弁当と資料を渡していた。滅多に帰れないのに、中で何があっているかも気になるであろうに。今年はホストの数が少ないため、車の誘導案内は警備会社に任せていたようだ。

 会場に入ると昨年の写真がパネルに貼ってあった。こんなもんかな。昨年の実行委員はあまり写真にはこだわらなかったのか。ご年配の人たちには希望の写真を無料でお渡しするサービスにもなっていたから、我々の時代は。

 資料はまずまずのパンフレットが出来上がっていた。後半の広告収入が毎年厳しい。チケット販売と広告収入が運営の大半を占めるだけに、いかに幅広く集めてくるか。昨年の企業は昨年の実行委員を知っていたから付き合いでとか、年々景気悪くなっているからもう今年から、など彼らにとって大きな壁にも突き当たっていたようだ。と言っても毎年苦労するのがその広告の件、今も昔も変ってはいない。これも回った件数と何度も足を運んだ分だけ、自分たちに営利的なものは何もないのに、と愚痴る委員も毎年現れるが、それも催しが終了すると、良き想い出となったであろう。

 今回の催しは母校出身のデュオ「#SOAR」(そあ)のライブやその他のアトラクションで、賑わったという話。途中から退席した私は乾杯まではいなかった。幹事以来、会場に入るのは初めてだった。接待係の紺のエプロンは我々の前の時代の先輩が購入したものだったはず、まだまだ活躍している。男性も女性も社長も社員もその垣根はなく、エプロンを着用すれば皆同級生。我々の時は女性陣が仕切って準備を進めていた。当時はまだ低いテーブルだったのと、来場者が1,000人だったか1,500人だったか、体育館が狭く感じたほどだった。そのため背中合わせに体ギリギリで、人一人がやっと通れるスペースだった。だから接待の進行方向などマニュアルにあって、ここで待機する人はこう入って、こっちから出るなど、細かな注意点もあった。しかし、間違えても分からないものだが、帰って持ち場に戻ると「あんた間違えたやろ」と女子。人のことはよく見ているもんだ。えへっと笑って誤魔化していた。


 全体的に見渡すと我々のテーブルも宴が始まると少しづつ増えてきた。50代以上かな参加率が高いのも、30代も幹事を務める以降からぼちぼち。34歳以下の参加は少なく、20代は皆無に等しい。いつの時代もこうやってこの同窓会の一員であることに誇りを感じ、懐かしい顔をみて会話が弾むとリフレッシュできる。この高校でよかったなぁ。おそらくどの高校のOB,OGも母校最高と思っていることだろう。それだけ青春を過ごしたわずかな時代の想い出がそこに集積されているわけだから。 偉大な先輩、歌人・若山牧水、空の先駆者・後藤勇吉氏らも遠くからこの宴をみて酒を酌み交わしているに違いない。


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