空も大地もうごめき、ウゴメク。

この世に生まれたからには、精一杯生きてみよう

素直、青春、感謝

2007年05月10日 | 個人
   松下電器グループの創業者でありPHP研究所の創設者であった松下幸之助さんのモットーのなかに、「素直」「青春」「感謝」の三点がある、とはPHP総合研究所研究顧問の谷口全平氏。PHP4月号に同氏がそう語っている。「素直な心になりましょう。素直な心はあなたを強く正しく聡明にいたします」。松下のいう「素直」とは決して従順の意味ではなく、「天地自然の理」従う心であると悟り、理に従って努力すれば繁栄も平和も幸福も招き寄せることができる、それが松下の信念だったと。しかし、人間はともすれば欲望や感情や先入観など、さまざまなことにとらわれ理を失い、貧困に陥り、争いを起こし、不幸になっていくというのである。何事も素直が一番、ともすれば素直な気持ち(こころ)を忘れると人間は理性を失ってしまい、不幸になると。しかし、素直な心を持続するのも難しい。欲望、感情、先入観は先が分からないから興味や雑念、気持ちを抑えられなくなることもあるのではないか、特に身内にはそうなのかもしれない、と私は思う。それも人間の性(さが)として片付けてしまえばそれまでか。性と言えば「性格」。性格はすぐには変えられない。ゆえに素直さにはその人の性格をも見直す必要があるのかもしれない。

 「青春とは心の若さである。信念と希望にあふれ勇気にみちて日に新たな活動をつづけるかぎり青春は永遠にその人のものである」。二つ目の青春について松下は「万物は日に新た、生成発展は自然の理法」といい、われわれ人間もまた日に新たでなければならないと考えていた。実際、松下の人生を見た時、一時も止まっていませんでしたとは、谷口氏。新しいことへの挑戦の連続であったと言ってもいい、一つの山を越えればまた新しい山に挑んでいた。そこから「今日の最善は明日の最善ではない」との考えにもつながっていたようだ。チャレンジ精神とでも言おうか。その辺りが若さの秘訣だったのかもしれない。「百六歳まで生きる」「百六十歳まで生きる」と年齢さえも貪欲に人生の目標にしていたというから、生きるという“執念”=自分はまだ若い、を感じさせる言葉にほかならない。「一日、これといった喜びもや満足感なしにただなんとなく過ごすのでは人生はもったいない」と志を持ち目標に向かって日に新たに進む、それが松下の生きがい=若さを保つ秘訣とも。平成元年四月九十四歳の生涯を閉じている。素晴らしい生涯。晩年まで青春を謳歌した生き方。その少しでもあやかりたい。

 「喜ぶことを知り、ありがたさを知り、感謝する心を知っていれば、この世は非常に楽しいものになる」。これには様々な松下語録もあるが、「うまくいったときは運が良かったと思い、うまくいかなかったときは自分のやり方がまずかったと思ってきた」と言っていたのも、その気持ちの中には「成功してもおごらず、失敗してもくじけず、成功や失敗の原因を究め次への飛躍につなげることができるという松下の処世術ではなかったでしょうか」(谷口氏)。これまで私も失敗を重ねては、反省の日々で落ち込むこともあった。一方、成功はしばらくその余韻に浸って達成感や安堵感を味わって次なるチャンスをうかがっている。もちろん、くじけず、おごらずの気持ちは持ち合わせているとは思っている。だが、どこか松下と違う。それは、失敗にも感謝の気持ちがないからであろう。反省は反省として十分に省みる一方、これが実は次のステップになるんだというチャンスとして捉え“感謝の気持ち”を奮い起こさせる自分がそこにはいなかった。そこの違いだろうか。

 「素直、青春、感謝」言葉にするには簡単であるが、一度にできなければ、一つ一つ見に付けていこう。できるところから。う~んどれだろう。「頑固、古臭い、当然」を地で行くような人間であるしなぁ。人がこうだというといや違うと反発するのが自分の悪い癖でもあるしなぁ。いやいや、それが分かっているからこそまだチャンスはあるか、まずは素直に反省していくかな。

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