ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

パソコン講習とソフト開発をしています。自作小説も掲載しています。ネット情報発信基地(上野博隆)Hirotaka Ueno

第Ⅱ章。「現れし古に伝わりし指輪」8話、悪魔の執事は義理難い?。「~失望と愛~導かれし悪魔の未都市。」0011

2021年12月24日 08時40分05秒 | 「~失望と愛~導かれし悪魔の未都市。」【R15】(自作小説)


第Ⅱ章。「現れし古に伝わりし指輪」8話、悪魔の執事は義理難い?。「~失望と愛~導かれし悪魔の未都市。」0011


0011_悪魔の執事は義理難い?

デミュクが朝起きるとイリスは、既に起きていた。
まだ、太陽が顔を出してない。
辺りは、暗い。
イリスは、太陽の出る方向に向かって、
足を正座し、両手を握り合わせて、
何かを呟(つぶや)いていた。
「天におわします神様。
 デミュクさんを守護してください。
 私は、一層努力します。
 神の元へ使えます。
 デミュクさんをお守りください」
デミュクは、体を起こし起き上がるのをやめた。
寝ている体制で薄目を開けて
イリスに起きていると悟(さと)られないように見ていた。
気配を感じたのかイリスは、少し恥ずかしがり、
祈りを終え、納屋から出て行った。
朝の食事を用意するためである。
暫(しばら)くして、東の空が赤くなる。
日が昇(のぼ)り始めた。
「すみません。デミュクを知りませんか?」
執事のシュシャンがイリスの家を尋ねて来た。
シュシャンは、そこに来るまでに数件の家を訪ねて回った。
探している振(ふ)りをするためである。
デミュクのいる場所は、既に分かっていた。
イリスは、驚いて飛び出て来た。
「デミュクさんを知っています。
 ここに居ます。
 あなたは、デミュクさんの家の方ですか?」
「はい。
 執事のシュシャンと申します。
 デミュクは?」
「ここに居ます。
 少しお待ちください」
イリスは、納屋に走って行った。
「デミュクさん。
 執事のシュシャンさんが、
 あなたを探しておいでになりました」
デミュクは、嬉しそうに納屋から出て来た。
デミュクには、分かっていたことだが、
実際に会えるとなると一層嬉しくなるものだと思った。
(予定通り。
 フェリィーフェルにも感謝しないといけない)
デミュクは、はやる気持ちを押え毅然(きぜん)さを維持した。
逆に執事のシュシャンは、感情を露(あら)わにして喜(よろこ)び駆け込んで来た。
「デミュクさま。ご無事で何よりです。
 行方が分からず、心配しておりました」
シュシャンの本音である。
司祭リュウジェが国を乗っ取ってから、
追われて行方(ゆくえ)が不明だったのは事実です。
しかし、悪魔の執事がそれほど感情があるとは思わなかった。
やっぱり、だれしも家族を大事に思う。
それは、生命の摂理である。
執事シュシャンは、服を用意していた。
それとビジネス鞄(かばん)を持ってきている。
服は、折り目が正しく整っていた。
その時代に相応(そうおう)な貴族が着る服装と言うより、
現代のスーツに近かった。
悪魔は、派手なビラビラの襟(えり)より、
普通の装飾のない襟を好んだ。
それだけのことである。
未来を知っていたわけではない。
デミュクは、それを両腕で持つと
「パン」と宙(ちゅう)で弾(はじ)いた。
おまじないなのか?
服に妖精が着(つ)く。
物にも命が宿るのである。
それは、魔法の魅力(みりょく)を帯びるための儀式。
そして、靴(くつ)を磨(みが)いた。
昨日の作業の疲れとは別に、
ピカピカに光った。
イリスは、その姿に惚(ほ)れ惚(ぼ)れした。
準備は完了した。
「シュシャンも来れるのかい?」
「はい」
「それでは、街に繰り出そう」
「少しお待ちください」
イリスは、慌ててはやるデミュクをとめた。
「お食事を!大したものではありませんが」
「じゃ。いただきましょうか?
 執事の分はありますか?」
「ありますとも」
デミュクと執事は食事をお呼ばれすることにした。
と言ってもポテトと人参のスープである。

 

つづく。 次回(街、領主、商談?領主は、偉い人なの?)こんどこそ、でも題名は変更があるかもです。

#自作小説 #失望 #愛 #導かれし悪魔の未都市 #デミュク #導かれし未都市 #イリス

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 3D学習(金環の輪) | トップ | 道路(白線)の描画 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

「~失望と愛~導かれし悪魔の未都市。」【R15】(自作小説)」カテゴリの最新記事