ひろひろの生活日記(LIFE Of HIROHIRO)

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0293_神々の合議(018)裕也の冒険-地獄の業⑫-

2020年12月19日 09時39分40秒 | 裕也・冒険日記(自作小説)

0293_神々の合議(018)裕也の冒険-地獄の業⑫-

--地獄の業⑫土埋め地獄--

裕也は、何もない土の上に連れてこられた。
「これが、最後の地獄。
 土埋め地獄だ」
スコップを渡される。
「これで、自分が入れる穴を掘れ」
土埋め地獄とは、植物に対する罪を罰する地獄である。
裕也は、一生懸命に穴を掘った。
何時間かかっただろうか、ようやく人が入れる大きさの穴が掘れた。
鬼は、その中に入るように促(うなが)した。
裕也は、躊躇(ためら)いなく入った。
鬼たちは、土を被(かぶ)せていく。
裕也の体が埋まっていく。
肩まで埋まった。
「これぐらいで良いのではないか?」
鬼は、他の鬼に問いかける。
「そうだな。これ以上埋めると息が出来なくなるな」
「閻魔様に聞いてこい」
鬼は、駆けてだして行った。
そして、暫くして戻ってくる。
「最後まで埋めろとのことだ」
「裕也。ごめん」
鬼たちは、最後まで裕也の体に土を被した。
頭の上まで土で埋まっていた。
(息きが出来なくなる。
 どうすれば良い?)
(次元移動で息を吸えばいいんだよ)
気持ちの妖精が答えた。
(すぅー。すぅー)
(確かに吸える)
裕也の精神は、清められていく。
3日たった。
裕也の額の真ん中の上の方に少し丸い窪(くぼ)みが出来る。
そして、そこから光が漏(もれ)れだした。
地獄の至る所に植物が生えだす。
血の池も針山も虫の擂鉢(すりばち)も緑で覆(おお)われていく。
裕也には、地獄の様子が脳裏に見えていた。
(地獄自体。宿業を転換した)
裕也は、そう思った。
そして、胸の前に両手をかざした。
ゼウスの天空の城を創った時のように力を入れた。
大地、海、森、家、魚、動物、妖精、優しい光…。
地獄を閻魔様を除いて鬼や罪人の平穏に暮らせる土地を思い浮かべ願い、
星を宇宙を創造した。
地獄は、焔魔堂を除いて全てのものは消えた。
裕也は、ただ一人、閻魔様の前に座っていた。


つづく。次回(白微穴)

#裕也の冒険 #自作小説 #神々の合議 #裕也 #地獄の業 #土埋め地獄

 


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