Kaz Laboratory  (KazLab)

Knowing the A to Z of :-)
Kazが読んだ本、考えたこと、日々の記録

会社は株主のものでない

2006-01-19 00:45:04 | 法律・経済・政治
会社は株主のものではない

洋泉社

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1月16日にライブドアに東京地検の家宅捜索が入り、昨日、今日と市場は混乱している。日経新聞のコラムでも「時代の潮目となるかもしれない」と書いている。

偶然にも、ちょうど家宅捜索に入る前日にこの本を読み終えた。
標題はもちろん、ライブドアに象徴される六本木ヒルズ資本主義に対するアンチテーゼ。

岩井克人・東大教授や「反戦略ビジネスのすすめ」の平川克美さん、元マイクロソフト日本法人社長の成毛真さんなど、K好みの論客による会社の考え方の提示。
軽い語り口だが、いくつも重要な示唆を含んでいる。

曰く、現代は人間が利益を生む時代、株主主権論は正当性を失っている
曰く、会社は誰のものでもない、共同幻想としての会社という視点。
曰く、株主主権という考え方もトレンドにすぎない

さて、潮目はどう動くか・・・



日本経済改造論‐いかにして未来を切り開くか

2006-01-15 22:18:44 | 法律・経済・政治
日本経済改造論―いかにして未来を切り開くか

東洋経済新報社

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「1940年体制」の野口教授による、バブル~”失われた10年”~最近の復活までの概括。野口さんによれば構造改革自体は小手先であって、「1940年体制」は堅固に維持されており、税制・年金制度など抜本的な改革が必要と説く。

総論はOKなのだけど、実際、霞ヶ関の役人や、丸の内の大企業からも転職者が続々出て人材の流動化は始まっていて、すでに1940年体制は綻びが見えると僕は思う。シスコシステムズやアマゾンのような21世紀の企業は日本からは生まれ得ない、ソフトバンク、ユニクロ、楽天はグローバルな視点から見ればニッチな成功にとどまると特に論証もしないまま主張するのだけど、果たしてそうなのかな。

前半の精緻な経済分析に比べて、後半の主張に粗さが目立つ。
NYに比べて、日本の床屋は髭剃りやシャンプーがついてきて値段が2倍だというが、QBハウスを教えて差し上げたい。


円満退社

2006-01-15 22:00:31 | エンターテイメント
円満退社

幻冬舎

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定年退職を迎える日、この日を平穏に終えたい支店長と彼の退職金を巡る騒動劇。
一日のうちに行員の失踪、粉飾決算の取引先、大物右翼、金融庁検査官、さらには支店長の悪妻・・とクセのある人物ばかり支店に登場する。これらの人物が持ち込む騒動ネタを、これまで新卒で入行以来、大過なく宮仕えすることだけで凌ごうとしてきた主人公である支店長に降りかかる様が可笑しい。

偶然であった美人の女子高生登場がストーリー転換になるという構成はありきたりだとか、仮にもメガバンクの行員で、投信の販売資格試験に何度も落ちるヤツはいないだろ~、とか、真面目一徹の支店長がなんで出会い系サイトにアクセスしてんだとか、こまかい設定にアラはあるものの、三谷幸喜あたりの脚本でドラマか映画もみてみたいエンターテイメントです。





雨の日にイルカたちは

2006-01-15 21:37:39 | エンターテイメント
雨の日のイルカたちは

文藝春秋

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セカチューの片山さんの作品。
いまさら「セカチュー」を読むのも恥ずかしいので、新作を手に取ってみた。
筆者の世界の成り立ち方についての認識は非常にシニカルで、そこを生きていく市井の人々に注ぐ視線は限りなく優しい。

ただ一貫して非常に内省的で、この小説から元気をもらうのは、いまの僕には厳しいかな。

これからはこの仕事!時代を先どる24の新市場

2006-01-09 22:43:42 | 経営戦略・仕事スキル・キャリア開発
これからはこの仕事!―時代を先取る24の新市場

幻冬舎

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最近、注目している三神万里子さんの本をはじめて手に取りました。

政策コンサルタント、ターンアラウンドマネージャー、プロスポーツエージェントなど、「どうやったらなれるの??」「どんな仕事なの??」という一般人の疑問を、綿密なインタビューをもとに構成された記事と、著者自らの筆によるギャグ漫画で、氷解させてくれる、実に内容てんこもりな良書です。才人ですね~この人。





ポッドキャスティング de 英会話

2006-01-08 23:58:43 | 経営戦略・仕事スキル・キャリア開発
ポッドキャスティングで英会話! iPodで無料レッスンはじめました!

英治出版

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大前研一さんは現代のビジネスパーソンが身に付けるべき3つの知識として、IT、ファイナンス、英語であると説く。

僕自身も、前職の終身雇用に見切りをつけるとき、何をコアな競争力にしていこうかとしたときに「英語とリーガルセンス」と、明治時代の官僚のようなことを考えた。
その割に、昨年1年間は、「英語耳」育成をさぼりっぱなしであった。
ひとつには、通勤の電車中にblogのネタを考えたり、携帯電話で更新していたからではあるが・・・。
言い訳していてもしかたないので、流行のポッドキャスティングでやってみるか・・・と考えていたところに、見つけた一冊。

米国のポッドキャスティングをやっているお役立ちWEBのURLも紹介されていて、なかなか使えそう。
表紙レイアウトもi-podになっててなかなか可愛い。


運命の法則‐幸運の女神と付きあうための15章

2006-01-03 23:27:13 | 哲学・心理学・自己啓発
運命の法則―「好運の女神」と付き合うための15章

飛鳥新社

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筆者の天外さんは、創業期以来のソニーの技術者で、CDの発明、ワークステーションの大ヒット、AIBOの開発と非常に大きな仕事をしてきたエンジニアですが、この本自体は、とてもスピリチュアルな要素に溢れています。
科学的、合理的思考を究めた筆者だからこそ書ける「運命の神秘」とでもいうのでしょうか。
自分の人生を振り返っても、同意すべき事象もいくつかあって、不思議に納得させられます。

かなり好き嫌いの分かれる内容なので、誰にでも薦められる本ではないかもしれませんが、年のはじめに、僕が気に入ったセンテンスを一つだけ紹介。

運が悪かったときに、泣き叫んだり、ジタバタしたりしないで、それを淡々と受け入れると、いつかは幸運が訪れる。つまり、運命に「貸し」を作ると、やがてそれが返ってくる、という話は、表面的には荒唐無稽だが、皆の心にはストンとおさまる。