日本経済改造論―いかにして未来を切り開くか東洋経済新報社このアイテムの詳細を見る |
「1940年体制」の野口教授による、バブル~”失われた10年”~最近の復活までの概括。野口さんによれば構造改革自体は小手先であって、「1940年体制」は堅固に維持されており、税制・年金制度など抜本的な改革が必要と説く。
総論はOKなのだけど、実際、霞ヶ関の役人や、丸の内の大企業からも転職者が続々出て人材の流動化は始まっていて、すでに1940年体制は綻びが見えると僕は思う。シスコシステムズやアマゾンのような21世紀の企業は日本からは生まれ得ない、ソフトバンク、ユニクロ、楽天はグローバルな視点から見ればニッチな成功にとどまると特に論証もしないまま主張するのだけど、果たしてそうなのかな。
前半の精緻な経済分析に比べて、後半の主張に粗さが目立つ。
NYに比べて、日本の床屋は髭剃りやシャンプーがついてきて値段が2倍だというが、QBハウスを教えて差し上げたい。