宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

勝手に趣味ブログ
のんびりしようよ

月影の門 31

2009-04-01 22:17:59 | 小説 月影の門
「   ・・・あ」
 ミイコが、車の窓にへばりついた。
 コウジとマドカが見ると、一台の車が・・・・
「・・・あ」
 それを見て、マドカが声を上げる。
 モルドに襲われて乗り捨てた車だった。
 マドカとミイコの間にちょっと気まずい空気が流れる。
「あれは、後で調べて、動かないようならレッカーするしかないですね」
 さらりと、流すコウジ。
 そのまましばらく走り、アパートの駐車場で車を止める。そして、車を降りようとする二人に
「ちょっと、待ってください」
 と声を掛けた後、助手席に置いた荷物をがさごそ引っ掛きまわし、それを二人に手渡した。
「え・・・、これ」
 それを手にした二人は、お互いに顔を見合わせる。
「とりあえず、護身用です。その程度では、牽制くらいしか出来ませんが、なにもないよりましでしょう。ただ、人に対する攻撃力は、十分ありますから、間違っても、人に向けて発砲する事はしないで下さい」
 間違う以前に、こんなもの使いたくない。というのが本音だが・・・。
 マドカはそれをズボンのベルトに差し込み、ミイコは肩から提げたポシェットの外ポケットの突っ込んだ。
「いいですか、危ないと思ったら、すぐに逃げてください。それから、危険と思うところには近づかないこと。お願いします」
 車から出た二人に、改めてコウジが注意する。
 それに二人が頷くのを確認して、建物に向かった。
コメント
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