「でも、あれ、外ってこんな暗かったっけ?」
マドカの台詞にミイコが辺りを見回す。
確かにおかしい。普段は、近所の看板や街灯のあかりがあるはずなのだ。それなのに、見事な真っ暗闇。墨を流したような、とは、こういう事をいうのであろう。
「ね、あれ」
ミイコがマドカをつつく。
その指し示したほうを見ると、ぼんやりとした月明かりの中に見える人影。
「あれ、トシ君じゃない?」
「本当だ。何やってんだ、あいつは」
トシ以外にもいくつかの人影が見え、次の瞬間、マドカがミイコを抱えるようにドアの影へ転がり込んだ。
「ななな・・・、何なのあれ。それに、ここ何処よ」
床の上にへたり込んだまま、辺りを見回すミイコに
「俺が知るか」
マドカがぶっきら棒に答えた。
実際、答えようがないのだ。マドカ自身、何が自分の身に起こったのか理解できないでいるのだから。
まさしく“ここはどこ、わたしはだれ”という状態なのだ。
マドカの台詞にミイコが辺りを見回す。
確かにおかしい。普段は、近所の看板や街灯のあかりがあるはずなのだ。それなのに、見事な真っ暗闇。墨を流したような、とは、こういう事をいうのであろう。
「ね、あれ」
ミイコがマドカをつつく。
その指し示したほうを見ると、ぼんやりとした月明かりの中に見える人影。
「あれ、トシ君じゃない?」
「本当だ。何やってんだ、あいつは」
トシ以外にもいくつかの人影が見え、次の瞬間、マドカがミイコを抱えるようにドアの影へ転がり込んだ。
「ななな・・・、何なのあれ。それに、ここ何処よ」
床の上にへたり込んだまま、辺りを見回すミイコに
「俺が知るか」
マドカがぶっきら棒に答えた。
実際、答えようがないのだ。マドカ自身、何が自分の身に起こったのか理解できないでいるのだから。
まさしく“ここはどこ、わたしはだれ”という状態なのだ。