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宇宙時間 ソラノトキ

風樹晶・かざきしょう

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のんびりしようよ

みらーじゅ 17

2008-11-21 21:30:24 | 小説 ミラージュ
 闇が、走るブルラディーヌを襲う。
 あたり一面黒い霧が立ち込め、全てを覆い隠す。
『明球輪』
 ただの霧であれば、十分な筈の明かりも、闇の霧に光を吸い取られてしまい、何の役にも立たない。
 グルラディーヌは、焦っていた。少し前、血の匂いを嗅いだ様な気がしたのである。
 とっさに頭に浮かんだのは、姉のグシシーヌとチョウカの事。レトは、・・・・あいつなら多少何事があっても大丈夫だろうと放っておく。そこへ、この霧である。
 偶然にしては、出来すぎではないか。
 しかし、この霧では、動くのもはばかられる。とは、いうものの・・・・。
 しばらく考え込んだ後、ある術を試してみることにした。
『爆烈旋風』
 これは、物質だけではなく霊的なものにまで作用を及ぼす為、これが自然現象でなく何らかの術によって作られた霧であっても、効果を及ぼす・・・はず。
 ごうっ
 周りの草木を揺るがして、グルラディーヌを中心に風が舞う。
 しばらくして、風がおさまると、闇の霧も消え去っていた。
 それでも、悪い予感は、消えない。それどころか血の臭いが更に濃くなったような気がするのである。
 クルラディーヌは、急ぎ小屋に向かい走り出した。
コメント
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