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風樹晶・かざきしょう

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リーフ 3

2008-08-22 09:58:24 | 小説 リーフ
 で、このような異常事態が起きた場合、当然、身近にいるエライヒトに相談をする事になる。
「で、マリーヌは、何か言った?」
 食堂へ戻ったラウルシャインにレムが勢い込んで訪ねた。
 マリーヌと言うのは、ラウルシャインの魔術の師匠・魔導師マルグリットの事である。
 今でこそこんな村外れの辺鄙なところに住んで静かに魔導師(というより、ほぼ隠居に近い)生活などしているが、以前は、どこぞの王宮のお抱え魔導士であったという程の実力者なのだ。
 ちなみにここは、彼女の住居「マリーヌの館」でラウルシャインの家ではない。
 そう言うレムも他人・ひとの事はいえない。
 マリーヌの弟子であるラウルシャインがここにいるのはともかく、マリーヌが気にしないと言うので、レムなど自分の家のように出入りしているし、ただ飯まで食っている。しかも、ラウルシャインが作ったものを・・・。
 現在も他人様の食堂を占領し、ラウルシャインの焼いたパンをつまみながら、お茶を飲んでいたりする。
「師匠が言うには、魔力はそこそこ。だけど、伸ばし方次第で、精霊術・精神魔術系がいい線行きそうだって。記憶喪失の方は、頭を打ったせいだと思うから、そのうち、時間がたてば治るんじゃないかって。それに、行く当てがないなら、しばらく、ここに置いてもいいって言ってたけど・・・・。なんか、妖力とかいう力があるって随分、興味持ってたみたい」
「へ・・・ぇ」
 ラウルシャインの言葉に、レムが考え込む。
 マリーヌが館に置いても良いって言ってるって事は、危険はない。と、言う事だ。
 それに、隠れた才能を見出し、見込みのある者に魔術を教える事が殆ど趣味と化しているマリーヌが興味を持った上に、いい線行きそう と、言っているのだ。素質はあると思って間違いないだろう。
 しかし、問題がない訳ではない。マリーヌは、魔導師としても超一流だし性格が悪い、訳でもないのだが・・・・。
 何にでも興味を持つ割には、自分で面倒を見ることをしないのだ。
 正確に言うと、魔術に対しては超一流なのだが、家事となるとほぼ全滅と言っても間違いはないだろう。
 それがどのくらいのものかと言うと、・・・。
 人間が生きていく(生活していくではない)上で、最低限の食事(と言っても良いのだろうか)しか作れないし、掃除もしない。
 彼女の弟子になった当初、余りのひどさにラウルシャインが自分から家事を買って出た程なのである。
 “だって、パンとミルクは別として、ゆで卵とサラダ(生野菜を洗っただけ)しか作れないんだもん。”というのが、ラウルシャインの弁だ。
 つまり、マリーヌの場合、面倒を見たくても見られないというのが正解なのであった。
 おかげで、弟子であるはずのラウルシャインなどこの館の家政婦、あるいは影の主と化してしまっている。
 そのマリーヌがカルを置いても良いと言っているということは、誰かが世話をしなければならないと言う訳で・・・。

やっぱり、というか思った通りと言うか、マリーヌはカルの世話をレムとラウルシャインを頼んで(押し付けて、ともいう)仕事だと言ってどこかへ出かけてしまった。
「カルの事、よろしく頼むわね。まぁ、時間がたてばそのうち記憶も戻るだろうし。後でどうなったか教えてね」
 と言い残して。


※ リーフ 3回目です。よくまあ、こんな訳の分からないのを書いているなあ、と自分でも思います。
 今回は、登場人物を整理してみようかと思いました。まずは、
 カル      記憶喪失の為、本名不明。小柄で長い黒髪の少女。
 レム      マリーヌの館に遊びに来た少女(トラブルメーカー?)。
 ラウルシャイン カナリア色の髪の少女。カルを拾った張本人。
 マリーヌ    ほぼ隠居状態の魔導師。ラウルシャインの師匠。
   本名・マルグリット 心が広いのか、単にずぼらなのか・・・・。

 以上が現在出演中の4名です。
 一応、ファンタジーのつもりで書いています。
 これからも、ヨロシクお付き合いください。
コメント
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