普通とは何か？ その１

　明鏡国語辞典によると【普通】とは、他の同種と比べて特に変わった点がないこと。特別でなく、ありふれていること。とあります。

このままでは漠然としすぎてパッとしない…。
なので、色々な側面から考えてみます。

　最初に“普通ではない”場合を考えてみましょう。
分かり易く『記憶力の良い人と悪い人』に例えると、“普通の人”は記憶力が良い人と悪い人の間にいる。と考えられます。

　そもそも記憶には、すぐに忘れる「短期記憶」と、ずっと覚えている「長期記憶」がある。
テストの前日に徹夜をして覚える一夜漬け等は短期記憶のため、２～３日もすれば綺麗サッパリ忘れてしまう。
しかし、定期的に復習することで長期記憶として保存されるようになる。
これらの記憶は保存される場所が異なる。
短期記憶は脳の海馬に一時的に保存されるが、じきに忘れてしまう。
しかし、何度も繰り返し思い出すことで大脳皮質の連合野でまとめられ、長期記憶となる。
話は逸れたが、記憶力の良い人は常に覚えたことを思い出すことを繰り返す事によって神経回路が活性化されているので、すぐに覚えることも思い出すこともできるのだ。
一方、記憶力の悪い人はただ覚えているだけで思い出そうとしないので、なかなか覚えることができない。
“普通”の記憶力を持った人は、良くもなく悪くもなく、どっちつかず…といったところでしょうか。
　
　ああ、ついでにサヴァン症候群の話もしときましょう。
サヴァン症候群とは、特定の分野において常人には及びがたい才能を発揮する症状のことである。
その症状を持った者は「何の公式も使わずに数学の問題を見ただけで解を導くことができる」や
「今まで見たもの全て忘れることができない」など“普通”の人には真似できない能力を持っている。
しかし彼らは、共通して何らかの精神的、知的障害を抱えているので「イディオ・サヴァン（＝白痴の天才)」とも呼ばれている。
　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その２へ続く

《Tomiyama tenyou》

出典：http://www.pri.kyoto-u.ac.jp/brain/brain/40/index-40.html