さて、今回は嗅ぎたばこの話です。
嗅ぎたばこって聞いたことありますか？ どこかで聞いたことあるかもしれないけど、どんなものか全く知らない。という人がほとんどだと思います。日本でタバコといえばシガレットのこと・・・あとはキセル、葉巻、パイプ、知名度があるのはそのくらいでしょうか。
でもタバコという世界にはまだまだ沢山の種類があります。中東の水タバコ(シーシャ)やイギリスの嗅ぎたばこ（スナッフ）や北欧の噛みタバコ（スヌース）など、日本で馴染みのないタバコの楽しみ方があるんです。今回はその中でも嗅ぎタバコについて紹介します。
嗅ぎたばことは、読んで字のごとく香りを楽しむタバコです。英語ではSNUFF（スナッフ）と言います。あのムーミンに出てくる旅人スナフキンの元ネタでもあります（スナフキン＝嗅ぎタバコを嗜む者）。嗅ぎたばこはタバコを粉末状にしたもので、この粉を鼻から少し吸い込んで楽しみます。ただ粉末にしただけではなく、香料が添加されているものが殆どで、様々な香りを楽しむことができます。
この粉を手の甲の窪みに適量出して…鼻を近づけてゆっくり吸い込む。
はい、完全に危ない人。
この吸引の光景は完全にイケナイ薬をやってるようにしか見えない！
でもこれが正しい方法なんだよ！
ヨーロッパの貴族は煙が服につくのを嫌い、この嗅ぎたばこを優雅に楽しんでいたんです。その方法を薬中がパクって現代に至ります。鼻粘膜から吸収するのが効率的だったのでしょう。歴史的には嗅ぎたばこが先、ドラッグが後なんです。
粉を鼻から吸うだけなので当然ですが火を使いません。煙も出ませんし、タールやその他の有害物質も発生しません。使っている本人には匂いを感じますが、周囲の人に匂いが漏れることもありません。いいことだらけ。
欠点も当然あります。鼻粘膜からごく少量のニコチンを取り入れるわけなので、ニコチン摂取には非効率です。現在シガレットを常用している人にはほぼ効きません！ ゆっくりじんわりと時間をかけてニコチンが回ります。普通のシガレットみたいにガツンと効くものではありません。 そして肺癌のリスクは無いですが、鼻腔癌になる可能性がゼロでは無いです。あまり聞いたことありませんが。
さて、ここからいくつか商品を説明していきます。
①ポッシェル社アプリコット・スナッフ（ドイツ製）
かなり有名な商品です。嗅ぎたばこを扱ってるお店なら絶対に置いてあるくらいの定番です。
これは僕が気に入ってるフレーバーのひとつで、甘いあんずの香りがします。あんずの香りの中で微かにミントが効いていて飽きのこない上品な香りです。価格もかなり安く、400円くらいで買えます。内容量は10グラムです。嗅ぎたばこ全般に言えることですが、全然減りません！
毎日使っても数ヶ月は無くならないと思います。下手したら1年以上かかるんじゃないでしょうか…。
②ポッシェル社コーラ・スナッフ（ドイツ製）
アプリコットと同じ会社の同じシリーズの別フレーバータイプ。コーラ風味です。
コーラと言っても高級なコーラではなく、駄菓子感あふれるチープコーラの香り。使い勝手はアプリコットと同じですが、こちらは変わり種ですね。たまに使うなら気分転換になるかも。何度も使うと確実に飽きる。鼻の中がコーラタブレット。
②ポッシェルOzona President Snuff（ドイツ製）
こちらも同会社ですがオゾナというシリーズの嗅ぎたばこです。
プレジデントスナッフというだけあって値段はちょっと高めの550～600円くらいです。内容量は7グラムで少なめ（とはいえ全く減らない…）
高級感溢れるキラキラのパッケージで、鏡の代わりにも使えます。鼻の下に粉が付いてないか見れます。意外と便利。
味わいも上質で、ミントの香りですが複雑で優雅な香りが楽しめます。ただのミントとは明らかに違う、その正体は謎。王道を往くミント、その真髄は奥が深いです。初めて嗅ぎタバコをやってみる方にオススメ！
②サミエル・ガーウィズ社メントール・スナッフ（イギリス製）
こちらは英国の老舗サミュエル・ガーウィズ社の商品です。超低価格（350～400円くらい）の嗅ぎたばこで、価格通りの香りです！
粉もパッサパサに乾燥していて鼻に優しくないです。正直言ってまったくオススメできない。同じミント系でありながら、上で紹介したプレジデントスナッフとは比較したくもない香り。なんというか薬品っぽいです。メントールだからかも。どちらにせよ回避すべき商品。
②ウィルソン社アイリッシュ・コーヒー（イギリス製）
こちらもイギリス製。ちょっと高級なメーカー、ウィルソン社の商品です。5グラムで600円くらいします。
他のメーカーと違ってパッケージが円柱で変わっています。超開きにくいフタを開けると粉が満ぱんに詰まっています。初めての人は必ず床にぶち撒けます
別途で容器を用意しないと使い難いので注意。そして肝心のフレーバーですが…説明では「アイリッシュウイスキーとコーヒーの香り」だそうですが、なんの匂いもしない！ なんの匂いもしないぞ！ 強いて言うならハムスターの飼育箱だ！ なめとんのか英国人！
高級なのは値段だけです。老舗のくせに意味不明です。
②ポッシェル社Lowen Prise Snuff（ドイツ製）
いいぞ～コレ！
ポッシェル社のちょっと高級な嗅ぎたばこです。10グラム、600円。
めちゃめちゃ気に入ってます。ベースはミントですが、ほのかにアニスとリコリスの爽やかな香りを感じます。アニスとミントの組み合わせは以外に絶妙で飽きがきません。清涼感と重厚なスパイスのフレーバーが良い感じです。万人にはオススメできないが、リコリスOKな人なら絶対に試してみるべき。
さて、商品紹介はこの辺にしておきます。
嗅ぎタバコは面白いです、非喫煙者でも楽しめます。というよりも非喫煙者のほうが楽しめます。シガレットとは完全に別物と考えてもらったほうがイイです。ニコチン摂取というよりも香りを楽しむ文化だと思って下さい。興味のある方はぜひ、試してみてください。お金も殆ど掛かりません。
