悲しみの中枢

　“cg25”って聞いた事ありますか？
脳の大脳辺縁系あたりで発見された部分で“悲しみの中枢”と呼ばれています。
大脳辺縁系は感情や記憶を支配している領域で、発見された“cg25”は悲しみを支配している部分だと分かりました(brain anatomy)。
鬱病の患者11名の“cg25”に電気信号を与えると、8名の症状が改善したのです。
つまり、人間の心というものは脳の活動の一つだと言えるのではないでしょうか。
これまで複雑だと考えられてきた感情というものですが、機械と何も変わらないように思えます。
　他の感情の中枢（怒り,恐怖,幸福）などを見つけたらどうなるのでしょうか？
軍事利用されるのは間違いないでしょう。脳に電気を流して感情を操った場合、果たしてそれは人間と呼べるのでしょうか？
　アメリカの国防高等研究計画局（DARPA）は科学技術を軍事技術に転換させる組織で、インターネットの原型を創り上げた組織でもあります。このDARPAの行っている研究の中に“脳の情報を直接読み取る”という内容のものがあります。
早い話が「脳に電極を刺して、脳の命令を読み取ってしまえ」というものです。
脳の電極から出る信号だけでコンピュータを動かすことが可能になり、ネズミの実験から始まり猿の実験を経て、2004年には人体での利用に乗り出しました。（詳しくは会報２８号）
　このような技術が発展すれば、人間の枠組みも変わってくるでしょう。いったいどこまでが人間と呼べるのでしょうか。

《Tomiyama Tenyou》