私事だか、今年から工場長となった。責任も重くのしかかり、ますます何をしても仕事が頭から離れない。
昼休みもずっと仕事の毎日。
何かを進めていないと不安でたまらないからだ。
思考も煮詰まりだした。
少し現実から離れたくて昼休み久々に散歩へ…
【生命感が戻ってきた水路】
いつもの水路沿いを散歩。
水質はきれいではないが、水辺の生き物を見ていたい。
田んぼからの濁りが少し取れて、無くなっていた水草も生えていた。
相変わらず鯉やたくさんの亀たちが水面を賑わしている。
2、3年前には見えバスもかなりいたが、この頃は姿を消していた。
ブラックバスは湖沼に入ると劇的に増える。確かにもともと住んでいた生き物達を喰らう。しかしそれも続かずやがて食料が無くなり、共食いをする。食物連鎖の頂点は数が自然淘汰されていく。
何より自分のようなバス釣り愛好家が通いつめ、大小関わらず釣りまくる。これが激減する原因にもなっている。
結果、バスは死滅、または危険を感じ何処かへ行ってしまう。
このブログは意外にも読まれていて、どうやら場所も知られているようで釣り人も増えた。そんな複雑な思いで水面を見つめながら歩いていた。
相変わらずたくさんの鯉が泳いでる。鯉はなんでも食べる。汚染にも強く繁殖性も高い。
結局、雑食性の高い生物が生き残るんだ…。
「ああ、人間みたいだな」
気分転換のつもりが、ますます滅入ってきた 笑
【目があったのは】
しばらく歩いていると、更に水質の良いエリアに入った。
…小バスの群れがいた。
水草にぽっかり穴が開いていて、そこに黒い尾びれをパタパタさせて好奇心旺盛な仔猫のように何かを追って水面を動き回っていた。
僕の存在に気付き、寄ってきそうなほどの素振りをみせた。
ほっとした。
数年間、ほぼ見かけなかった水路にバスは戻ってきた。
いや、自分がこの場所から離れていたから知らなかったのかもしれない。
彼らの姿を久々に見れたのがとてつもなく嬉しかった。
よろよろと土手から降り、水際を歩いてみた。
そして出会ってしまった。
40cm近いバスが水草の小窓からひょっこりと僕を見つめていた。
目があった瞬間、すうっと顔を引っ込め姿を消した。
「釣りたい」
欲望が僕を支配する。
ああ自分はバス釣りが好きなんだ。
時間を見ると昼休みが終わる直前。
すっかり仕事のことは忘れていたようだ 笑
明日は釣り道具を持ってこよう。
【令和初バスはあっけなく】
次の日、早目に目覚めた。
仕事に行くというより、「釣りに出かける」気分である。
おい、工場長、それでいいんか?と自問自答。
「まぁ、いいんじゃないか」
本来の楽天家の僕がつぶやく。
家族が寝静まってる中、埃をかぶっていた釣り道具を車に放り込む。
真面目に?仕事をこなし、いよいよ昼休み。
食事もそこそこ、さっそく車から道具を取り出しリグる(仕掛けを作ること)ためにバックを開けた。
「フックがない…」
やってしまった。
ソフトルアーがぎっしり入っているが、肝心の針がみあたらない。
バックの中身を出してみると、使い古しの釣り針がポロリ出てきた。
もとはマス針に根掛かり防止ガードが付いたものだった。ガードが壊れていたが、幸いにも錆びていない。
「なんとかなる」
いつもの楽天家の僕。こんなアクシデントの時ほど出会いがある。
いつものゲーリーヤマモト・カットテール4インチの赤をワッキー掛けで取り付け、昨日バスがいた場所へ向かった。
昨日、目があったポイントには近づかず、そのあたりまで遠投することにした。
大きなバスは何度も釣られていてスレている。人間の気配がなければ着水と同時に喰うはずだ。
戦略は的中した。
水草にひっかかったような、もさっとした感覚。ラインを張り続けているとぐいぐいとロッドに伝わる生命感。
巻き上げると横へ走るサンライン・フロロカーボン・バイトマーカーのピンク色。この認識性の高さにいつも助けられる。
しかし遠投したのでなかなか手繰り寄せられない。
昨日の40Up!?
ラインは3ポンド。水草に潜られてもなんとかなる。
エラ洗いのジャンプをされるとすぐにフックオフしてしまう。
ロッドは、しなやかさと軽さ、タフさを兼ね備えたアラミドヴェールのフェンウィック・テクナAV。10数年使い倒して数々のビックバスを仕留めてきたまさに相棒。
しっかりと相棒を下に向けながら慎重に手繰り寄せる。
しばらく釣りから離れていたが、基本は裏切らない。
時折、水草に潜り込む。焦らずラインを張り続けて出てくるのを待つ。
いや、あんまり綱引きをしているとささくれだったラインは切れる。
巻き上げるのを止め、自分から彼に近づいていくことにした。
ウィード(水草)での釣りは、選手時代に山中湖、河口湖、琵琶湖で百戦錬磨してきた。そんな自分を懐かしみながら彼ににじり寄った。
「張らず緩めず、慎重に」
自分に言い聞かせ、胸の高鳴りを押さえる。
彼と繋がっている唯一の細いラインが少し手前に寄ってきた。
水草が途切れたオープンウォーターになると、ようやく姿を見せた。
デカい…!
彼の抵抗が更に強まった。
が、しかし水草から出た時点で最後の力を振り絞ったのかすぐに弱って手前まで寄ってきた。
彼は胸ビレをパタパタさせて降参してくれた。
さあ、困った。
水面から岸際まで高さがある。
抜きあげるとラインは確実に切れる。
岸に寝転んでハンドランディングするしかないのだ。
ラインを掴み、寝転んで彼の顎を掴んだ。
バスボート上ならかなりカッコ良い場面である。
通りがかりの人が見たら、ただの岸に寝転ぶ作業着のおっさんだなと頭を過るが、この時は無我夢中だ。
フックアップしたマス針は、口の薄い部分右側皮一枚で刺さっていた。抜きあげたらラインが切れるどころかフックオフするところだった。
さあ、次の問題が。
顎を掴んだまでは良かったが、今度は起きられないのだ。
…運動不足 笑
そしてえっちらおっちらと立ち上がり、仕留めた彼を眺めた。
キズがほとんどないヘルシーなバスだ。あまりエサがないのか、ややスリム気味。今回のランチはルアーでごめんよ。
サイズを計測すると32cm。感覚的には約650グラムぐらいだろうか。
この水路のアベレージは20~25cm。32cmは上出来だ。
昨日見たのは君だったのか?釣り人はいつも大袈裟に魚の大きさを語る。昨日は尾びれがボロボロだったので、違いを確認した。
昨日の目があったバスではないが、グッドサイズの令和初バスをあっさり仕留めた。久しぶりの高揚感と感動。
そして昼休み終了の鐘と同時に仕事場へ駆け込んだ。
【令和初バスはあっけなく】
次の日も出会いを求めて同じ場所へ。
キャッチしたのはアベレージサイズ。
リグは少しでも水草をすり抜けたかったので珍しくオフセットフックにした。
愛らしい目と、大きな口。
針を飲んでいなくて良かった。飲まれると生存率が低くなるので、ほっとした。
「もう釣られんなよ」と釣り人らしからぬ言葉を投げかけ、そっと水に馴染ませながらリリースした。
バスは僕にとって大好きな猫のような存在。
特にボス猫が大好きで、見かけると胸が高まる。
ボス猫=ビックバスと出会うのは釣るしかない。釣って眺めて生きてきた年月や過程、食生活などを想像して丁寧にリリースする。狩りとは違うのである。
元来人間が持つ狩猟本能を満たされるのもあるだろうが、僕はブラックバスを食べない。
台湾では「淡水スズキ」と呼ばれ、食されている。きれいな湖沼や川であれば淡白で美味しい魚だ。
しかし僕は彼らを食べたことがない。
彼らを釣るのは、ただただ、会いたいからなのだ。
何もかも忘れ、彼らと向き合う時間。
またしばらくしたら会いにいこうかね。
ブラックバスからしたら迷惑な話なのだろうが。
令和はどんな時代になるだろう。
おこられるかもしれないが、外来種の彼らが帰化するのを切に願う。
昼休みもずっと仕事の毎日。
何かを進めていないと不安でたまらないからだ。
思考も煮詰まりだした。
少し現実から離れたくて昼休み久々に散歩へ…
【生命感が戻ってきた水路】
いつもの水路沿いを散歩。
水質はきれいではないが、水辺の生き物を見ていたい。
田んぼからの濁りが少し取れて、無くなっていた水草も生えていた。
相変わらず鯉やたくさんの亀たちが水面を賑わしている。
2、3年前には見えバスもかなりいたが、この頃は姿を消していた。
ブラックバスは湖沼に入ると劇的に増える。確かにもともと住んでいた生き物達を喰らう。しかしそれも続かずやがて食料が無くなり、共食いをする。食物連鎖の頂点は数が自然淘汰されていく。
何より自分のようなバス釣り愛好家が通いつめ、大小関わらず釣りまくる。これが激減する原因にもなっている。
結果、バスは死滅、または危険を感じ何処かへ行ってしまう。
このブログは意外にも読まれていて、どうやら場所も知られているようで釣り人も増えた。そんな複雑な思いで水面を見つめながら歩いていた。
相変わらずたくさんの鯉が泳いでる。鯉はなんでも食べる。汚染にも強く繁殖性も高い。
結局、雑食性の高い生物が生き残るんだ…。
「ああ、人間みたいだな」
気分転換のつもりが、ますます滅入ってきた 笑
【目があったのは】
しばらく歩いていると、更に水質の良いエリアに入った。
…小バスの群れがいた。
水草にぽっかり穴が開いていて、そこに黒い尾びれをパタパタさせて好奇心旺盛な仔猫のように何かを追って水面を動き回っていた。
僕の存在に気付き、寄ってきそうなほどの素振りをみせた。
ほっとした。
数年間、ほぼ見かけなかった水路にバスは戻ってきた。
いや、自分がこの場所から離れていたから知らなかったのかもしれない。
彼らの姿を久々に見れたのがとてつもなく嬉しかった。
よろよろと土手から降り、水際を歩いてみた。
そして出会ってしまった。
40cm近いバスが水草の小窓からひょっこりと僕を見つめていた。
目があった瞬間、すうっと顔を引っ込め姿を消した。
「釣りたい」
欲望が僕を支配する。
ああ自分はバス釣りが好きなんだ。
時間を見ると昼休みが終わる直前。
すっかり仕事のことは忘れていたようだ 笑
明日は釣り道具を持ってこよう。
【令和初バスはあっけなく】
次の日、早目に目覚めた。
仕事に行くというより、「釣りに出かける」気分である。
おい、工場長、それでいいんか?と自問自答。
「まぁ、いいんじゃないか」
本来の楽天家の僕がつぶやく。
家族が寝静まってる中、埃をかぶっていた釣り道具を車に放り込む。
真面目に?仕事をこなし、いよいよ昼休み。
食事もそこそこ、さっそく車から道具を取り出しリグる(仕掛けを作ること)ためにバックを開けた。
「フックがない…」
やってしまった。
ソフトルアーがぎっしり入っているが、肝心の針がみあたらない。
バックの中身を出してみると、使い古しの釣り針がポロリ出てきた。
もとはマス針に根掛かり防止ガードが付いたものだった。ガードが壊れていたが、幸いにも錆びていない。
「なんとかなる」
いつもの楽天家の僕。こんなアクシデントの時ほど出会いがある。
いつものゲーリーヤマモト・カットテール4インチの赤をワッキー掛けで取り付け、昨日バスがいた場所へ向かった。
昨日、目があったポイントには近づかず、そのあたりまで遠投することにした。
大きなバスは何度も釣られていてスレている。人間の気配がなければ着水と同時に喰うはずだ。
戦略は的中した。
水草にひっかかったような、もさっとした感覚。ラインを張り続けているとぐいぐいとロッドに伝わる生命感。
巻き上げると横へ走るサンライン・フロロカーボン・バイトマーカーのピンク色。この認識性の高さにいつも助けられる。
しかし遠投したのでなかなか手繰り寄せられない。
昨日の40Up!?
ラインは3ポンド。水草に潜られてもなんとかなる。
エラ洗いのジャンプをされるとすぐにフックオフしてしまう。
ロッドは、しなやかさと軽さ、タフさを兼ね備えたアラミドヴェールのフェンウィック・テクナAV。10数年使い倒して数々のビックバスを仕留めてきたまさに相棒。
しっかりと相棒を下に向けながら慎重に手繰り寄せる。
しばらく釣りから離れていたが、基本は裏切らない。
時折、水草に潜り込む。焦らずラインを張り続けて出てくるのを待つ。
いや、あんまり綱引きをしているとささくれだったラインは切れる。
巻き上げるのを止め、自分から彼に近づいていくことにした。
ウィード(水草)での釣りは、選手時代に山中湖、河口湖、琵琶湖で百戦錬磨してきた。そんな自分を懐かしみながら彼ににじり寄った。
「張らず緩めず、慎重に」
自分に言い聞かせ、胸の高鳴りを押さえる。
彼と繋がっている唯一の細いラインが少し手前に寄ってきた。
水草が途切れたオープンウォーターになると、ようやく姿を見せた。
デカい…!
彼の抵抗が更に強まった。
が、しかし水草から出た時点で最後の力を振り絞ったのかすぐに弱って手前まで寄ってきた。
彼は胸ビレをパタパタさせて降参してくれた。
さあ、困った。
水面から岸際まで高さがある。
抜きあげるとラインは確実に切れる。
岸に寝転んでハンドランディングするしかないのだ。
ラインを掴み、寝転んで彼の顎を掴んだ。
バスボート上ならかなりカッコ良い場面である。
通りがかりの人が見たら、ただの岸に寝転ぶ作業着のおっさんだなと頭を過るが、この時は無我夢中だ。
フックアップしたマス針は、口の薄い部分右側皮一枚で刺さっていた。抜きあげたらラインが切れるどころかフックオフするところだった。
さあ、次の問題が。
顎を掴んだまでは良かったが、今度は起きられないのだ。
…運動不足 笑
そしてえっちらおっちらと立ち上がり、仕留めた彼を眺めた。
キズがほとんどないヘルシーなバスだ。あまりエサがないのか、ややスリム気味。今回のランチはルアーでごめんよ。
サイズを計測すると32cm。感覚的には約650グラムぐらいだろうか。
この水路のアベレージは20~25cm。32cmは上出来だ。
昨日見たのは君だったのか?釣り人はいつも大袈裟に魚の大きさを語る。昨日は尾びれがボロボロだったので、違いを確認した。
昨日の目があったバスではないが、グッドサイズの令和初バスをあっさり仕留めた。久しぶりの高揚感と感動。
そして昼休み終了の鐘と同時に仕事場へ駆け込んだ。
【令和初バスはあっけなく】
次の日も出会いを求めて同じ場所へ。
キャッチしたのはアベレージサイズ。
リグは少しでも水草をすり抜けたかったので珍しくオフセットフックにした。
愛らしい目と、大きな口。
針を飲んでいなくて良かった。飲まれると生存率が低くなるので、ほっとした。
「もう釣られんなよ」と釣り人らしからぬ言葉を投げかけ、そっと水に馴染ませながらリリースした。
バスは僕にとって大好きな猫のような存在。
特にボス猫が大好きで、見かけると胸が高まる。
ボス猫=ビックバスと出会うのは釣るしかない。釣って眺めて生きてきた年月や過程、食生活などを想像して丁寧にリリースする。狩りとは違うのである。
元来人間が持つ狩猟本能を満たされるのもあるだろうが、僕はブラックバスを食べない。
台湾では「淡水スズキ」と呼ばれ、食されている。きれいな湖沼や川であれば淡白で美味しい魚だ。
しかし僕は彼らを食べたことがない。
彼らを釣るのは、ただただ、会いたいからなのだ。
何もかも忘れ、彼らと向き合う時間。
またしばらくしたら会いにいこうかね。
ブラックバスからしたら迷惑な話なのだろうが。
令和はどんな時代になるだろう。
おこられるかもしれないが、外来種の彼らが帰化するのを切に願う。
初めてコメントします。
こんな時期なんですが、バス釣りにハマってしまったおじさんですけれど、
こういった用水路でも釣れるんだな。。。と勉強になりました!!
を再開した時にはブログアップしてます。
また、全然上達しないレザークラフトを
したときはブログアップしてますので、暇
な時?覗いてください。最近、北海道の根室半島チャシ跡郡に行きましたので、ブログアップしてます。
楽天のブログで霧笛さんのかたふり日記で検索すれば見れます。
最近は息子と漁港でサビキ釣りします。なかなか釣れないもんですね。
昇格というか、工場長という名の雑用係ですよ。そんなぼやきも上手にブログにしていきたいです。
霧笛さんもたまにはブログUPしてくださいな。お互いほどほどにがんばりましょう。
おめでとうございます。
僕は相川らず下っ端です。出戻りだから仕方ありませんが。バス釣りやってますね、まるで漫画の釣りバカ日誌ですね。ますます忙しくなりますね。では、頑張ってください。
いつもブログ拝見してます。