50のひとり言~「りぷる」から~

言葉の刺激が欲しい方へ。亡き父が書きためた「りぷる」(さざ波)を中心に公開します。きっと日常とは違った世界へ。

「<ふしぎの森のイメージ>を鳩も聞きたくて」

2016-08-06 10:02:06 | 小説
「<ふしぎの森のイメージ>を鳩も聞きたくて」
「そんなんやないのん」
なるほど鳩に、気いつけやと声をかけるのが大阪人のイメージだった。和歌山の町ではない。ざっくばらんに言うと情のからまる答えを受入れられ易く言うことだった。
「鳩のデートやろう」
「もうちょっと」
「鳩も、御堂筋でデート」
音のしない拍手をなす和子。幼稚なのではない、啓の気分をちゃんと読んでいて、たわいない遊びを和子は思いついていたのだろう。

(「南幻想曲」つづく)