DOWN IN SMOKE 猫馬鹿無用編

再開!…忘れた頃に…そして、たぶんまた存在を忘れる…

映画「流星」(流星語)

2007年11月02日 | 映画感想(アジア)
監督:ジェイコブ・チャン  
主演:レスリー・チャン ティ・ロン 
1999年 香港

【ストーリー】

株価の大暴落で全てを失った元証券アナリストの男が、捨て子の赤ん坊を見つけ育て始める。そして4年後、実の母親が現れ…。(Amazonレビューより)

この映画のラストシーンがとても好きだ。

元ネタはチャップリンの「キッド」。

…と聞くと、愛情では繋がってるけど血の繋がりはない主人公親子の涙のラストシーンが想像しちゃいますよね。
でも、涙の別れのはずのラストシーンで登場人物が誰も泣いてないんですよ。
むしろ画面の中を流れる空気はさりげなく乾いている。

そこがこの映画の偉いところだと思う。

子供と別れるのにはいろいろ理由もあるんですが、最終的にはレスリー・チャン演じる父親が決断して(どころか子供捨てたことがトラウマになってる母親に「もう一度捨てるのか?」とまで言って)決めたことなのだ。

だからエンディングに流れる主題歌「小明星」はラストの子供と別の人生を歩むことになった主人公の心情をさびしく歌ったものだけど(つーか、レスリー本人が歌ってるし)、俺は泣くべきラストじゃないなと思った。
もちろん他の人が書いた感想で「泣いた」というのも読んだし、それが間違ってるとは思わない。

たぶん、これはひょんなことから捨て猫兄妹2匹と暮らすことになったからだと思う。
つまり俺は結婚もしてないのに「家族を持って育てる立場」になってしまったのだ。
毎日、俺も加えて三匹で仲良く暮らしてとても楽しい。
でも、二匹は猫だ。
いずれは俺が見送って別れることになる(この順番が逆だと考えたくないくらい俺は困ることになるわけですが)
まあ、これについては以上はうまくまとめて書く自信がないのでこの辺で。

しかし、この映画は雰囲気も好きだな~。
主人公親子二人をとりまく近所の人々の描写も香港の下町物って感じで。
息子のミンがめちゃくちゃかわいいしね~。
レスリー・チャンとの会話も「父と子」というより「男と男」という雰囲気なのがグッジョブ演出です。

あと忘れちゃいけないのが、中年の人のいい警官役のティ・ロン。
片思いの女性に死なれて、「(日常会話はしてたけど)心から話したことはなかった…」と後悔の涙を流すシーンには俺ももらい泣きさせていただきました。
この映画を見て以来、好きな人には心からの会話できるよう心がけてます。
人として大事なことを学ばせていただきました。
ありがとう、ホー兄貴<それは違う映画の役だ。

とにかくラストはさみしいかもしれないけど、途中の展開はほのぼのしてるし、香港映画のいい部分が詰まったオススメ作品です。
音楽もいいしね。

なによりレスリー・チャンがいい。
レスリー・チャンには長生きしてもらって、もっと彼の出演する映画を見たかったなあ。
やりかったと聞いていた彼の監督作も見たかった。
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