DOWN IN SMOKE 猫馬鹿無用編

再開!…忘れた頃に…そして、たぶんまた存在を忘れる…

映画「北京ヴァイオリン」(TOGETHER)

2008年04月15日 | 映画感想(アジア)
監督:チェン・カイコー
出演 : タン・ユン リウ・ペイチー チェン・ホン ワン・チーウェン

【ストーリー】
中国北部の田舎町。13歳のチュンは父と2人暮らし。チュンは、彼が幼いころに亡くした母の形見であるヴァイオリンを上手に弾き、周囲で評判になっていた。父リウはそんな息子に質の高いヴァイオリンの教育を受けさせ一流のヴァイオリニストにしてあげようと、必死に働き金を貯めていた。ある日、2人はコンクール出場のため北京へとやって来る。惜しくも5位に終わったチュンだったが、彼の才能を確信したリウは、有名な先生の個人授業を受けさせるため北京に移り住むことにする。そして、音楽教師チアンの情熱的な指導の下、チュンも練習に励むのだったが…(Yahoo!映画紹介より)

この映画好きなんです。
なにが好きかって訊かれても困るんですけどね。
なんかうまく説明できません。
でも、何回見てもあきないんですよね。
今日もBSで放映されてるの見ちゃったし。
一つ言えるとしたらリウ・ペイチーが演じた、この物語の主役であるあの「お父さん」が大好きなんです。

この映画の主人公はバイオリンを弾く少年じゃなくてお父さんです。
物語を動かす原動力になってるのは少年ですけど、主人公は間違いなく、あのヤボでカッコ悪くてバカにされっぱなしで舐められっぱなしの人が良いだけが取り柄みたいなお父さんです。
それは映画のラストシーンを見れば明らかです
あのラストシーンは親子の愛情を描いたシーンでもありますが、それ以上にあの物語で一番人生のど真ん中を歩いていたのは誰かちゃんと描いていたと思います。

ちなみに私はこの映画のドラマ版も見てました。
ドラマ版でお父さんを演じたのも映画と同じくリウ・ペイチー。
チェン・カイコーも藝術総監督とクレジットされてますが、ドラマ版の監督のインタビューを聞いていると、シナリオや演出にこそ参加していませんが、基本的なストーリーラインやキャラクター構成には参加していたようで、私が見たところ映画で使えなかったネタを使いまくっています。時々ドラマが破綻してるくらい(苦笑)
でも、ドラマ版でも主役はやっぱりお父さん。
なんせ少年が出てくるのは4話(たしか…)になってからで、プロローグはシリーズ初期のようなホントの乱暴なヤクザ者の寅さんみたいなお父さんの青春の挫折からスタートして、最終回のエピローグも少年の出番はなくてお父さんが締める構成ですから(しかもドラマのお父さんは「逃亡者」だしな)。
あと、このドラマではダメ人間は徹底的にダメ人間として描くジャガーさん的人間描写が特徴で、おかげで毎週「おいおい」とツッコミながら見るハメになりました。
あと最終回がちょっとビックリな構成で、 原題が「和你在一起(あなたといっしょ)」なくせに、登場人物全員が「一番そばにいて欲しい人のそばにいない」という展開なラストシーンなんだもんな。
いや、甘酸っぱい(苦笑)
でも、このドラマの場合はそこがよかった。
このドラマのテーマって「愛情は正しく使いましょう」だった気もするし。
「愛情は計画的に」によりそっちのほうが好みです。

…なんだかすっかりドラマ版の話になってしまった。

とにかく映画もドラマ版も見て思うことはただ一つ。

「あのお父さんには勝てね」

これにつきます。
私もあのお父さんみたいに自分の人生のど真ん中を歩いていきたいもんです。

映画のラストシーンのお父さんはそんなことを考えてしまうくらいカッコわるいところがカッコよく見えるんですよ。

(…「花の影」や「さらば、わが愛」見てたころはチェン・カイコーの映画見て自分の生き方を考えるとは思わなかったなあ)
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