DOWN IN SMOKE 猫馬鹿無用編

再開!…忘れた頃に…そして、たぶんまた存在を忘れる…

映画「サウンド・オブ・カラー」(地下鐵)

2008年12月23日 | 映画感想(アジア)

監督:ジョー・マー 
原作:ジミー『地下鉄』
出演:トニー・レオン ミリアム・ヨン チャン・チェン トン・ジエ エリック・コット ラム・シュー アレックス・フォン
2003年の香港クリスマス映画

                

【物語】
香港と上海、二つの街の物語。

香港ー。 
張海約(ミリアム・ヨン)は目の不自由な女性だが、何でも自分でこなし、仕事も持ち自立しているしっかり者。娘思いのやさしい父親と二人暮らし。
彼女は映画を見た後でも目的はよくわからないが、いえっささんの部下ならあんなもんだろう的天使から、結婚紹介所のチラシをもらう。
で、その結婚紹介所の調子がよく仕事っぷりもいいかげんな経営者何旭明(トニー・レオン)と出会う。
そして、とある出来事…というより例によっての何旭明のいい加減な仕事っぷりをきっかけに、張海約は、彼の持つユーモアと優しさに触れて好意を持つ。
しかし、、ある日、何旭明は、新開発の痩せるジュースを飲んで、ストーリー上は必要だが、展開的には何の脈略もなく失明してしまう(わはは、大事な展開をそんないい加減なアイテムで処理する香港映画のセンスがたまりません)。
暗闇への不安から心を閉ざし、世話をしてくれる友人たちにもあたり散らす何旭明。そんな彼を心配したヨークは、彼を街へ連れだす。
やがて二人は次第に恋に落ちるが、クリスマス直前、またまた天使がどう見てもその場のノリでいい加減な行動をしてしまうのであった…

上海ー。
台北の広告代理店で働く鐘程(チャン・チェン)は、クリスマス映画の定番「同僚にひたすら片思い」状態。彼女に思いを打ち明けるためにクリスマスカードを買ったが、地下鉄の中で天使が、どう考えても深い意味もなくカードをこっそりすり替える。
数日後、鐘程のもとに上海からクリスマスカードが届いた。
同僚に送ったはずのカードがなぜか上海に行ってしまい、そのお礼として彼のもとに返事が届いたのだ。
鐘程は事務所にあった名刺から送り主が董玲(ドン・ジエ)という女性だとつきとめ、上海へ飛び、上海の地下鉄で、道行く人のスニーカーの数と種類を数えている彼女と出会う。
で、彼女の閉じた心を感じた彼が彼女と行動を共にしてくれるおかげで、観客は上海の地下鉄見物ができ、昔、上海に行ったことのある筆者はあまりの上海の変わりように初見の時はビックリしたのであった(昔は、ブレードランナーに出てくるような街だったのに)


これはいい映画です。
今日みたいなクリスマス前の休日に見ると心に幸福感が残ります。
心が疲れてたりするととくに。
原作のジミーさんの絵本は痕跡しか残ってませんけどね。
…でもねえ、この映画には原作を読見終わった時に読者が感じたことが、この映画にはあるような気がします。

トニーさんは、「レッドクリフ」なカッコいい演技より、こっちの演技のほうが好きですね。ちょっとキャラクターが違うけど「裏街の聖者」の下町キャラ(実は少し変化球なんだが)好きでした。
トニーさんの演技力はホントにすごいんだけど、この映画についてはミリアム・ヨンの圧勝です。
はっきり言って障害者の演技は役者の飛び道具ですが、彼女の「目の見えない人の表情」はすごいです。しかも、それがさりげない。
目の見えない演技を表情だけで完璧にこなしてます。
先日、テレビで見た「武士の一分」の木村君なんか、がんばりはわかるんだけど、目のやりどころに困ってるのが時々見えるんですよね…と、この映画の彼女とくらべると木村君が不利です。それだけ彼女はすごいです。
初めて何旭明の優しさを「感じる」、前半のオレンジのお手玉のシーンの表情なんか最高です。

あとこの映画は脇役もいいです。
ラム・シュー演じるお父さんが、ひたすら娘思いのいい父親を演じてます。
「ファイティング・ラブ」でもいい父親演じてましたが、この時期はこういう役が続いてたんですねえ。あ、「ブレイキング・ニュース」も父親役だったか。
ところで、この父娘が二人暮らしなのは、やっぱり娘の失明が原因なのでしょうか?
映画を見るとそう思えてなりません。
でも、あ互い心から大事に思い合っている親子。
…と、勝手に想像してしまうくらい(例によって)味のある演技ですラム・シュー。
(ああ、「もちろん『エグザイル/絆』が見たいぞ。なぜ、神戸での上映がないんだ)
その他のエリック・コット達が演じる何旭明のにぎやかな友人達や、いい加減な結婚相談所の被害者(笑)であるチンピラもどき君、マセ小学生のチョイ役の皆さんもいい感じ。

音楽もベタだけど良いです。
とくにあの主題歌は聞くと「なんで日本のCMで使わないんだろう?」と思います。
あの幸福感ある曲はいい感じで使いやすそうなのに←コラ
ちなみにエンディングはトニー・レオンとミリアム・ヨンのデュエットでした。

とくかく、今日なんかに見るにはいい映画です。
これからレンタル屋に行くなら、これをお勧め

           
              
        あ、上海編について書くの忘れてた…

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« M-1グランプリ | トップ | クリスマスキャロルの頃には »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画感想(アジア)」カテゴリの最新記事