今日、ニュースで桂由美先生が亡くなられたことを知りました。
桂先生にお会いしたのは2008年のことでした。
当時、『片想いのお皿』という、2枚のプレートを合わせるとハートのかたちになるといううつわを作っていたことがご縁で、
北海道で最初の『恋人の聖地』として認定された厚田展望台(厚田の道の駅の上の方にあります)を視察にいらしたあとに、ありすcafeに立ち寄ってくださったのです。
つややかな白いお肌にロイヤルブルーのターバンがとってもお似合いで、思わず見とれてしまいました。
ほんのひとときの間でしたが、窓際の席に紅茶をお出しして寛いでいただきました。
お帰りになる時、私の目をじっとご覧になり、
「しあわせになってください。」
と、優しく握手をしてくださいました。
その手の柔らかさや、あたたかいお声を今でも鮮明に覚えています。
「しあわせになってください。」
という、なにげないひとことも、桂先生がおっしゃると、特別な魔法の言葉のように聞こえました。
「粘土と窯が恋人」の私は、
あのころも今も、たぶんこれからも、甘やかなこととは無縁の日々を過ごして行くことでしょう。
でも、しあわせの定義は人それぞれ。
『恋人の聖地』で鐘を鳴らすことはなくっても笑、
うつわを作り続けることで、たくさんのすてきな人たちと出逢えることが、私のいちばんのしあわせと思っています。
あの日の魔法の言葉の効力はまだまだ続きそう。
桂由美先生のご冥福を心からお祈りします。